なきむし姫 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349336

感想・レビュー・書評

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  • 二児の母なのに泣き虫な三十三歳のアヤの、いつも守ってくれていた夫が単身赴任となったことではじまる、小学生になるアヤ似の文太と、親分肌な幼稚園児の千秋と、キツくて息子自慢も多いけれど悪気はないママ友や幼馴染み父娘との日々が色々ありつつも和やかでほっとする。アヤや文太の自然体な成長が逞しくて良かった。

  • 人は人(環境)に依存してしまうのだな。泣きたい時に背中があれば頭を寄せて。抱きしめてくれる腕があれば身を寄せて。
    それが突然無くなった時に自立するのかもしれない。
    自立することを知っていれば頼っていいんだよ。そして頼ってもらいなさい。
    お互いに幸せと哀しみをわかちあう。それが人だから。

  • 2018年1月18日読了。
    2018年29冊目。

  • ぐずぐずなお嫁さんが、パパの単身赴任で強くなっていく話。


    母は強いだよね。
    女は強しかもしれない

  • いつものほのぼのした内容で、ほろっと場面がありでした。
    幼稚園からの幼馴染の3人が大人になり、小学一年生になる子供がおり、夫の単身赴任のより、泣き虫な奥さんが子供二人と大人になってゆく。ガキ大将の健君に助けてもらいながら・

  • さらさらーっと軽いライトノベル、ホームコメディ。重松清さんにしては軽すぎるし、内容が浅すぎる印象。
    だいたい二児の母でなきむし姫の主人公アヤちゃんってどうなの。母はもっとたくましいし、そんな泣かないよー。男の人からは守ってあげなきゃって感じなんだろうけど、女性受けしないんじゃないかな、このタイプ。夫の単身赴任中のアヤの成長を描いたストーリーだけど、あんまり成長してないような。ややヒーロー的に登場する健ちゃんも中身はいいんだけど、その言動はちょっと引いちゃう。子どもたち、ブンちゃんとチッキ、そしてナッコはそれぞれにかわいくて良かったけどね。

  • 二児の母でありながら、泣き虫のアヤ。便りにしている旦那さんが一年間の単身赴任をすることになり…というのがあらすじ。

    アヤが子育てに孤軍奮闘しながらも成長していく話を期待していたけど、イメージとは違っていた。実際は、幼なじみの健ちゃんが動くことで話が進んでいき、アヤは傍観者に近い。旦那さんが健ちゃんに変わっただけのような。二人の子ども、ブンちゃんとチッキがかわいくて、もっとアヤとこの二人のエピソードをメインにしてほしかったと思う。

    健ちゃんの家庭や旦那さんの仕事の話も描かれているけど、それがアヤの成長に深く関わってくるわけではないので、まとまりがないような印象。それぞれのキャラは好きなので残念。

    確かにだんだんアヤは泣かなくなっていくけど、最後まで自分からは動かず、健ちゃんに頼りっきり。やっかいなママ友との関係も変わらないままだった。

  • 2児の母に 泣き虫って姫って
    ないやろう~
    と 半ばドン引きしながら
    読み始めましたが
    話の大半は 長男ブンちゃんを
    取り巻く 昨今の小学生事情
    過保護と放任のバランスに
    苦しむ 親御さんの姿を
    上手に コミカルにまとめてあると思います

  • ‹内容紹介より›
    霜田アヤは、二児の母なのに大のなきむし。夫の哲也は、そんな頼りないアヤをいつも守ってくれていた。ところが哲也は一年間の単身赴任となって、アヤは期間限定のシングルマザーに。そこに現れたのは幼馴染の健。バツイチで娘を育てる健は、夫の不在や厄介なママ友に悩むアヤを何かと助けてくれて……。子供と一緒に育つママの奮闘を描く、共感度満点の愛すべきホームコメディ!

    ーーーー
    泣き虫な奥さんというところにまず共感しました(笑)
    夫から見たら「小さなこと」でも、いろいろと考え込んで悩んでしまい、追い詰められて泣いてしまうアヤ。
    哲也も負担があるのかな……と思いましたが、彼の「アヤちゃんを泣かせないように守るのが俺の仕事」というスタンスは見習わなければならないかも、と思いました。
    小説の流れとしては、アヤが健に振り回されながらも成長していく物語。いつもふざけていて、大人になってもガキ大将のままの健ですが、意外と深く考えていることもあるようで、アヤに「二人目の子供だから、ということはない。こどもにとって親が一人であるように、「ブン(兄)」の親も「チッキ(妹)」の親も初めてのことで、子育てしながら一緒に親も成長していくんだ」という趣旨のことを言う場面には感動しました。
    たしかに、弟や妹に対して、兄や姉に接していた経験から接するのは違うのかもしれないな、と感じました。

    ストーリーに加えて、こういった「学び」につながる部分があったのは良かったなと思います。

  • 図書館で。
    久々に重松氏の小説よんだけど…アレ?という感じ。
    なんだか全部とっ散らかして人生は続く、でもちょっとは変わったとこもあったのよ、というような終わり方。そりゃ人間なんて簡単に変われるモノじゃないのはワカルけどそう言うドラマみたいなものを読みたくて小説を手に取るのではなかろうか?なんて考えてしまいました。

    最初は夫婦の絆の話かと思い、頼りないヒロインの母として、妻としての成長ものかと思ったら、ママ友の確執と子供の成長物?となり、幼馴染イケメンが出てきてもしかして不倫の話?と驚愕し、学級崩壊や先生イジメの話が出て、同僚の家庭不和の話と、会社内での男性のマウント取りの話とまあなんて言うのかてんこ盛りで結局何が言いたかったんだろう?と読み終わってため息。
    「今は時代が違うのよって言うけど昔と何が違うの?親が変わったようにしか思えない」とか「二人目だから慣れるって事は無い。その子は一人しかいないんだからいつだって初めてだ」なんて台詞はそうだよなぁ、と感心したのですが。

    アヤちゃん、男性には人気ありそうだけど女性からは嫌われそうなキャラだなぁ…。彼女はボクがいなくちゃダメだ!なんて思わせるキャラですがいや、彼女旦那いなくてもそれなりにきちんとやってるし問題ないですから(笑)そう言う所、男性は見えてないんだろうな~って辺りはちょと愉快。それを真に受けて赴任日を伸ばし伸ばしにするダンナもダンナだけど。

    グズグズしてるだけで自分では決断しない、でも結果にはグチグチと文句を言う。こういう人をおためごかしって言うんだろうなぁ。息子が攻撃されるかもしれないからカズ君ママに逆らえないの、旦那と離れるのはイヤだけど会社の命令だから仕方ないの、子供が寂しい思いをしているし喜ぶから他の人と遊園地に行くけど仕方ないよね、みたいな。自分で考えて判断していないから逃げ…というか私の責任じゃないし、という甘えた態度なのがにじみ出ている。こういう人、イラァっとするけど…じゃあお前はルミコさんみたいな女性が良いのか?と言われたらそれはちょっととなるし…。難しいものです。
    でもさ、結婚して子供二人もいていまだに「姫」はないだろ(笑)と思わなくはない。

  • ライトノベル。裏表紙に「ホームコメディ」と書かれていたけど、それには疑問。コメディではないけど、でも同じ家族がテーマではあるけど、「流星ワゴン」ほど重たい話ではなく、本当にライト。電車の中でサクッと読み終える。深みを求める人には物足りないかも。

  • 母親、幼馴染、夫婦、PTA、、、色々な人間関係が絡み合う日常。
    日常に起こることをちょっぴりコメディタッチで描かれているから読みやすい。
    そして憎めず愛すべき登場人物たちに感情移入してみたり・・。

    人生を観覧車に例えたり、子は親が見ていないところで育つっていうけど、友情も離れてるから絆が強まる、、、など
    心に残るフレーズが散りばめられていて、読んでいて心にスーッと入っていった。

    なきむし姫が周りの環境にもまれてどんどん成長していく様も読んでいて楽しかったし、やっぱり人間いろんな出会いで成長できるんだと感じた!

  • 重松さんの作品、やはり好き。 ふんわりと優しいストーリーの印象。なんとも言えない感情が湧いてくる。幼馴染の友達と家族。変わらなくていいような、変わらなければ大人として成り立たないような。分かっていてもなかなか自分って変えられないよね。そんな風に感じた物語。

  • 重松清さんとても好きなんだけど、ちょっと期待はずれ感あった本作

  • 日々少しずつ成長してく泣き虫姫と彼女を守りたい王子様。
    甘えれる環境だったからこそ、子供の頃から変わらず暮らしていたんだろうな。
    変わる為には自分の意思だけでなく、周りの人や環境も整えなければ難しいよな。

  • 突然、単身赴任が決まった夫と、旦那任せの奥さんと、親に愛着する子供たちのほのぼのストリー。
    時に、旦那が不在で学校ことやらで相談にのたい妻と仕事で多忙な単身赴任の夫との軋轢も・・・
    ただ、重松さんのジーンとくる家族愛が今一つな感じ。
    読んでいても、淡々とするだけで少し期待外れでした。

  • 題名・表紙の絵を含め見た瞬間に絶対好きだなって思った。
    実際読んでみるとほんわかした雰囲気で結構好き。
    展開としては、もう少し姫を困らせて欲しかった。途中から健がしゅやくとなってしまった。
    30~40になっても守ってあげたくなる女性の姿をリアルに書いてくれた重松先生に感謝。

  • 久しぶりの重松清さん。
    2児の母のアヤはなきむしで、ちょっと頼りない。夫の哲也の単身赴任がきっかけで、強く成長していくお話し。

    子育てのヒントみたいなのが散りばめられてる感じもあって、なるほどぉ〜〜と思うことも多かったです。心に残ったのは、幼なじみの健が最後にアヤに言う言葉。

    子どもに一人目も二人目もないんだ。
    ブンちゃんの親を始めてやるのと同じように、チッキの親も初めてやるんだ。

    3児のベテラン母なんていないんだよね。
    子どもは、兄弟でも全然違うし、同じ子どもはどこにもいないもんね。
    という私は、一人娘の母。
    一人の子としか出会ってないんだな。ちょっともったいないとも思ってしまう。(笑)

    そして、健の子育ては良いなぁ〜〜。
    子どもに考えさせる時間をしっかり取って、子どもを信頼してる。見習いたいなぁ〜。

  • ほっこりする作品。描写が細かく、単身赴任中の心情がかなりリアル。全体に癖になるような引き込まれる感じはないけど、かわいいなーとさくさく読める作品。観覧車が素敵なシンボルとして扱われていて、観覧車に対してここまで考えられるなんてと思いました。

    ・チケットをバッグから出した。「こうなっちゃうんじゃないかなって、思ってたんだ」アヤはそう言って、泣き笑いの顔になった。
    →なきむし姫が自分の涙のためじゃなくて、結局哲也の涙のためにもう一枚チケットをとっておいたのかと思うと、どれだけ愛しているか、どれだけ彼を理解しているかが伝わる描写。

    自分ではなにもやらずに解決したいってのは、ウワサ話や陰口だけで誰かのことわかったようなつもりになるのと、似てるような気もするけどな。

    世の中にはいろんな景色があって、いろんなひとたちがいて、みんな、それぞれの生活を一所懸命がんばって生きて、死んで、また新しい命がうまれて

    涙を受け止めてくれるひとが、いる。
    それがなによりも幸せなことなんだと、いま、気づいた。

    チッキは『二人目』なんかじゃない。子どもに『一人目』も『二人目』もないんだよ。
    アヤちゃんはブンちゃんの親を初めてやってるのと同じように、チッキの親も初めてやってるんだ。

  • 著者の本にしては、私には期待外れだった。
    再読はない。

  • なきむしの奥様を残して神戸に旦那は単身赴任。そこへ男気溢れる小学校時代の2人共通の友人が現れ、なきむし姫に子育ての手助けを結果的にすることに。あれか、キュンキュンしちゃうけど旦那はうらぎれないわ~系の話かと思ってケッとか思って読んでいました。色々足りない感じの本でした。さっと読むにはいいかもしれません。

  • 久しぶりに重松清の小説を
    読みました。
    仕事柄、重松さんの作品は
    よく見るのですが、
    これは初見でしたね。

    まぁ、男としては
    なきむし姫がいたら
    守ってあげたくなりますもんね。

    でもって、王子様の役は
    なんだかんだ言って
    安定した家庭的な男が
    割り当てられるんですよね。

  • 二児の母、霜田アヤは、大の泣き虫。夫の哲也は、そんな頼りないアヤをいつも守ってくれていた。ところが、哲也は単身赴任となり、アヤは期間限定のシングルマザーに。バツイチで娘を育てる幼なじみの健が現れた。夫の不在や厄介なママ友に悩むアヤを何かと助けてくれて…。アヤ、本当に成長したなぁ。健の存在が大きかったと思う。

  • こんな「なきむし姫」と幼馴染みだったら、一生守ってあげたくなるんだろうな!

  • ドロドロするのかと思いきや、しなかったのでほっとしました。

  • 子供も親も,子育ての中で育っていく.その様子が生き生きとして楽しい.バツイチ,放浪者の幼なじみの健ちゃんとナッコが素敵で哀しく愛おしい.

  • 2016_03_15-0028

  • 健さんが出た時点で、おっ不倫だな、とか思ったけど、そうじゃなかった。 案外、お堅い人、健さん。

  • 重松清のなきむし姫を読みました。

    ブンとチッキの母であるアヤは大人なのに大のなき虫です。
    ところが、アヤの夫、哲也は1年間の約束で大阪に単身赴任してしまうことになります。
    子供二人とアヤは生活していくことが出来るのでしょうか。

    そこにアヤと哲也の幼なじみ健が引っ越してきて、アヤの悩みの相談に乗ってくれるのですが...

    ワンパターンの物語でしたが、楽しく読みました。

  • 2016.1.16
    思いタッチの本が多い重松清。表紙が可愛かったので手に取りました。内容は軽いタッチの育児書みたいで、するする読める。
    アヤが夫の哲也が単身赴任に立った途端、私には人が変わったように逞しくなったように感じた。環境の変化ってやっぱ人を変える。
    親として忘れられない言葉は、ケンがアヤに言った言葉
    「チッキは『二人目』じゃない。子供に『一人目』も『二人目』もないんだよ。ブンちゃんはブンちゃんだし、チッキはチッキだし、アヤちゃんはブンちゃんの親を初めてやるのと同じように、チッキの親も初めてやるんだ。」

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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