スープ・オペラ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 119
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101184531

感想・レビュー・書評

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  • 初めて阿川佐和子さんの本を読んだけど、面白かった。
    こういうジャンルの本は普段あまり読まないけど、
    読みやすかった!
    もどかしい感じが、何かいい。
    トバちゃん、サイコー(笑)

  • 阿川佐和子さんの小説初めて読んだけどシンプルに面白かった。
    主人公のルイと同い年で独身っていうところにも何となくシンパシーを感じた。結婚を意識しないわけじゃないけど流れに任せる感じでいいかな、と思ってる辺りとか。

    ルイを女手ひとつで育ててくれた叔母のトバちゃんが、還暦を前に突然の恋に落ちて出奔。
    ひとり残されたルイの家に、ひょんなことから初老の画家トニーさんと年下のライターである康介が住み着くことになり、三人の奇妙な共同生活が始まる。

    単純に、こういうの羨ましいなと思った。
    ひとりはちょっと淋しいけれど、家族を築くとなると煩わしさも感じる。そんな人にはちょうどいい環境。
    基本的には干渉し合わないけどきちんと決め事もあって、今で言うシェアハウスのような暮らし。
    そうは言いつつ当然うまくいくことばかりではなくて、一緒にいれば微妙に恋愛っぽいことになったり、歯車が噛み合わなくて居心地が悪くなるような出来事もあるのだけど。そのリアルさがスパイスになっていて、少しの痛みを感じたり。

    常識を重んじて周りの目を気にする気持ちも持ちつつ自分らしく生きる。ルイはそういうバランス感覚を持っていて、自然に周りを赦して包み込むことが出来る女性。
    優しいから振り回されることも多いし流れに逆らえないこともあるけれど、最後の部分はきちんと自分で決めて押さえるところは押さえている。

    個性豊かな登場人物だらけで読んでいて楽しかった。謎に手品が得意なルイの職場の教授とか、口が悪いんだけど実はそんなに悪い人ではなさそうな大御所小説家とか。
    トバちゃんの奔放さも素敵で、こういう風に振る舞える人に憧れるなぁと思った。

    そして何より出てくる料理が美味しそうな小説。阿川さんと言えば料理エッセイも書かれているはずなので、描写がほんとに美味しそう。
    ちょっと深刻なシーンでも料理の描写が入り込むだけで和らぐんだということも発見。落ち込んでいてもお腹は減る、みたいな、女性ならではの冷静さなのさも。

    楽しくて少し切なくてそして美味しい、そういう小説でした。

  • 阿川さんてこういう展開多いよね。スープはおいしそう。

  •  食事シーンやお料理の描写が秀逸すぎて読むとお腹が空いてくる一冊。ルイちゃん、トニーさん、康介の一見奇妙な共同生活は、たまに不協和音が流れることはあっても、良い具合の距離をおいたり、そっと静かに見守ることでまた穏やかな空気が戻ってくる。そんな三人の関係に憧れる。
     ありそうでなさそうで、でもひょっとしたらあるかも?と思わせるような、大人風味のファンタジーのようで、読み終わるのが寂しかった。

  • 図書館で。この方のエッセイは面白かったけどそういえば小説読んでないなあと借りてみました。面白かったです。

    登場人物にそれほどの悪人が居ないってのは読んでいて楽ですね。トニーさんはなんだかあやふやな存在ですがその曖昧さが魅力なのかな。完全に安心できる存在でもないけれども危険でもなさそう。あれは3人というバランスが良いんでしょうね。二人だと緊張するけれども3竦みだと丁度良い、みたいな。
    そして出てくる料理が美味しそう。鶏ガラのスープかあ… ウチではあまりしたことが無いな…と思いましたが少し前に宅配で届いて調理した際母にあれこれ言われてカチンときたのを思い出しました。トバちゃんとルイさんのやり取りではないですが近親者ならではの心やすさと苛立ちはわかるなあと思ったり。

    ただ、個人的には何で主人公はずるずると押し切られてしまうかな、と不思議に思いました。ナナコさんとの食事というか小説家とのセッティングは大分非常識だ。アレを許せるって相当な人だなあ…と思いました。

  • ほのぼのほっこり系、でも少しせつない。映画化されてるのは知らなかった。料理がおいしそうな小説はやっぱりいいな。

  • 阿川さんはエッセイストのイメージがあったがこれは小説。35歳の主人公のルイとトバちゃんというおばさん。そしてトバちゃんが恋人と共に家を出て行くと出版社の男性と絵描きのトニーさんとの生活が始まる。阿川さんらしいのんびりとした内容で癒された。

  • 出てくるスープがおいしそう。特にサンラータン。今度真似してみよう。
    主人公のルイは私と同年代。何となくちょっと似ている気もする。私も恋愛逃避症なのかな?
    ルイとトムさんの関係が温かくて、羨ましい。トムさんみたいに私を心配して大事にしてくれる人いたけど、私は大事にできなかったことを深く後悔した。
    読みながら、私らしく丁寧に暮らしたいと思わされた。

  • 映画を先に見たので、原作も・・・と図書館で借りました。

    鶏ガラスープ、本当に美味しい! 身付きだともっと美味しい! アガワさん、食いしん坊なんだなぁーとシミジミ・・・。

    食いしん坊アガワさん! 次は、「魚のアラ」で書いてください(^^)

  • 恋愛小説なのかな?と読み進めていたら温かい家族の話でした。最初の方にでてくるトニーのセリフ
    「(前略)この歳になるとね、もう残り少ないんだから、どうでもいいやって思うことと、残り少ないからシャンとしなきゃって思うことと、あるのね」
    に何故か感動したのでメモ。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

阿川佐和子の作品

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