向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (470ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101355511

感想・レビュー・書評

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  • 小学生の主人公が夏休みの宿題を友人宅に届けにいくと、そこには友人の首つり死体が… しかしその後、なぜか死体は忽然と消えてしまう。彼の無念を晴らすため、小さな主人公の兄妹が事件を解決すべく真夏の冒険ミステリー。

    一言で言うとバケモノのような小説、凄すぎて吐きそう。作者の天才ぶりが分かる作品。
    爽やかな体裁を保ちつつも、ミステリー、ホラー、ファンタジー、家族愛、イヤミスの要素が盛り込まれていて、面白いというよりやばすぎてキモイ。

    後半からの怒涛の展開は相変わらずの道尾秀介ばりの内容で、なんどもひっくり返される。ワクワクドキドキが止まらないっ

    たぶん人生経験がそれなりにあって、ミステリーの中級者以上じゃないと全体像を理解できない。でもミステリー好きなら絶対読どけって作品。

  • S君が首を吊っているところから事件が始まり、S君が蜘蛛の姿になって現れた時は驚きました。
    そして、最後の真相、終わりが意外すぎた。

  • なんとも言えない面白さ。どんでん返しの繰り返しで、どんどん読み進め一気読み。だいぶ残酷で不気味な印象が残る。

  • おもしろいです。暗い話ですが、引き込まれました。読んだら不安感、虚無感半端ないです。でも、日にちがたてばやわらぐので、安心してください。あと、私鈍くて、どこでどんでん返ったか、いまいち不安です。
     あと、気になったのはダイキチです。スゴいことしてるのに、扱いが雑でかわいそうでした。ダイキチも誰かの○○○変わりだったら良かったのに。もっとワケわからんか。

  • うーん


    道尾秀介さんの騙される感じを味わいたくて
    手に取りましたが


    こういうのをのぞんでたんじゃない…笑



    ミチオがS君の自殺した姿を目撃するが
    死体そのものが消えてしまう。


    誰が隠したのか
    自殺なのか、他殺なのか

    ワクワクしながら読んでいたが


    なかなか話が展開しない…


    謎が解けてきたなーと思ったら


    人間じゃない!


    そして最後まで読んでも
    よくわからず、すっきりせず。


    考察探して読んでも


    わたしには理解できない世界観でした…



    こういう感じ久々。


    次読むのも道尾秀介さんだけど
    大丈夫かな…

  • 初・道尾秀介さん。
    作品名はとてもよく聞くが、確かにこれは好き嫌いが分かれそうだ。

    私は…どっちかといえばあまり好きではなかったかな笑?表紙のイラストからもう少し明るい話をイメージしていたからかも知れない。
    思いの外暗く、グロテスクで人間のダークサイドを煮詰めたみたいな話だった。
    最初のページを読んだ時すでに息が詰まるような重さを感じる。
    そういった世界観を作り出していたという点で筆力を感じさせる。

    ---------------------------------

    学校でイジメを受けていたS君の死体を発見してしまった9歳のミチオ。
    しかしその死体は忽然を姿を消してしまう。
    3歳の妹ミカ、そしてS君の生まれ変わりだという「蜘蛛」。彼らと事件の推理をしながら、消えた死体を探す。


    もう書いててこの時点で違和感たっぷりなんだけど笑
    物語の世界観がこの非現実な初期設定を
    「まぁアリか…」と読者にスルーさせるのが凄い…

    事件の筋は、最初は追えていたんだけど
    泰造爺さんあたりから複雑になってきて、私のレベルで理解が難しく…ちょっと読み飛ばし笑
    こんな9歳どこにもいないよ…どんな生き方してんだよ…

    そしてこの物語の一番のミソ、
    叙述トリックの部分。
    最初は「イヤイヤ、そんなん無理ちゃう、どゆうこと?」
    とまずショックと混乱が来る。
    その後行き戻りしつつ違和感の正体を確かめる。納得するとともにヤバぁー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
    ここで言えないけどさ、ミカとかさぁ…色々きついなぁ、色々きついなぁ…



    人は誰しも自分の中に都合の良い物語を作りながら生きている。
    後悔や失敗。忘れてしまいたい、隠してしまいたい負の感情から身を守るため。
    そこはわかる。わかるが…
    「物語を作るなら、もっと本気でやらなくちゃ」
    イヤイヤ…あんた本気すぎでしょ

    エピローグも絶望的だけど、もう一度最初に戻ると大人になったミチオが「物語」から未だ抜け出せていないことが分かり、更に絶望を味わえておすすめ。

  • 読みやすくてサクサク読めた。
    展開がはやいので長いが飽きずに読めた。
    何回も騙されて、混乱した。面白すぎ。
    最後は泣いた。
    まさかあそこから泣けるとは思わなかった。
    先生は今後どうなるのだろうか。
    最後まで面白くて満足。

  • 小学生の、ひと夏の出来事。
    なんてノスタルジックな物語では決してない。
    けっこう不気味な描写も多い。
    登場人物たちは、それぞれ抱えているものがあり、重い気持ちになりながら読み進める。
    人間の中に潜む異常性、狂気。
    これが小学生が主人公だから、尚のこと恐ろしい。
    不気味な違和感をビンビンに感じながらも、途中からは事件の解決へ向かって、一気読み。
    なんとも不思議なミステリーだった。

  • 道尾氏の作品は初めてでした。
    ミステリーですが、独特の世界。
    死んだ人間が生まれ変わる 等 一種異様な世界。
    共感できるか好き嫌いが分かれる作品でした。

    解説では
    「人間は自分が思っているよりも遥かに、現実と幻想が複雑に入り混じったグレーゾーンで暮らしている。特に、負の感情に押しつぶされそうになる時、人間はどんなに腹を括ったつもりでいても、いずこかに逃げ場所を探さずにはいられない。その場所は他者の眼にはいかに歪んで見えようとも、本人にとってだけは確かな現実である。」

    このような目線で壮大なミステリーが繰り広げられ、最後には見事に収束します。

    面白くってすごく引き込まれますが、少し暗い部分もあります。
    この作品は いろいろな人の感想を聞いてみたいと思います。

  • 結局、何が本当で何が嘘か
    誰が生きてて、誰が死んで生まれ変わってたのか
    よくわからなかった。
    世界観がすご過ぎてついていけなかったけど
    好きな人は好きかも。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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