凍 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 344
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235172

感想・レビュー・書評

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  • この本が好きな人は、山際淳司さんの『みんな山が大好きだった』もおすすめです。

  • はんぱない。文句なし。下山中の支点構築の描写は壮絶の一言。

  • 28.2.18読了
    長らく積ん読本にしてしまっていたことを後悔した。でも今は読み終えて充実感に満たされている。
    「凍」 そして「 闘」
    私はもうひとつ「痛」を付け足したい。
    とりわけ妙子さんの精神力は凄い!もちろん体力も、技術も根性も…(涙)
    再び訪れる際に同行する人がいい味を出してる。

  • 日本人最強クライマー、山野井夫妻のギャチュンカン登頂。
    けして派手ではない、低温の情熱に痺れる。泰史のクールさ、妻妙子の、実務に強く、節約家で、料理上手で、朗らかな性格。何気に奥さんに甘えている旦那さんが微笑ましい。
    テレビで見たけれど、ふたりとも明るくて、ぜんぜん気難しくないんだよね。いったいどこに、あの不屈の闘志と精神力があるというのか。
    文章はもちろん読みやすく面白い。作者の敬意が感じられる。最後に少しだけ出てくる男性=作者がかっこよくてずるいぞ。

  • ヒマラヤ山脈ギュチェンカンの登頂するも、途中で悪天候に見舞われ、壮絶な経験を経て生還した夫婦登山家のノンフィクション。
    下降途中には、雪崩に巻き込まれたあげく、高度のために殆ど何も食べれなくなり、目も見えなくなり、全身凍傷になって、最終的に下山後には手足の指の多くを失う。
    それでもなお、この夫婦は失った指で登山に挑みつづける。

    正直、ここまで命を危険にさらしてまでなお何故登るの? と思う一方、このように文字通り命を捧げられるものがあることは幸せなことなのだろう。
    指を失って体が不自由になってでも、挑戦し続ける夫婦の姿勢は、どれだけ体が悪くなっても諦めず挑戦し続けることで可能性は開けることに気づかせてくれ、勇気づけられる。

  • 沢木耕太郎のノンフィクションの完成度の高さに感銘を覚えました。
    どうしてここまで作者がまるで当事者の様に物語りを綴れるのか、作者の筆力に驚かされます。
    山野井泰史のギュンチュンカンの北東壁をアルパインスタイルでの単独登頂とそれを支えた妻妙子との凄絶な苛酷を極める下山。
    凍傷により二人とも手足の指の切断を招くもまた登山を再開、こんなダメージを受けながらも山登りに喜びを見出だすクライマーの気持ちを正直理解できないが、作者はどう感じたのだろか?
    この様な常人には理解できない情熱、行動が作者の作家魂に火を付け、その熱量の凄さが同書の完成度の結果に繋がったんだろうと思うが、裏の取材活動をどうされたのか聞きたいものである。





  • ちょっと筆舌に尽くしがたい読書体験、すごいわー。。良い年こいて寝不足になるくらい止まらなかった。

  • 凄い。かっこよくて痺れる。読んでいて何箇所もそう思いながらあっという間に読み終わった。

    先日ほっとするような山の小説を読み終えたところだったのでギャップも凄まじく余計にそう思ったのかもしれない。

    やっぱり頭のネジが外れた超人達の本の方が好きだなあ。

  • ノンフィクションだからこそのリアルさと、想いに焦点を当てられる文章だからこそ感じる面白さ。
    自分の人生を設計し、ギリギリまで自分を追いつめて限界にたどり着くことの面白さが描かれた内容だった。

  • だいぶ前に蒼井優さんがおすすめしていて、気になって手に取った1冊。細かい描写が素晴らしく、読み始めると止まりません!冬になると恋しくなり、何度も読み返しています。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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