ひらいて (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101266510

感想・レビュー・書評

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  • 小説の後に映画観たけど良かった。なんせ主演がわたしの好きな山田杏奈で、雰囲気が合ってて台詞のひとつひとつとか小説の文字がそのまま口から出てきたようにわたしの頭の中でも繰り返されるのが楽しかった。やっぱりわたしは映画より先に小説派

  • 恋愛で学生ものなのにこんなにもドロドロとした話とても惹かれた。大好き。何回も読み直したい

  • 愛の言動はかなりヤバイヒトだけど、決して終始不共感というわけではなかった。
    たとえへの執着はすごくて、それを受け入れてもらえず歪みまくっていったけど、美雪が、必死に生きる愛を受け入れてくれたことで愛は自分を認められたのかなって。
    とても解釈が難しかった。

    恋をもう少し勉強してから再度読みたい。

  • 愛の心情描写が特徴的。学生ものは思春期の恥ずかしい部分が表立つことが多いけれど、愛にはそこがないからするする読める。
    ストーリー展開は突飛だし、特別好きではないけれど、印象的な作品。

    光浦靖子のあとがきにめちゃくちゃ共感した。私が感じてたこと全部書いてある!って感じ。

  • 姫路大学附属図書館の蔵書を確認する→https://library.koutoku.ac.jp/opac/opac_link/bibid/BB00003904

  • 愛ちゃんと共感することが多く感じました。恋がしたい!と思います。

  • 学生のうちにしかできないような、情動的な行動たちが懐かしくも遠いことのようで、読んでいて心にくるものがあった。映画から文庫へと入ってきたのだけど、この感じは両方で楽しめてよかった。また読みたくも観たくもなる作品。

  • 容量もルックスもいい女子高生の愛が好きなったのは地味男子のたとえ。でもたとえは、糖尿病のおとなしい美雪とつきあっていた。

    たとえが好きで好きで好きで、フラれて、たとえの彼女の美雪を抱く愛。身勝手にあたりをなぎ倒し、傷つけ、そして傷ついて。
    女子高校生の絶対的孤独、愛ゆえの不安定さ。自意識からの自己中心さ、自分を認めて欲しいという欲求。愛の中のあらゆる感情がごちゃ混ぜになって、自分でコントロールしてると思っても出来てない、歪んだ形で体の外に、行動に出てしまう。恋ってすごい、愛ってすごい、とまで思ってしまうほど、愛は自分の気持ちにまっすぐだった。たとえも美雪も愛もみんな愛情不足で、自分の心の拠り所を必死に探している気がする。
    たとえの父親を殴る愛がカッコいい。嘘だと分かりながら言葉が止まらない愛が悲しい。自己愛を捨てきれない愛が愛おしい。読みながらいろんな感情になる。綿矢りさの表現力がすごすぎる、好きすぎる。本当に好きだ。不安定な女の子の感情を描かせたらピカイチすぎる。

    映画も見たけど、映画も良かった。原作も映画も良い作品って実は少ない。「ひらいて」。それぞれ、こころをひらいて。

    「愛は、唾棄すべきもの。踏みつけて、にじるもの。ぬれた使い古しの雑巾を嗅ぐように、恐る恐る顔を近づけるもの。鰯のうす黒いはらわた、道路に漏れるぎらついた7色のガソリン、野外のベンチにうすく積もった、ざらざらした黒いほこり。
    恋は、とがった赤い舌の先、思い切り掴む荊の葉、野草でこしらえた王冠、頭を垂れたうす緑色の発芽。休日の朝に起き抜けに布団の中で聞く、外で遊ぶ子どもの笑い声、ガードレールのひしゃげた茶色い傷、ハムスターを手のひらに乗せたときに伝わる、暖かい腹と脈打つ小さな心臓。
    私は、乾いた血の飛沫、ひび割れた石鹸。ガスとちりの厚い層に覆われた惑星。」

    「理由なんか、どうでもいい。私たちはいつもときどき、ひどくつらい。」

    「およそ、忍耐力など持ち合わせていない人が、たとえ打算があったとしても、私の前ではおそろしく辛抱強くふるまい続けるのであれば、私は愛さずにはいられません。
    ほんのひとときでも、心を開いてくれたのであれば、私はその瞬間を忘れることはできません。」

  • 「器用に腕白な彼らより、わたしのほうがよっぽど、据わってはいけない部分の肝が据わっているのだ」

  • 主人公の強い勢いと詩みたいな文章で、続きが気になってイッキ読みだった。正直、あんなに激しく恋する子に感情移入はできない。最初は、プライドを保って普通だったのに、たとえにふられてからありえないくらい執着しちゃって怖かった。そこから、全然立ち直れなくて受験も失敗して、クラスでもヤバいやつみたいになって、最後は教室から飛び出してしまって、人生を狂わせすぎている。折ると祈るが似てるっていうのはいい表現だと感じた。

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著者プロフィール

小説家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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