国盗り物語(四) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (720ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152073

感想・レビュー・書評

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  •  織田信長「本能寺が、いま、熱い!!」…と、どこぞで見かけて吹いたこの文言を書きたかっただけですが。

     3、4巻に関しては「織田信長編」と表紙に書かれているものの、読んでみると「明智光秀編」でも過言ではないくらい光秀の描写に力が入っていました。斎藤道三に見込まれた2人である織田信長と明智光秀が出会う所から、本能寺の変に至るまでの経過が細かく書いてあります。

     …何だか上司のパワハラに日々悩み苦しむリーマンを見ているようで、胸が苦しくなりました。本能寺の変は信長の性格がもう少しマイルドだったら起こっていなかったのか? しかし信長から苛烈な部分を取ってしまえば、戦乱の世であれほどの快挙を成し遂げられたかどうか。

     まぁどうこう言おうが、結局は「是非に及ばず」という事なんだろうけれど。
     兎にも角にも光秀さん、お疲れ様でございましたと言いたくなる。(人の上に立つ信長も、多くのものを求められるので大変だったのだろうとは思いつつも、同情できる状況になった事がないので…笑)不幸な話ではあるものの、イッキ読みしてしまう程面白かった。

     しっかしこの戦国時代の人の「野心」には感服。今でいう「俺は企業する!」と同質のものなのかどうなのか。…余談ではあるが。

  • 全巻読了。後編は信長篇と謳ってはいますが、信長より光秀の事が詳細に描かれていました。
    信長と光秀を対比する事ができて面白かったです。後半は光秀の葛藤、孤独感が胸に突き刺さり、読んでいて切なくなりました。しばらく歴史小説にはまりそうな予感!

  • (1992.06.07読了)(1992.05.17購入)
    織田信長〈後編〉
    (「BOOK」データベースより)amazon
    すさまじい進撃を続けた織田信長は上洛を遂げ、将軍に足利義昭を擁立して、天下布武の理想を実行に移し始めた。しかし信長とその重臣明智光秀との間には越えられぬ深い溝が生じていた。外向する激情と内向し鬱結する繊細な感受性―共に斉藤道三の愛顧を受け、互いの資質を重んじつつも相容れぬ二つの強烈な個性を現代的な感覚で描き、「本能寺の変」の真因をそこに捉えた完結編。

    ☆関連図書(既読)
    「国盗り物語(一)」司馬遼太郎著、新潮文庫、1971.11.30
    「国盗り物語(二)」司馬遼太郎著、新潮文庫、1971.11.30
    「国盗り物語(三)」司馬遼太郎著、新潮文庫、1971.12.20

  • 明智光秀が織田家に仕官してから山崎の戦いまでの物語。明智光秀は織田信長に政務官、武官としてその能力が評価され、木下藤吉郎とともに織田家家臣団のトップにまで異例の出世を遂げた。織田信長は能力ある者なら自分も含めて擦り切れるまで酷使したため、明智光秀がいかに働き回ったかが描かれている。
    そんな中で、藤吉郎が織田信長にうまく気に入られたのとは対照的に、光秀の伝統や仏教を重んじる態度は信長に嫌われていた。完全に実力主義である信長の譜代の家臣に対する冷酷な処遇や、自分への厳しすぎる態度から、光秀は信長を悪意を持ってみるようになり、最終的には冷静さを欠いたまま謀反を起こした。
    物語は終始光秀の動向を中心に描かれていて、謀反を起こす前の光秀の苦悩が詳しく書かれている。

  • これは面白い。斉藤道三が油売り商人と大名の兼業とは知らなかった。しかも織田信長と明智光秀に多大な影響を与えていたことも知らなかった。それにしても明智光秀の性格がこんなにもウェットだっとは歴史の教科書からは全く想像できなかった。ひとは名誉、財産、身体を傷つけられそうになると暗殺(報復)を企てるようになる。と、なにかで読んだけど、光秀がまさにこれに当てはまる。同情するしかないな。

  • 今更感満載ですが、サラリーマンの知恵一杯です。Dragon Ashと意外と合います。

  • 織田信長編と言いながら、ほとんど明智光秀編。それはそれでいいが、ちょっと盛り上がりに欠ける。細かい話でつないで長くしたような印象を受けてしまう。

  • 面白かった。読み終えて感慨深い

  • 織田信長編というよりも、明智光秀編のような内容だった。

  • 斎藤道三⇔織田信長⇔明智光秀と日本史はやはり面白い。
    学生時代、道三の落姫の子孫を称する人物と交流があったことを思い出す。
    その人物曰く、豊臣家、織田家それぞれ子孫は続いていて、庶民感覚とは全くかけ離れた違う世界があるらしい。

    系図は江戸時代に創ることがはやったらしいが・・・道三と光秀の家系図は誰も創らなかったらしい。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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