あの歌がきこえる (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349244

感想・レビュー・書評

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  • どストライク!音楽もしきたりも人間たちも空気も雰囲気もすべて私が過ごした青春時代と同じだった。育った場所が違うだけで、体験したことも目標も瓜二つ。まるで各年代の自分のアルバムを見ているよう。涙が溢れるような感動こそなかったが、大きな共感を覚えた。ありがとう!重松清さん。

  • 中学生~高校生に成長していく過程の物語。
    そして最後には親元から旅立っていく様子が描かれています。

    自分の高校卒業の時には先しか見ていなかったけれど、今 親の立場で読んでいると、ラストは涙がこぼれてきました。
    本当に その時その時を大事にしたいと思います。

  • 著者の作品は、たくさん読んでいるように思います。ストーリーが分かりやすくて、いい意味でベタなところが好きです。特に若者が子供や青年が主役のものが好きです。その意味で、この作品は私にハマっています。登場人物たちと、ほぼ同年代。各エピソードに当時を思い出させるヒットソング。音楽って不思議なもので、私などでも印象深い場面には、なにかの音楽が頭にあります。それを、そのまま表現してくれています。少年3人が、中学高校と恋をしたり、辛い人生経験をしたり、そして高校卒業とともに違う道を歩き出す。3人が、その後どんな経験をして、生きていくのか興味深いです。甘いかもしれませんが、3人の友情が大人になっても、おじさんになっても、爺さんになっても続いてくれることを祈っています。私には叶えることが、できていませんが。

  • 本州の西の端の小さな街で生まれ育ったシュウ、コウジ、ヤスオは1980年ごろに中学生となる。親の離婚、交換日記、高校への進学や、大人の女性に憧れ、ギターで流行歌からちょっとズレた歌を歌い、様々なイベントを当時の流行していた歌とともに思い出していく連作。

    重松清というと重くるしくて理不尽な不幸の連続というイメージが有り、これを含め何冊も買って寝かしていたが、この作品はそういう雰囲気ではなかった。

    コウジのように親が離婚してしまうわけでもなく、ヤスオのように思い切り弾けるわけでもなく、馬場くんのように引っ込み思案でもない平凡なシュウは、作者のいち部を反映したものなのだろう。

    しかしそこは重松清である。それぞれのエピソードに出てくる人たちはいろいろな背景があり、一筋縄ではいかない人生であり、高校の途中で駆け落ちをしたり、事故で生死をさまよったりということになる。

    それぞれのテーマとなっている曲も1980年前後の邦楽中心の、当時を生きた人なら知っている、その後に生まれた人にも、Youtube等で聴けるような曲が選ばれており、若い人たちにも読みやすい作品であろう。

    どこかで重い雰囲気になるんじゃないかと、若干警戒、もしくは期待していたところは有ったが、そういう作品ではなかったね。気楽な重松清。

  • 「意地っ張りだけどマジメなシュウ、お調子者で優しいヤスオ、クールで苦労人のコウジは、中学からの友だち同士。コウジの母親が家出したときも、シュウがカノジョに振られたときも、互いの道を歩き始めた卒業の日にも、三人の胸にはいつも、同じメロディーが響いていた。サザン、RC、かぐや姫、ジョン・レノン……色あせない名曲たちに託し、カッコ悪くも懐かしい日々を描く青春小説。」

  • 小学生で彼らが友達になり、高校を卒業するまでの彼らの成長を覗き見してるようで、だんだん親近感が湧いてくる。たくさんの歌が出てくるので、一緒に歌を聴きながら読み進めても、より楽しめそう。昭和の懐かしい雰囲気に切なくなる。

  • 自分と同じ方言で書かれた、親子、友人の物語に感動。

  • 昭和歌謡が大好きな私には、たまらない作品でした。あととても読みやすかったので、何回も読みました。

  • よかった

    自分が広島出身だからかもしれんけど、すごく親近感を感じる青春だった
    なんかこれからの人生に自信を持てた気がした

  • ザッ青春
    ちょっと男子校っぽいノリもあって親近感があった

    歳を重ねて振り返った時、この頃が懐かしくキラキラした思い出になるんでしょうね

    2020/12/1 ★4.7

  • きっと、誰にでもある青春時代の思い出の歌。
    思い出と共に蘇ってくる、歌を懐かしみながら読んでいた。
    やはり、学生の頃の思い出は特別なのだということを思い出させてくれる。

  • やっぱりいいですね。
    この人の本は。

    夢中になって読んで、最後に温かい気持ちになる。

  • 同じ歌を口ずさんだ人ってなんか特別なんだよね。著者と同世代ならきっとよりこの本の良さがわかるんだろうな。うらやましい。

  • 男ってなんてバカで、不器用で、すけべで・・・だけど、いいなって思った。
    自伝的な色合いもあるのかな?
    舞台が山口で、いろんな歌が出てきて。
    特に一番初めの章「いつか街で会ったなら」が好きだった。
    コウジの存在は、この物語の中で光っていたと思う。

    • kuroayameさん
      重松さんの作品って、物語の中に人間の素敵な気持がたくさん散りばめられていて、レトロな雰囲気を漂わせている作品が多く、私はとても好きです♥。
      ...
      重松さんの作品って、物語の中に人間の素敵な気持がたくさん散りばめられていて、レトロな雰囲気を漂わせている作品が多く、私はとても好きです♥。
      まだ読んだことのない作品でしたので、こちらも図書館でチェックさせていただきます♪。
      本棚やレビューを拝見させていただき、いつも発見の場をいただける私は幸せです★。
      これからも是非お邪魔させてください♥。
      宜しくお願いします(>・)/。
      2012/11/01
  • ついに僕も手を出した。 

  • 1.8

  • 友達の話

  • 重松清。ちょっとませた、小中学生の感情を思い出す。
    作品登場曲が良かった。その音楽を聞きながら本を読むって素晴らしい。この世代に生まれたかったなって思う。今も悪くないけど。

  • シュウたちはオイラの4つ上だ。だから「風を感じて」はオイラが小学四年生の時ということになる。確かにその頃から部屋でラジオを聴くようになった。だから「風を感じて」以降の曲たちはどれもよく聴いていた。シュウが高校を卒業したら東京に行こうとしていた気持ちがちょっとわかる。別に家族と仲が悪かったわけでもないが、地元を出てみたかった。馬鹿だから国立は諦めて私立に決めたが、経済的に厳しいのはわかっていたから新聞奨学生というやつになった。それでも家を出ることのほうがはるかに嬉しかった。まあ、そのあといろんないいこと、わるいことがあったけど家を出たからこそわかったことはオイラの大きな糧になっていると思う。シュウ、コウジ、ヤスオが3人組なようにオイラも小学校から高校を一緒に過ごした2人のツレがいる。数年前に3人で集まったがオヤジになっても関係が昔のままというのが何とも可笑しい。シュウたちもきっとオヤジになって一緒に酒飲んだりするんだろうな。

  • 馬場くんの嫌われっぷり可哀想だと思ったけど、実際クラスにいたら私も目を合わさずに声も掛けないだろうな〜
    ヤスオのあのお気楽さ私にも分けてくれ笑

  • 記録

  • 2022.0119

  • すっかり涼しくなってきましたね。
    9月ももうすぐ終わりなんて、本当に時の流れが早い。

    今月はこちらの一冊で終わりかな。

    こちらは重松清先生の一冊。

    時代は昭和。主人公シュウの一人称で中学、高校の6年間、駆け抜けた青春の日々が描かれる。
    青春と言っても特に大きな山や事件やテーマがあるわけではない。
    章ごとに友情や甘酸っぱい恋愛、家族とのちょっとしたエピソードが描かれており、それぞれの物語で一曲ずつ昭和の名曲が背景に流れる。

    思い出の曲ってあるよね。
    私も、この曲を聴くとあのときの気持ちを思い出す、という覚えはある。

    シュウ、コウジ、ヤスオの3人組も良いし、シュウの両親も素敵。

    重松先生の青春物語、好きだな。
    今度、スポーツ青春モノも読んでみたいな、と思ってたところ、今日図書館でそれらしきものを見つけてきた!
    来週から読もうと思います。

  • おもしろかった!
    仲良し?男子三人組が学生の頃からオトナになっていくまでのお話。
    それぞれの個性が素敵で、自分の学生の頃、あの男子達はこんなこと考えてたのかなぁと思いをはせていました。笑

    なんとも言えないもどかしさとか気持ちを擬似体験できたようでした。

  • ノスタルジックでほのぼのとした雰囲気が漂う、ひとりの少年の目線からみた青春群像劇といったところかな。
    方言はのまま綴られる会話にとてもほっこりする。東京に憧れて将来見据えながら模索していく様子にもどこか共感しながら
    いつしか親の目線で見ている自分にもビックリ。

  • 【あらすじ】
    意地っ張りだけどマジメなシュウ、お調子者で優しいヤスオ、クールで苦労人のコウジは、中学からの友だち同士。コウジの母親が家出したときも、シュウがカノジョに振られたときも、互いの道を歩き始めた卒業の日にも、三人の胸にはいつも、同じメロディーが響いていた。サザン、RC、かぐや姫、ジョン・レノン……色あせない名曲たちに託し、カッコ悪くも懐かしい日々を描く青春小説。

    【感想】

  • 中学生の頃から高校卒業までを当時の歌と共に描いた物語。
    悩んで喧嘩して落ち込んで、中学生らしい感情や行動が凄くリアルに感じた。
    歌謡曲のほとんどは知らなかったが、特に問題なく読む事ができた。

  • 2016年11月12日

  • 重松清の青春小説がいい。
    ドラマ化されるような小説も多く勿論面白いのだが
    やはり青春小説がいい。くだらない下ネタも(笑)

    懐かしい、ホロリとする。
    心臓とへその奥の間がむずがゆい感じ
    安直な言葉で敢えて表現することが
    一番の賛辞なのだと思う。

    展開がなんとなく読めたりもするんだけど、
    それでも抵抗なく心が持っていかれしまう。

  • 重松清にしては、結構明るい話だ。

    だいたいが、ジクジクウジウジ、ジメジメジトジトした内容の物が多く、読後感はあまり良くなく、スッキリしないことが多いのだが、この小説に関しては、主人公もサッパリしているし、ちょっと硬派なところがあったり、軟弱なところもあったりで、普通の中学高校生だ。

    そんな、地方都市の多感な中学高校時代をノスタルジックに、苦笑や懐かしさとともに描いた、今までの重松清作品の中ではなかなか出会えない、傑作青春小説である。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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