国盗り物語(四) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (720ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152073

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。しかし、後半の信長編は、実質明智光秀やな〜。司馬遼太郎の作品で、ど真ん中に信長を扱った作品はなかったっけ?。

  • 平成25年11月26日読了。

  • 明智光秀が本能寺で信長をはたす。だが時代は光秀を主役にのぞまなかった。天下取りが、まだ男のロマンであったころの物語。

    九州大学:たけ

  • 【Impression】
    3巻を「信長編」にして4巻は「光秀編」にすればよかったような。

    光秀の生き辛さ、逡巡、そして「天運」という人間にとってどうしようもないものに振り回された光秀の生き様が伝わってくる。

    天下盗りの器ではない、というよりも生まれた時代が悪かった。信長のブラックっぷりも凄まじいけどな


    あとは「機」が到来した時に動けるかどうか、ここのために日々の過ごし方が大きく影響してくる。その後に天運があればついてくる。



    【Synopsis】 
    ●将軍義昭と信長、そして光秀の関係が大きく変化していく。光秀は両者に仕えているが、信長につくことに決める
    ●しかし義昭の反信長包囲網は武田信玄を筆頭に固まりつつあり、信長の天運も尽きかけたかと思いきや、武田信玄が死亡する。
    ●そして信長の京における地位は固まり、多方面作戦を展開する。5大将軍まで上り詰めた光秀は、徐々に信長との軋轢を明らかにしていく。
    ●そしてついに「機」が訪れる。信長が本能寺に少数の兵とともにおり、他の将軍達も多方面に散らばっており光秀に絶好の機会が到来する。
    ●そして、信長は本能寺に散る。すぐに光秀も殺される。斉藤道三から始まる、信長と光秀に連なる系譜は両者相打ちで終止符を打つ

  •  前半は「美濃の蝮」斎藤道三の話。そして、後半は織田信長・明智光秀の話。ただ、後半は、光秀視点で話が進んで行った。

     斎藤道三の一生は、まさに、波乱万丈の人生と言えるのではないだろうか。一介の僧侶が還俗し、油屋の商人となる。そして、土岐家の家臣となり、最後は下剋上によって大名にまでなり上がる。お万阿の道三への信頼や側室を持つことへの割り切りといったさっぱり性格がとても格好良かった。道三の大名になること、そして、天下を取るということへの執念には、すごい気迫を感じた。ただ、のちに信長が述べているように、稲葉山城を堅守に作ってしまったが故に、その気迫が減じてしまったのであろう。そこが、天下を取れるものとの違いなんだろう。

     織田信長・光秀編には少し驚いた。私が想像していた光秀の性格とは違うものだったからである。たとえば、信長の事を最初は見下す、ないし、同格に思っており、室町将軍を復興させるために信長の配下に下ったことである。このような経緯で家臣となったからこそ、最初から信長に対する不信感を抱いていたのだろう。その不信感が、本能寺の変の前で一気に膨れ上がってしまい、本能寺の変という短慮を起こしてしまった。このような光秀像を司馬先生が最初(?)に描いた、ということを知らなかったので、前述のとおり、とっても驚いた。

     『国盗り物語』に出てくる人物は、一人一人性格からしっかり描かれており、好きな人物に感情移入でき面白かった。また、物語の合間に、著者の歓談が描かれており、それもまた面白さを引き立てる一因なのであろう。

  • 斎藤道三の相弟子である信長と光秀。天下統一の野望を抱く信長と、立身出世に邁進する光秀。抜きん出た才覚を持ちながらも二人の明暗を分け、そして共倒れの悲劇をもたらしたものは何だったのか。結局、たかだか人の力では時勢には勝てぬということか。

    毎回、司馬遼太郎氏の歴史小説家としての才能に驚かされる。「本能寺の変」を起こすまでに至る、光秀の感情の起伏と追い込まれている姿は痛々しいほどだ。「反逆者」という光秀の印象がガラリと変わった。

    戦国時代という乱世の世を、斎藤道三を起点として信長と光秀の対立構造と簡略化し、それを軸に史実を積み上げて構成した司馬氏。大傑作である。

  • 初時代小説。

    信長の凄さは、人をみる目、行動力、信念に忠実なところ。
    リーダーとして、戦国時代、時代の変わり目として有利に働いた。
    また、力だけではなく運も味方につけたところが後世まで名を残す結果につながった。

    小説としては、もっと信長に焦点を当ててほしかったが、面白くてためになった。

  • 本当に面白い本だった。ベスト3に入るかもしれない。戦国時代に興味が湧いた。道三が好きになった。なぜ、信長が、比叡山を襲ったのか。光秀はなぜ、信長を殺したのか。それがわかっただけでもよかった。

  • 斎藤道三編を経て、織田信長編。
    織田信長は日本史の授業でもそこそこ触れるし、過去に幾つかの作品を読んでいたのでイメージは大きくブレない。
    羽柴秀吉、明智光秀という信長がその能力を最も高く評価したであろう二人についても同様。

    やはり戦国時代は面白いものです。

    光秀の言葉として書かれていた内容が良かった。
    『食禄とは所詮は餌に過ぎぬ。食禄を得んとして汲々たる者は鳥獣と変わらない。世間の多くは鳥獣である。織田家の十八将のほとんどもそうである。ただし自分のみは違う。英雄とはわが食禄を思わず、天下を思う者を言うのだ。』
    今現在においても同じことが言える。志をどう持つかで変わるものだと思いますが、自分自身はどちらを目指すのか…
    英雄となりうる為の努力をしてきたかというと、よくわからないが、目先の事ばかりに振り回されないようにしないとだめですね。 

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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