龍は眠る (新潮文庫)

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著者 : 宮部みゆき
  • 新潮社 (1995年1月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (537ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369143

龍は眠る (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 二人の不思議な能力を持つ少年と
    二人の犯罪行為に苦しむ青年と
    主人公に愛された二人の女性のお話。



    読みやすさは勿論なのですが、「能力者ストーリー」と知っていたので
    変に考えながら読むことも無く、素直に楽しめたのでした。

    登場人物の一人一人にちゃんと歴史と感傷があって
    「今までこうだったんだろうな」と言うのが想像できるのです

    とんでもなキャラクターやとんでもな設定。
    好きなのですけどね。はい。

    SFや能力物と言うと、上遠野浩平が真っ先に浮かんだのですが
    そう言うファンタジーではなく、どちらかと言うと
    リプレイものの様に、サイキックな内容なのです。

    主人公は至って一般の(?)雑誌記者。
    その主人公と偶然出会って事件に巻き込まれ、心を通わせていくのがサイキック少年。
    ドラマの『メンタリスト』と言った感じでしょうか

    好きなのですよ。パトリックジェーン。
    ただパトリックジェーンは何て言うか意地悪で……とそれは別の話。

    「そう言うものだから」と念頭に置いておけば、特に疑問も無く二人の少年を思い浮かべることが出来るのです。

    ストーリーはだいたい予想通りに進んでいくのですが
    文頭での予告通り、切ない別れと喪失感は、悲しいながらもそれでも前向きに生きて行くんだろうなって、残った人達の負った傷の深さをしみじみと感じさせてくれるのでした

    タイトルの『龍は眠る』なのですが
    誰の「龍」の事だったのでしょう。
    読み終わった後、やっぱり考えてしまったのです。

    そしてやっぱり所々に見える女性ならではなのか、宮部みゆきならではなのか

    女性についての、はっと息を飲む表現が良いのですよね
    引用はしないのですが
    主人公と元婚約者の会話での事だったり
    主人公と同僚の、秘書に関する会話だったり
    思わず2度3度と読み直してしまうほど。

    こう言う表現や主張は今まで読んだことなかったなーと、宮部みゆきを読んで発見することが多々あったのでした。


    次は連城三紀彦を読むことになりそうなのですが、「蒲生邸~」先に読みたいのです。見つからないのですが。

  •  ある嵐の晩、雑誌記者の高坂は、自転車をパンクさせ立往生してしまっている稲村慎司という少年を拾うことになる。
     慎司を送り届けることにした高坂だが、その途中で子供がマンホールの穴に落ちたと思われる事故に遭遇。そのとき慎司は、その事故の真相を語り始める。慎司は超能力者で、事故の原因となった情景が見えたというのだ。高坂は、慎司の言う通り、犯人の車を探し始めるのだが……

     宮部さんのすごいところは、人物描写や心理描写もそうなのですが、登場人物それぞれが抱えるエピソードの分厚さもあると思います。上で簡単に書いたあらすじも、これはプロローグみたいなもので、短編、あるいは中編でも使えそうなプロットを惜しげもなく長編の中で使い、そしてそれを登場人物の葛藤を伝えるのに機能させ、なおかつ冗長に感じさせない、それが宮部さんの一番すごいところではないでしょうか。現にこの小説でも、最初のプロローグが、慎司の人間性や超能力を持ったが故の苦しみをしっかりと伝えてくるのです。

     そして、話は超能力を持った人物たちの真偽を探る展開に加え、高坂の過去を巻き込み二転三転としていきます。慎司の超能力を嘘だと言い切る青年や、高坂に届く謎の脅迫状、かつての婚約者の登場など、場面場面で謎や引きを配置し、どんどん読まされます。ほんと宮部さんの作品は、初期作からうまいなあ。

     サスペンスとしての引っ張り具合も一流ですが、ラストに至るまでの、ある登場人物の動きや心理も読んでいて泣かされます。サスペンスとしても、特殊な能力を持った人間のドラマとしても一級品の出来です!

    第45回日本推理作家協会賞
    1992年版このミステリーがすごい!4位

  • 宮部作品は結構読んでいるのですが、先日、BS11の読書番組で特集が組まれていて、読むつもりで購入済みだったので本棚から、数十冊の読みたい本の順番を早めて読んでみた。

    予想通りの宮部流の読ませるテクニックは、最高ですね。
    読みだすと長編なのにノンストップで最後まで・・・。本当に疲れます(笑)
     いつも思うのだが、読書中に、犯人が表れているのかいないのか?と思うのです。(本書の性格上明かせない内容ですが)読めないのではなく見えないのです。おそらく見えないように作り込んでいるのでしょうね。
    だから、興味津津と深々と我を忘れて没入してしまいます。そこに宮部作品の特徴があると感じました。

  • やられた~という感じでした。
    もう宮部みゆきさんの本は読まない!と決めていたのに・・・。
    今まで見たことのないタイトルを目にして手にとってまえがきを見たとたん、引き込まれてしまった。
    お話の本文が見たくてたまらなくなり、冒頭から心を掴まれたという感じです。
    最初はそんな感じでぐいぐい話に引き込まれました。
    それがいつもの如くだんだん尻すぼみ。
    そして相変わらずのくどい文章で読み終わったあとは「やられた・・・」という感じでした。

    雑誌記者の主人公は台風の中、自転車がパンクして困っている少年を助ける。
    彼を車に乗せて走っていると、何かにぶつかった衝撃が。
    車を降りてみると、そこには蓋の開いたマンホール。
    そして側には子供用の傘が!
    少年はそのマンホールの蓋を開けたのは誰なのか、まるで実際見たように話し始める。
    さらに、主人公の触れられたくない過去までも言い当てる。
    彼は言う。
    「自分は超能力者なのだ」と。
    その後、彼の友人だという少年が現れ、全ては彼の作り話だと言うのだが・・・。

    このあたりまではすごく引き込まれました。
    中盤から後半にかけて、あれだけ引きつけておいてこれか・・・という感じ。
    あまりに期待をもたせすぎる語り口だと思います。
    これは実話で、まるでこの少年たちを作者自身が知ってるんじゃないか?
    と思わせるようなまえがきにも惹かれたし・・・。

    トリックというかタネ明かしって分かってしまうと「な~んだ」という感じなんですよね。
    でも私自身はそれと別に、超能力とか不思議な力ってあると思ってます。
    この世界にそんなのが無いなんて面白くないからそう思っておきたいです。

  • だいぶ前に読んだ本で記憶がさだかではないのだが、超能力者の話。ミステリーはトリックや動機が?の場合が多いので、どうせならこの小説のように超能でスッキリしたほうが気持ちがいい。宮部作品で一番好きかも。

  • 面白かった。

  • この人の作品は、なかなか読ませる。

  • 雑誌記者の高坂昭吾は、嵐の中車で走っていたところ、パンクした自転車で立ち往生していた少年を拾う。
    そして、あるものを轢いたことに気がつき…それは開いたマンホールだった。
    その近くに開いたままの子供の黄色い傘…
    捜索活動が行われるが、なかなか発見されず…
    そんな中、途中で拾った少年、稲村慎司が不思議な怪しい行動を取るようになる。高坂は彼が犯人なのではと考え、問いただした。
    その答えは…「僕は超能力者なんだ」。実際、高坂の過去の記憶を当て始め、そして今回のマンホール事件の真相も語り始める…。
    この事件をはじめとし、高坂に届く白紙の手紙、超能力者の織田直也との出会い、その織田直也の知り合い三村七恵との出会い、そして昔婚約していた女性が関わるようになる。
    超能力とミステリーです。

    再読。初めから惹き込まれる物語でした。
    この本は、超能力をテーマにしながらも、主人公が超能力者ではなく、彼らを外側から見る普通の雑誌記者であったことが、また視点として新鮮でした。
    高坂さんが、とてもかっこいい素敵な方だろうなぁ〜と思わず想像してしまいます。そして、七恵さんも素敵な女性なんだろうなぁ〜と想像しました笑。
    事件も一つ一つがしっかりしていましたが、超能力を持つ少年達の苦悩や事件関係者の心情が、しっかりと書かれていて良かったです。
    そして、ミステリーの中に少し入っているちょっとした恋愛が、とっても良かったです。ベタ甘も好きですが、こういうさりげない感じの恋愛模様を描く所が、また宮部みゆきさんの繊細さだなぁと実感しました。

  • 裏表紙のサマリーを読んだら、SF物かなと予想していました。SFは苦手なので心配しましたが、少し違いました。宮部さんは、かなりのゲームファンだそうですね。そういう部分も作品に影響しているのかもしれないなと思います。
    彼女は、やっぱりとにかく文章がうまいです。構成、間のとりかた、など、読み始めたら続きが気になって止められないですね。インパクトというか衝撃度、アイデアでは東野圭吾さんのほうが上だと思いますが、文章はやはり東野さんが理系出身だからかわかりませんが、宮部さんのほうがレトリックがこなれていますね。
    この小説は、特殊な能力を持って生まれた少年達の話。印象に残った文章は、「今度は彼が人の役に立つだけでなく、人に助けてもらうことによっても幸せになれる人生であって欲しい」というところ。人に助けてもらうことによって幸せになれるとか、考えたことも無かったので、新鮮でした。最後の動機・犯人解明の箇所は、難しかったですが、さまざまな伏線がみるみる気持ちよく整理されて、ストンと落ちる感じがして、爽快でした。宮部さんの作品は、また読んでみたいと思います。

  • うまい。

    と言葉にしてしまうと、自分でももどかしいくらいに浅く思えるのですが、それ以外に言葉がないものでして。

    「超能力」という題材にはじめは少なからず抵抗を持っていました。が、それでも、少年の描き方や登場人物の心の揺れの描き方に、次第に自分の中で何かが加速していくのが分かって。そして後半にある事件の絡み合い、そのスピード感に、気持ち良く自分を乗せることができました。
    いや、宮部さんに乗せてもらった気がします。

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嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。何となく不思議なところがあるその少年、稲村慎司は言った。「僕は超常能力者なんだ」。その言葉を証明するかのように、二人が走行中に遭遇した死亡事故の真相を語り始めた。それが全ての始まりだったのだ…宮部みゆきのブロックバスター待望の文庫化。

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