ローマ人の物語 (13) ユリウス・カエサル ルビコン以後(下) (新潮文庫)
- 新潮社 (2004年9月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181639
感想・レビュー・書評
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カエサル暗殺の3月15日から反カエサル派の無秩序、無計画の暗殺計画。暗殺することにのみしか考えることが出来ず、国家ローマをどすることも考えていなかったという反カエサル派の悲劇であり、ローマ市民らの悲劇。結果、18歳で後継者となったオクタヴィアヌスとアントニウスの13年にも及ぶ権力闘争。結果は歴史が示すとおりオクタヴィアヌスの勝利になるのだが、その間にはアントニウスとクレオパトラというローマ人からすればどうでもよい恋物語だが、シェークスピアからすれば貴重な演劇の題材がうまれた。カエサルのクレメンティア(寛容)から、アウグストゥスのパクス(平和)の時代へと移り変わろうとしている。
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・「3月15日」
紀元前44年3月15日~前42年10月
・アントニウスとクレオパトラ対オクタヴィアヌス
紀元前42年~前30年 -
クレオパトラ、アウグストゥスの歴史を始めて知った。カエサルはいなかったけど、興味深く最後まで読めた。中巻で むむ って感じだったが、下巻でまた盛り上がった。
しかしカエサル殺される必要なかったなぁ。。 -
カエサルがいないと面白く無いです(笑)
ほんとに偉大な人だったと感じました。
私の中のクレオパトラ像が崩れていく巻でもありました。
もっと賢く情勢を見極める人かと思ったのですが、そこまでは凄い人ではなかった。アントニウスもトップに立てる器ではなかった。
結構厳しい言葉がありましたが、納得いく解説です。
ブルータスは2人いたんですね。「ブルータスお前もか」の意味がわからなかったんですが、納得。 -
共和制ローマ終了。クレオパトラとアントニウスの書き方が辛辣でびっくりしました。
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カエサルが暗殺され、その後の話。急につまらなくなる。いや、面白いのだけど、爽快感がなくなるというか・・・暗殺者は殺され、カエサルがあんなに禁じていたのに、ポンペイウス派はリストアップされ、殺されまくる。アントニウスとクレオパトラの話はなんだかちゃんちゃらオカシイ感じ。オクタヴィアヌスはカエサルが見込んだだけのことはあるけど偽善者だし棚ボタ的。やはりカエサルはヒーローだったのだと思う。もっとも、作者がそう思っているからだと思うけれど。カエサルが死んでも、帝政路線は変わらず、結局、遠回りになっただけで何も変わらなかったのが興味深い。やはり時代が求めていた政治改革だったのだろう。しかし、「ブルータス、お前もか」の”ブルータス”は2人いるのは初めて知った。
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カエサル暗殺からプトレマイオス朝終焉までの巻。何かと取り上げられることがあるクレオパトラについての記述が面白かった。美貌よりもその王女としての立ち位置、思想、思惑がより鮮明になっていて想像を掻き立てられた。カエサルの暗殺についても、暗殺実行犯の思惑やその後のローマの動静が非常に心に残った。
次の巻から、初代ローマ皇帝:オクタヴィアヌスがどのようにローマを動かすのか興味をそそられる。 -
長らく本の中心にいたカエサルが、暗殺されました。カエサルの後を継ぎたい部下代表のアントニウス、実際に後を継ぐはずであった20才にもなっていないオクタヴィアヌスの長期にわたる後継者争いが始まります。
結果は、アウグストゥスとなるオクタヴィアヌスのものになるのですが、あまりにもアントニウスの手際の悪さが目立ちます。後世の人間なんですごくわかるというのもあるんですが、歯がゆい、というレベルです。結局、オクタヴィアヌスは圧倒的に不利な状態でスタートしても勝っちゃうんですよね。
アクティウムの海戦は大事な戦闘ですが、あまり面白い!、というような感じの先頭ではないです。クレオパトラに軍事の才がないが故の判断ミスがすごく目立つ戦闘です。 -
カエサルはまっすぐな感じだが, アウグストゥスは策士な感じがした. 目指すところは同じなのだが, 殺されないためには策も必要なのだ