コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181035

感想・レビュー・書評

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  • 元々持っていた本を何年かぶりに再読。少々オスマン帝国の知識を仕入れた後に読んだ。
    千年以上続いたものの、徐々に衰微してきたビザンチン帝国の最後の抵抗の物語。最後には、数に任せた強引なまでのオスマン帝国の攻略に屈する。
    陥落後も生き延びた人物たちの文献を元にして、臨場感のある当時の攻防の様子が生々しく伝わってくる。

  • 東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。

    栄華をほこったビザンチン帝国も衰退の一途をたどり、
    残すはコンスタンティノープル周辺のみとなり、
    コンスタンティヌス11世を試練が見舞う。
    飛躍著しいトルコではマホメッド2世が勇躍し、
    トルコ帝国の版図を一気に広げていく。
    世界史の大事件であるンスタンティノープルの陥落を、
    第三者をも含む色々な人々の視線で描いているのが面白い。
    ただし、キリスト教的立場での描き方が主流であるので、
    トルコ側(イスラム)からの目線の描き方がもっと欲しかった。

    ゆっくりと衰退してきたビザンチン帝国ではあったが、
    その滅亡の影にある当時の諸国事情などを顧みながら読むとさらに面白い。

  • 20190317
    ヨーロッパの源流であるローマ帝国の最後の直接的な系譜であるビザンツ帝国の滅亡という歴史の分水嶺を写実的に描く。
    地政学的にトルコに圧迫されトルコ領内に浮かぶ小島のようになり、経済的にはジェノバとヴェネツィアに支配され弱体化したビザンツ帝国。帝国自体の兵力は5000とほぼないようなものでジェノバとヴェネツィアの僅かな援助では、地中海一といわれた強固な城塞をもってしても、トルコ軍を防ぎ切ることはできなかった。
    ビザンツ帝国に相手にされなかったポーランド人ウルバンの大砲、海軍の陸上輸送による金角湾封鎖の突破、坑道の攻防といったテクノロジーの戦いでもあった。
    コンスタンティノープル陥落は黒海と東地中海のトルコ支配に繋がりジェノバの凋落をもたらした。さらに、ビザンツ帝国旧領へのトルコの領土拡張につながった。

  • 1

  • GeaCronという歴史世界地図を13世紀頃から少しずつ時代を進めていくと、東ローマ帝国(Byzantium)がオスマン帝国(Ottoman)に囲まれ、どんどん小さくなっていく。
    そして14世紀後半には金角湾のところでByzantiumは既に点のような小ささ。

    コンスタンティノープルの陥落について、具体的なことは殆ど知らなかった私ですが、地図で見ても分かるByzantiumが追い詰められた背景を知りたく読みました。

    これが私にとって初の塩野作品でしたが、なかなか面白く、対オスマン3部作全て購入したくらいです。

    ただ、陥落寸前の描写が、私には少し分かりづらかったです。

  • 当時のコンスタンティノープルを取り巻く環境、人々の雰囲気などがよく伝わる本でした。単純な時系列をたどった話や作者(又は歴史学者の)狭い認識のもとに構成された話とは違い、当時の多様な人々、文化、環境要素を読み取れる作りになっているので、その内容の生々しだを持って本を読み進めるに連れ当時の人々の感情をも味わった気持ちになりました。

  • トルコ旅行前の勉強として

  • 1983.9? 1991.4?
    2011/6/25 放送大学「地中海世界の歴史」をTVで見て また読みたくなった。
     → http://www.ouj.ac.jp/hp/kamoku/H23/kyouyou/B/ippan_jinbun/s_1114115.html 〜 地中海世界の歴史('09)−古代から近世− シラバス

    内容と著者は → [more]

    内容 新潮文庫 し−12−3
    (「BOOK」データベースより)
    東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。
    独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、
    15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた―。
    地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、
    豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    塩野 七生
    1937年7月7日、東京生れ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。
    ’68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。
    初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。
    この年からイタリアに住む。
    ’82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。’83年、菊池寛賞。
    ’93年、『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞。’99年、司馬遼太郎賞。
    2002年、イタリア政府より国家功労勲章を授与される。
    ’07年、文化功労者に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 現在に続く、イスラム教とキリスト教の争いの源流の一端を見た。オスマントルコによる祖国侵犯の過去は、今も欧州の国家バランスに少なからぬ影を落としているはず。

  • 再読
    「やる夫の城塞都市物語」も合わせて再読
    日本人にとってだけではあれ
    ローマ人の物語は三国志演義のように歴史的価値ある作品だと思うし
    本作もその導入として意義ある一冊

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