若き数学者のアメリカ (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101248011

感想・レビュー・書評

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  • ヴァイオリニスト、高嶋ちさ子さんがおすすめされていて知った。

    面白かった。最後の章の前までは、内容はもちろん文章が面白い!
    最後の章、藤原さんが描かれている当時(1970年代)のアメリカと現代の日本が似ているような気がした。だから、言葉が刺さった。
    アメリカは、強く、積極的なイメージだったが、そのイメージ、現実の意味を知って、大変腑に落ちた。アメリカへのイメージが変わった。

  • 「国家の品格」でも有名な筆者の初エッセイ(多分)。
    アメリカが題材ということで読み始め。私はアメリカだろうが日本だろうが、「〇〇の国最高!」とかいう感覚はあまりもってないし、もちたくないから、この本の随所にチラチラ出てくる「アメリカじゃなくて日本が良い!」の感覚がちょっとダメで読み終えるのが遅くなった。でも最後に出てくる「アメリカ人という国民性がないのがアメリカ人の国民性」「アメリカに真の意味で溶け込むには日本人らしく振る舞うこと」などというところは面白く読んだ。

  • 数学者のアメリカ滞在記。

    滞在中のさまざまなことについて、深くこの方の視点、考えに触れられる。
    いいことばかりでなく、アメリカに対する対抗心、モチベーションが上がらず体調が悪い冬の期間の話も。外国で教授もするくらい賢いのでお堅い方かと思いきや、人間味あふれ、人への興味、愛のある方なんだなぁと思った。

    大学の研究vs教育の話、大学を辞めさせられた教授の話は、自分のいるコミュニティの洞察力の参考になりそう。

  • 主人公は若い数学者。
    藤原先生がアメリカに単身行って感じたことなどが綴られたエッセイ。

  • 著者がアメリカに研究、講師として招かれた頃の述懐がまとめられた内容でした

    前半は、新天地、しかも海外ということで、どこかウキウキした気持ちが伝わってくる内容で、カジノで散財したお話とか、若さからくる勢い、怖いものなし、みたいな部分も味わえて楽しかったです

    中盤、苦悩する時期、もがく時期の描写も、若さからくるもの、アメリカ生活における日本人としての意識、みたいな部分で苦しんだ経験、気分転換で行ったフロリダでの出来事、そのときの気持ちの変化、苦しみを乗り越えた先にあるもの、気持ちの描写がとても胸に響く表現で、ズシンときました

    終盤、苦悩を乗り越えて、最後はアメリカ人の印象が綴られてます。アメリカは移民国家ゆえ、日本人が持ってるようなアイデンティティ、郷愁、みたいな感覚が無いのかな、無いからこそ、個性が強く見えるだけで、それこそがアメリカ人、だからこそ、日本人はアメリカでは自然に日本人でいてこそアメリカ人になれる、というお話が印象的でした

    自分は著者とは比べものにならないくらいの期間しかアメリカで仕事した経験はありませんが、それでもその頃の気持ちも少しばかり思い出しながら読み進めることもでき、懐かしさも感じながら、若い頃にもっと思い切った経験を積んでおくべきだったなぁ、と思ったりしながら読みました

  • 日比谷

  • 大学一年生の私には響かなかった…。大人になって働く苦労を知った後に読んだら変わるかもしれない…?

  • フロリダで交わす10歳のセリーナとの会話は散文詩のように美しい。

  • 藤原正彦さんの作品は国家の品格に続き二作目。

    基本的には著者のアメリカ滞在記なんだけど、数学者なのに内容が数学に偏ってなくてどちらかというと日常生活のアメリカ、アメリカ人に重点が置かれているところが面白い。

    ちょっと古い本だけどすごく「あるある」的な感じで懐かしさに溢れながら読みました。

    著者はおそらく天才の部類に入るんだろうけど色々苦労も絶えないんだなと感心したりも。

    国家の品格と内容が少し重複してるのはご愛敬。

  • 姫路大学附属図書館の蔵書を確認する→
    http://library.koutoku.ac.jp/CARINOPACLINK.HTM?IS=9784101248011

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著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2020年 『本屋を守れ 読書とは国力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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