- Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101248011
感想・レビュー・書評
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第12回(テーマフリー)
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自分のすべてをアメリカにぶつけた青年数学者の躍動する体験記
所蔵情報
https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=B17363 -
タイトル通り、お若かったんですね(笑)という感じ。全体に勢いがあって、学問と新しい環境への情熱が感じられる。
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持ってるのはハードカバー
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面白かった。数学者とは思えないような砕けた話も書いてあった。
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「国家の品格」で有名な、数学者兼エッセイストの著者が、1972年から3年間米国の大学に研究員・教員として滞在した際の体験を綴った、処女エッセー。
とてもナイーブな著者。滞在初期に自意識過剰から疎外感を味わい、メンタルをやられてしまったことや、それを吹っ切った後はアメリカ人的・社交的に振る舞って表面的にはうまくやれた(人気を博すことができた)ものの安らぎは得られなかったこと、最終的には愛情を感じて背伸びせずに自然に振る舞えるようになったことが、ちょっと読んでいて恥ずかしいくらいに赤裸々に綴られている。
後半はアメリカ人論担っていて面白かった。
アメリカでは、学費の問題から必ずしも一流私立大学に優秀な学生が集まるわけではなく、成績抜群の学生でも地元の州立大学に行くことも多いこと(このため、大学名による差があまり出ないこと)、そのため卒業時点で他者に差を着けるには成績を良くする他にないとのこと。今でもそうなのかな。
アメリカをアメリカたらしめているのは、「自由と独立」という崇高な理念ではなく、アメリカ人に莫大な富をもたらしている「広大な国土、肥沃な土地、豊富な天然資源」であり、アメリカの国土から得られるこれらの富を共有し守り続ける、という一点において国民がまとまり国家が成立している、という著者の指摘は鋭い。逆に言うと、アメリカ人には、守るべき伝統、文化がない、ということになる。
著者は、平均的なアメリカ人に成ろうとするよりも、「他人の迷惑にならない限りはすべて自然な日本流で通すのがアメリカ社会に快く受け入れられる秘訣」とも語っている。元々多民族国家のアメリカでは、皆そうして社会生活を営んでいるのだし、「人の心というのは、洋の東西を問わず驚くほど、共通性がある」からだという。
著者の他のエッセーや「国家の品格」、読んでみようかな。 -
2018年3月18日紹介されました!
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数学者とか外国人以上によくわからん存在だと思ってたけどそうでもなかった。
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1970年代のアメリカ。豊かさを実感できた時代。アメリカが唯一の憧れであった時代。アメリカとイギリスが比較にされるが、アメリカでは目立つことが正義であり、のしあがって行く必要だってあるはず。それは当時も今も変わらない気がします。
今ほど格差のない時代。アメリカの高層ビル郡は、手を伸ばせば届く存在だったのかもしれないと思うと牧歌的なアメリカも悪くないです。