【旧版】深夜特急2 ー マレー半島・シンガポール (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235066

感想・レビュー・書評

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  • タイやマレーシア、シンガポールへと旅をする中で、様々な人に出会う話が書かれていた。自分もタイではタイの人にバス停で助けてもらったことがあったので、作者もタイで料理を奢ってもらったりするのを読んだ時は、共感できて、懐かしくて面白かった。早く旅行したいなー。

  • ★2020年に増補新版が出たようですが、実際読んだのはこちらなのでこちらでレビューします。
    第二巻は見ての通り東南アジア編。
    この人いつも宿の価格交渉を超頑張ってるなあ・・・。ただ、この交渉こそがこの作品の華ですね。しかし色々と生々しくてちょっときつかったです。でも当時の日本人が東南アジアで色々とあれだった話は聞いたことがあります。
    移動と宿と飯と、現地の人との交流の中、ふと人生を振り返るようなとこが入っているのが良いですね。そういう描写がより現実味を感じさせる。一人旅で思索したことって、ずっと後まで覚えてたりするのは何故なんでしょうね。

  • 高校生〜大学生の頃に読み、価値観や世界観が変わった気がする。
    沢木さんのような旅をしたことはないが、本書からは確実に何かしらの影響を受けている。
    人生のバイブルと呼べる本。

  • ラピッドの説明といい、この寝る場所のことといい、タイでは言われたことを深く読み直したりせず、そのまま素直に受け取った方が誤まらないのかもしれない。 p85

  •  コロナ禍の中、海外旅行はもとより、国内旅行でさえおぼつかない昨今、本書を読んで勝手に脳内旅行をしていました。ああ、旅行っていいですねえ笑

     実は私は氏の作品は初めてですが、ノンフィクション作家として有名で、また深夜特急という旅行ルポは良く耳にしていました。

     本作は1980年代の初出版であることから考えますと今からもう40年も前の話でありますが、時代が違っても旅の本質は変わりません。私が考える旅とは『未知との遭遇』、そして『自分を振り返る』です。

     作中では主人公氏は香港からバンコク、ペナン、クアラルンプール、マラッカと渡りシンガポールに到着します。英語と現地語とちゃんぽんしつつ、現地飯をくらい、時にぼったくられたり阻止したり、時に優しい現地人に助けられたり、というローカルとの遭遇の連続。
     その途中で、自分がなぜ旅をするのかとか、今後どうしたいのかとか、そういう不安が一度ならずも心をかすめるのも旅の醍醐味だと思います。
     あくせく働く現実ではなかなか出会えない状況がまさに旅だと思いますが、そんな旅エッセンスがいかんなく描写されていると思いました。

     古めの本ですが、その筆者の視点や心には古びた点は全くないと感じました。不朽の名作とまで持ち上げる気もないですが、旅好きにとってはバイブルみたいな本であると感じました。他のシリーズも読んでみようかしら。

     ちなみに本人が色街へ遊びに行くというような武勇伝的なノリのエピソードもないので非常に健全であると感じました。

  • 著者はよほど香港の熱気が気に入ったのかその幻影を求めてバンコクからシンガポールまで南下するのだが、想像とは違い常に香港との比較をしている。

    現代のガイドブックやスマホのGPSを頼りに旅行するのと違って70年代、海外旅行も一般的ではなかった時代に行先も適当に決めて鉄道に乗るなど著者の行動力の高さに驚かされる。このような旅を再現しようとしても現代では不可能にちかいので、この深夜特急を読んで得られる体験は貴重だ。

  • 目的地だけが決まった旅。
    観光地よりも、そこに生きる人々の生の姿がたいへん興味深く思える点は前回と変わりません。

    前回の旅先であった香港の影を引きずりながら、マレー半島やシンガポールを巡ります。
    バンコクやシンガポールなどと聞くと、観光地のイメージがふわふわ浮かび上がってきます。
    が、タイの人々のものの価値観が思ったよりも卑屈な感じがあって驚きました。

    人に慮ることのない香港の率直な人柄とは違い、つかみどころがないかんじ。
    国民性といったものでしょうか。

    こうした国ごとの違いを知るのも楽しい。
    臨場感のあふれる文体、読ませる面白さは国が違えど変わりません。

  • やっぱりおもしろい。
    香港ってどれだけ強烈な熱気のあるところなんだろう。
    この本に出てくる場所の名前をGoogle mapで検索してそこの写真を眺めて、主人公とともに辿っていくのが楽しい。
    その時々の人との出会い、場所との出会い、ご縁、運、タイミング、偶然の積み重ねで自由に動き回ってる旅人って、一度は皆憧れるのかもなぁ。
    でも、なぜこの旅に出たのかとか、こういうバックパッカーが自国に帰ったあとどうすると考えているのかとか、そこの心境を語っているページにはものすごく納得した。
    猶予が欲しいよね。

  • 2巻目を読み終わっても、まだインドにたどり着かず。
    枠にはまらない生き方が、旅を面白くしているんだろうなと思った。
    高倉健さんとの対談も貴重だった。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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