ポプラの秋 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101315126

感想・レビュー・書評

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  • 父の死という辛い出来事がもたらした、母と娘のこころもとない日々、引越し、転校……。幼かった千秋には対応しきれなかった現実の、その重たさがリアル。

    序盤は読むのがすこし辛いけれど、不安や閉塞感で傷ついてしまった千秋が、徐々に癒やされていく様子が温かく描かれているお話です。父の死の真相が明かされるラストは「大団円」とはすこし違うかもしれないけど、でも、もう千秋は大丈夫なんだろうな、という安心感のもと、本を閉じることができます。

  • ポプラ荘での千秋の子供の頃の暮らしの描写がとてもよいです。おばあさんの本当かうそかわからない、飄々とした感じも大好きでした。ちょっと「西の魔女が死んだ」を思い出しました。素敵な作品でした。

  • 「夏の庭」が大好きなので
    随分前から気になっていた作品だった

    いつか読むだろうなと思いつつ結構経った。
    「夏の庭」とは違いどこか儚げな雰囲気があったからなのか
    実際読み始めてみてもそこはやっぱり儚げな感じで
    星野千秋
    語り部である28歳の彼女自身がそういう雰囲気なのだ
    小さい頃過ごしたポプラ荘のおばあさんの死から
    回想で話が進む
    「ポプラの秋」に登場するあばあさんはまた違った魅力があった
    それこそ強い生命力みたいな

    この話は儚げだけど、優しいものだった
    読後感が本当に素敵な本でした

  • これも中学の頃に読みました

  • 女の子の精神的成長ストーリー。
    最初に読んだのは小学生の時かな?
    昔はよくわかっていなくて、ただの日常生活が書かれてる本的なイメージでしたが、大学生の今ではいろいろ考えることが増えました。
    そういえば私も小さいころは『死』について考えたことが多かったなぁ。

  • 死を知り、その悲しみを乗り越えること。手段として死者への手紙を書くうちに、何かが少しずつ変わっていった。奇妙なおばあちゃんとの奇妙な約束、その約束が繋げる輪に感動。ゆっくりゆっくり語られていく優しい物語。

  • なんというか・・すごく暖かくなる作品。地味に泣ける。すごく描写が綺麗で読みやすい。

  • 電車で泣きました。
    心があたたかくなります。

  • 夫を失ったばかりで虚ろな母と、もうじき7歳の私。二人は夏の昼下がり、ポプラの木に招き寄せられる様に、あるアパートに引っ越した。
    不気味で近寄りがたい大家のお婆さんは、ふと私に奇妙な話を持ちかけた。
    18年後の秋、お葬式に向かう私の胸に、約束を守ってくれたおばあさんや隣人たちとの歳月が鮮やかに蘇る。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    面白かった。予想外に、タイトルからほんわかした話かと思ったらそうでもなかった。
    最後お母さんの手紙がすごく衝撃的で、印象に残った。
    湯本さんの本は、なんだか死生観について考えさせられるのが多い。
    主人公が子どもながらに不安に思って、学校に通えなくなってしまう気持ちとか、母親の様子とか、鮭缶とか、なんかひとつひとつの描写がすごい…
    面白かった。

  • 夏の庭も読んだからその流れで。最後の母親の手紙に衝撃があった。この人の小説は、人のつながりを実感させられる。

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著者プロフィール

1959年東京都生まれ。作家。著書に、小説『夏の庭 ――The Friends――』『岸辺の旅』、絵本『くまとやまねこ』(絵:酒井駒子)『あなたがおとなになったとき』(絵:はたこうしろう)など。

「2022年 『橋の上で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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