- Amazon.co.jp ・本 (545ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101156392
感想・レビュー・書評
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【再々読】
血沸き肉躍る!!
秀頼誕生 ― 真田太平記㈥
2011.03発行 大活字文庫の真田太平記㈥第1巻~第3巻。
上信州にまたがる真田家の領地を守るため、真田昌幸、長男・信幸、次男・幸村の活躍の物語です。
第1巻
石田三成たちと加藤清正たちの確執を利用して、徳川家康は、豊臣家の家臣団を分裂させます。
近江では、石田三成が、豊臣家内の全ての役職を無くし、佐和山城にて城の改修と牢人の雇い入れを行い。
会津では、上杉景勝が、領内の城、砦などの戦仕度を始めています。
家康がどう動くか、日の本中の大名たちが、緊張をもって見ています。
その中で、向井佐平次の息子で真田の草の者・佐助16才は、一人前の草の者として働くまでに成長してきました。その佐助の出生の秘密が明らかになります。佐助は、真田の草の者の頭・壺谷又五郎の孫でした。それには…。
第2巻
家康が上杉景勝を討つために、大阪城を出て関東に向かいます。
家康は、まず、福島正則などの豊臣家恩顧の大名達に会津攻めの先陣を申し付けます。その様子が、さすがに、さすがに悪人ですね。正則に先陣を申し付けるときは、正則の手を取り、豊臣秀頼様の御為に是非…と、正則は感激して、上杉攻めの先陣を率先して引き受けます。
近畿では、石田三成が安土城を攻めますが、寄せ集めの闘志のない軍勢が3万集まって安土城を攻めても、2千の兵で守る城を落とすことが出来ません。これを見た草の者の壺谷又五郎は、西軍は、勝てないかもしれないと危惧し、その思いを真田昌幸に伝えようとした時に…。
第3巻
家康が、江戸城に入ります。そして、伏見城の鳥居元忠から知らせを待っています。
三成らに攻められた鳥居元忠の知らせを受けた、家康は、黒田長政と謀り福島正則を如何に味方に引き入れるかを謀ります。
その頃、壺谷又五郎とお江は、近江に居て真田昌幸のため西軍が勝つための方策を考えています。
【読後】
天下分け目の関ヶ原の前夜です。
悪役・家康が本領をはっきして福島正則を始め豊臣家恩顧の大名達を、豊臣秀頼様の御為に石田三成を討つと信じさせて、西軍と戦わせる謀が凄いです。悪役は、腹が真っ黒でも、笑顔で誠心誠意の表顔です。
【音読】
誤嚥防止のために、大活字文庫「真田太平記」で音読を6月27日から行っています。
舌を噛み、舌の先に出来た口内炎が大きくなり食事もままならなくなり何回か中断しましたが、何とか継続しています。
大活字文庫「真田太平記㈥」の底本は、新潮文庫です。このため登録は「真田太平記㈥ (新潮文庫) 」で行います。
【今後】
新潮文庫「真田太平記」は第12巻までありますが、大活字文庫は第6巻で発行が止まっています。とても残念です。物語は、関ヶ原の決戦前です。惜しいです。
新潮文庫を読もうと思うのですが…字が小さくて(;´-`)
2020.11.05読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この頃から急に角の真田家に対する愛情から来る粗暴な態度が哀れになってくるよね。
三成やることなす事裏目に出て意固地に…
そして、真田家にとっては運命の分かれ道の話し合いからの小松殿に追い払われるまでのとほほスキーム。
結局この巻はプライドを曲げられない為に堕落していった者達がいっぱいだったな。
逆に家康は温情しまくり。 -
直江状が届き、家康が東下。
信幸と、昌幸・幸村父子兄弟が別の道を歩む。
関ヶ原直前、三成の思いと家康の緻密な謀、それ以外のものは揺れ動かされる。
いよいよかー。
54冊目読了。
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6巻家康東下
秀吉の死後着々と力を付ける徳川家康。
昌幸は秀吉贔屓ですが、ところどころで秀吉の采配に疑問を持つところもありました。
家康に対しては、気に入らないけれどその采配や覚悟に感服するところもあるようです。
上杉景勝と、石田三成はそれぞれ家康を排除しようと動きます。
家康は上杉景勝に対して兵を挙げ、さらにその家康に対して三成が兵を挙げます。
関ヶ原の合戦と言うのは後世から見ると家康楽勝で三成無謀として描かれることもありますが、ここでは家康はかなり決死の決意と大胆かつ綿密な計略をたて己の一心の決意で事の準備を進めていきます。
そして三成は事前にだれにも相談せず己の信念で誰も巻き込まず準備を進めて実行しました。
いよいよことを起こし、そこで初めて全国の武将たちに使者を出します。
時代劇なんかでは、三成に味方になってほしいと言われた大谷吉継(幸村の妻の父にあたる)はしばし考えるがその場で決意したように描かれますが…実際は3,4日かけて三成を説得して説得して説得してそれでも決意が変わらないので味方に付いたということのようです。
真田家はどちらに味方に付くかの決断を迫られます。
昌幸は嘆きます「事前に打ち明けてくれれば!」
そして真田家大イベント「犬伏の別れ」に。
真田がメインでない歴史ものでも「父と弟が西軍につき、兄は東軍につく」という場面は取り上げられますね。
こちらの小説では、昌幸、信幸、幸村は語らいも不要でお互いの態度や目が語ることから、お互いに相手を説得することを諦めそれぞれ自分の道へ進みます。
昌幸が三成に着いたのは、家康キライ(ただしこの度の挙兵の見事さには感服)、三成にはまあ好意(ただし家康側の居城をまとも射落とせない三成川の武将たちに今後の不安を感じてはいる)、そして景勝に将来秀頼の筆頭家老として天下人の補佐役をやってもらいたい…という思いがあったようです。
す。
そして当時の武将たちの考えとしてはあくまでも豊臣家家臣として家康と三成が争うというものであり、家康が勝ったからと言ってすぐに家康の天下になるなどとは思っていなかったようです。
しかし豊臣家の家臣同士の争いと言うなら、五大老と五奉行の大半は三成側なんですよね。五大老のうち毛利、上杉、宇喜多、小早川。つまり家康以外のみなさま。
五奉行のうち三成の味方は増田、長束。他に前田玄以は両方に良い顔で、浅野長政は家康側。
この秀吉が直接「秀頼をお頼み申す~~」と遺言したメンバーの大半が三成側で、家康に味方した大名方は「徳川さまは秀頼公のために三成を討とうとしているのだ」って本当に思っていたのか?
まあそんなこんなで日本全国東軍西軍に分かれそれぞれがそれぞれの思惑を巡らせて第6巻終わり。 -
豊臣家を間に挟み、徳川家康と石田三成が対峙する。
ここまでは、家康と三成の人間性の差がまざまざと表れている。
どちらの大義が成り立つのか。
そして、真田家では、父子が敵と味方に分かれる。
どちらが敗れても、真田家の名は残るが、血で血を洗う真田家の戦いはいかに…… -
各武将の動き、駆け引きがとても面白く、こんな風に家康は天下に近付き、関ヶ原に突入して行ったのか、と思いながら読みました。石田三成は嫌いな武将ではないのだけど、どこで読んでも下手だなぁ、と思う…。家康はあまり好きじゃないけど上手いなぁ、と思う。小松殿が姑を追い返すシーン、やっぱり好きでした。
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面白い!この先の戦いが楽しみ!
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関ヶ原前夜。というよりも、実質的に「関ヶ原」は始まっている。さらに言えば、この時点で西軍は既に負けているということが、本巻の終盤から読み取れる。原因は、言うまでもなく石田三成その人のパーソナリティにある。
本巻は関ヶ原本戦前夜の話が中心なので、所謂「犬伏の別れ」ももちろん出てくる。ただ、真田家の今後を左右する重要な出来事であるにも関わらず、割とあっさり書かれている。おそらく、昌幸・幸村と信幸とも意を固めていて、犬伏はそれを確認する場に過ぎないという池波の意図があるのだろう。
あくまでも物語からだが、徳川家康という人物は相当な勝負師である。もっとも、稀代の勝負師だからこそ、江戸幕府を築くことができたのだろうが。
家康と三成との差は勝負師であったかどうかだろう。 -
折り返し地点。いよいよ関ケ原間近。
天下泰平のために行動する兄、
義のために行動する弟、
天下への野心を抱く父。
それぞれの思いが立場を別々にし、
上田の幸村・昌幸と沼田の信幸の距離は遠のく。
そしてついに犬伏の別れが訪れる。
一丸となってどうやって乗り切るか考え、
あくまで策として敵味方に分かれ、
最後まで親兄弟の絆が描かれた
真田丸とはまるで対照的である。
どちらが史実に近かったのだろうか。