ソロモンの偽証: 第I部 事件 上巻 (新潮文庫)

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著者 : 宮部みゆき
  • 新潮社 (2014年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (515ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369358

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ソロモンの偽証: 第I部 事件 上巻 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 祝・文庫化☆
    中学生の転落死を発端に描く大長編~宮部みゆきの話題作。
    現代ミステリは5年ぶり?
    さすがの描写力で、長さを感じさせません。

    雪が積もったクリスマスの朝、中学の裏庭で2年生の柏木卓也の遺体が発見された。
    屋上から転落死したらしい。
    一ヶ月前に不良グループ3人と揉めた後、不登校になっていた。
    大出俊次をリーダーとする不良グループのせいという噂も流れるが、卓也の親が自殺と認めるような発言をしたことから沈静化する。
    ところが、連鎖するように事件は起き続けて‥
    大出の父親は横暴なタイプで、世間に対してはむちゃくちゃな態度で息子をかばうが、家では暴君という。

    同級生の急死に女子は泣くが、クラス委員の藤野涼子の目は乾いていた。
    友達ではなくほとんど知らなかったためだが、自分が冷たいのかと内心悩む。
    剣道部でも活躍する文武両道の涼子のりりしさはすっきり輝いていて、親子関係も含めて、重い話の希望になっていますね。
    優等生(しかも美人)は嫉妬されることもあるけれど。

    柏木卓也が頭はいいが超然とした孤立しがちな性格だったので、教師達は家庭訪問を重ねてはいたが、あまり急いではいなかった。

    大出らにいじめられていた三宅樹理は、柏木が突き落とされるところを見たという告発文を作成、学校と、担任の森内恵美子と、藤野涼子に送りつけます。
    藤野の父・剛は警視庁の捜査一課の刑事で、娘に来た見るからに不審な手紙を開け、学校へ向かいます。

    森内はモリリンとあだ名される若い教師で、男子にアイドル的な人気はあった。
    校長らが生徒のことを考えて伏せたことも裏目に出て、学校側のことなかれ体質が批判を浴びることにも。
    相次ぐ事件が噂ばかりで解明されないことに憤りを感じた涼子は‥?

    一人々々がそこにいるかのようにありありと描写されていきます。
    それぞれの家にある思いがけない事情。
    親の影響を強く受け、意志は持ち始めていても上手く伝えるすべも知らない子供達。

    時代がバブル末期の1990年という設定なので、まず携帯が出てきません。
    他にどんな意味があるのだろうか‥?
    いじめの質やスクールカーストは違うのでしょうか。
    重い内容だけど、重苦しすぎることはなく、先が知りたくなるばかり。
    さすが宮部さんというか~最近のものでも、かなりいいほうですよね。

    それぞれの弱い面悪い面はしっかり出てくるけれど、そうなった理由もさりげなく描かれ、していない罪を噂される理不尽さからは解き放たれることに。
    最後まで筆裁きの密度は落ちませんよ!

  • 電子書籍にはならないのかなーっと待ち切れずにとうとう読みはじめました。
    模倣犯はじめ、宮部みゆきの現代ものの長編は夢中になって読めるので、この作品も期待大。
    とにかく、すーっと話に入りこめるところはいつもながらさすが。登場人物が多いけれど、それぞれが単なる駒みたいじゃなくて、ちゃんと人物背景があって読ませる。
    今のところ中学二年生がらみの事件でいわゆる学校のヒエラルキーだとかが描かれている。中学二年生くらいの考えとか気持ちとかありありと。でも、わたしにもわかるわかるわかると思う。
    80年代の話なので、そのころの社会情勢なども。

  •  1990年のクリスマス。校内で一人の男子中学生が転落死をしているのが発見される。自殺か、殺人か。彼はなぜ死んだのか。そして、事件から時間を置き関係者に、三人の生徒を名指しで告発する告発状が届く。

     今作もさすがの筆力! さまざまな登場人物の一人称で物語は語られますが、それぞれの心理描写や鬱屈具合というものがとてもよく書き込まれています。

     特にすごいな、と思ったのが外見にコンプレックスを抱える三宅樹里や自身の境遇から隣人の森内を恨む垣内美奈絵の心理描写でした。
    三宅樹里の場合はこの年代の女子らしい、自分ではどうしようもない外見によるいじめに対する悔しさや苦しさ、そしてそこから生まれる呪詛の念、自身がコンプレックスを抱えるからこそ生まれる同族嫌悪というか、相手を見下してしまう心情というものが非常に伝わってきて、
    垣内美奈絵の場合は一種の狂信的な印象も受ける恨みの念に、読んでいて思わずぞくぞくしてしまいました。

     そして、そうした鬱屈を抱える彼女たちの人を見る目(今回の場合は、樹里の担任で、垣内の隣人の森内に対するそれぞれの見方)というものも非常に恐ろしく感じました。

     そして、もう一つ印象的なのが、時々出てくる各子ども親のどうしようもなさ。転落死した柏木卓也の母親、事件の第一発見者の野田健一の父親、樹里の父親、そして不良グループの親たち。

     そのどうしようもなさには、同情すべき理由もあったりはするのですが、それでも読んでいてモヤモヤが止まりません。
    それはきっと彼らの子どもたちが、年齢や生活の理由、もしくは心情的なものから親と完全に距離を取ることができないためだと思います。

    だから彼らの語りで語られる親たちのどうしようもなさというものの中に、それでもこの親と縁を切れないというような一種のあきらめのようなものも感じられて、モヤモヤしたのだと思います。

     事件の経過ももちろんですが、それぞれの親子関係がどうなってしまうのか、という点も気になるところです

     状況的にも、証拠的にも自殺で終息しつつあった事件に突如舞い込んだ告発状。それをめぐってさらに事件も人間関係もややこしくなりそうです。

    2013年版このミステリーがすごい!2位
    2013年本屋大賞7位

  • 相変わらず、宮部みゆきのミステリー小説には引き込まれてしまう。全六巻に及ぶ大作の第一巻であるが、綿密に練られ、細部まで丁寧に描かれているように思う。しかし、まだ物語は始まったばかり。この先、どういう展開を見せてくれるのだろうか。

    クリスマスに発見された14歳の中学生の転落死体…様々な憶測と疑念が渦巻くものの、真相は見えて来ない。

  • 「火車」を読み、宮部作品は私の読書感覚とズレが無いなと思いました。なので次は時代小説の「孤宿の人」にしようと思い、購入までしたのですが現在積読です。どうしても「ソロモンの偽証」が読みたい。そもそも初の宮部作品はコレにしようかなと思ったのですが、その旨をつぶやいたところ友人から。

    「マンガ鈴木先生の裁判編で会話が盛り上がったよね。こんな感じの好きね。」旨の返事があり。別に他意があったのではないのですが、なぜか意固地になってしまいました。でもやっぱり気になる、積読本はたまっているのですが気になる。素直に読むことにしました、幸いブックオフ100円コーナーで5冊まで揃えることができ、残り1冊も200円で購入する事ができ、手元には全6巻準備OKです。(深夜特急全6巻そろえるのには苦労しましたが)



    面白いです。やはり友人の指摘の通り、この手の学園モノは私の趣味にあっているのだろうか?

    優等生、不良、取り巻き、影の薄い奴、意地の悪い女子、背伸びした奴、大人びた奴、子供っぽい奴 等々に校長先生、教頭先生、担任教師、熱血教師、腰巾着教師、割り切り教師 等々、学園群像モノの鉄板設定要件は十分に満たしています。第一巻はこれら設定(前述したものは例示で物語の内容とは一致していません)の読者への認識付け。登場人物が多いと混乱しますしね。

    そして、そのすり込み過程の中で、コイツは中学の時のオレだな、とかコイツはアイツに似ているなとか、こんな先生はおらんで!などとツッコむ、これが面白い、想像の世界で遊んでいる感じ。

  • 全巻読み通しての感想。
    中学生はどんなに大人びて見えても大人ではない。
    けれども、子どもと呼ぶには精神的に純粋さを失っている部分もある。
    物語に登場する中学生たちも例外ではない。
    妙に大人びている生徒もいれば、感情をコントロールできない生徒もいる。
    内面的な成長にバラつきがあるのも、この年代特有のものなのだろう。
    まっすぐな正義感を持ち、公平に真実を求める藤野涼子。
    裁判を通して本来の姿、本来の自分へと返っていく野田健一。
    父との葛藤に悩み、それでも少しずつではあるけれど変わっていく大出俊次。
    友情という名の歪んだ感情に巻き込まれ、後悔の念に押しつぶされてしまう浅井松子。
    友人であるはずの松子を見下し、利用し、追い詰めて事故の原因を作ってしまった三宅樹理。
    ミステリーというよりも、同級生の転落死をきっかけに成長していく青春ストーリーのようにも感じた。

    中学生たちの人間関係や心理状態を丁寧に描写している。
    純粋さと計算高さ。
    人を思いやる優しさと他人を省みない冷淡さ。
    誰かよりも上に立っていないと保つことが出来ない歪んだプライドと、誰かを傷つけても優位であることを確かめたい欲求。
    大人になればもう少し上手く付き合えるであろう自分自身も、中学生ではままならない存在だ。
    柏木卓也の死は、中学生の彼らに大きな影響を及ぼしていく。

    結末はある意味では衝撃的だ。
    どんなに頭が良かろうが上には上がいるものだ。
    そんな簡単なことを何故親が教えてやることが出来なかったのだろう。
    社会はいろいろな要素で成り立っている。
    コミュニケーションも大切な要素のひとつだと、どうして理解できなかったのだろう。
    中学生である彼(彼ら)は、社会を、世界をわかった気でいる。
    本当はとても狭い世界で過ごしているだけなのに。
    たくさんの人に守られて生きていることに気づこうともしない。
    検事・弁護人・判事・陪審員・・・。
    裁判に関わったすべての中学生にとって、その後の人生のために得がたい大切な何かを手にした「学校内裁判」になったことだろう。
    正しいと思うことをしようと思ったら、けっして不正な手段をとってはならない。
    中学生の頃も、大人になった今も、涼子のまっすぐな正義感は変わらない。

  • この文庫シリーズは6冊
    まずは登場人物がそれぞれ怪しげに
    出そろったって感じの第一巻だった。

    主人公は
    たぶん・・・刑事を父に持ち
    勉強も運動も出来て
    更に容姿も綺麗なクラス委員の涼子か?

    ページ数も500枚を越えるので
    読み応えも十分である。

  • 先日TVで映画版前後編を観たのがきっかけで読み始めた。同級生の死をめぐる東京下町の中学生の群像劇と言うのは実に宮部作品らしいと久々に思った。映画の序盤部分にあたるこの巻では、涼子たち中学生だけでなく大人たちの混乱も描かれているので、全体を見渡しやすい。やはり映画より小説の方が好みかな。

  • 遅ればせながら手に取ってしまいました。長編を読むには決心と時間がいるので、時間のあるシルバーウイークのお楽しみにと買ってきました。まだ始めなので登場人物のイメージをしっかり焼き付けながら読みました、それでも盛り上がり始めて、やめられなくなりそうです。

  • いろんな人の目線から見ていて、途中で誰だったっけ?って分からんくなることがある。
    でも事件の真相がどんなものか全く検討がつかず、速く先を読みたいって思ってしまうような本。
    もう、下巻も買ってはやく読みたいウズウズしている状態

  • 読者がこれから多くの時間を費やすことになる、この物語の雰囲気を探るのに「書き出し」の果たす役割は重要である。物語が三部構成なので仮に「序破急」になぞらえれば、「ソロモンの偽証」において第一部は「序」にあたる。トーンと物語の構成を披露し、読者の関心を惹きつける必要が求められる。「ソロモンの偽証」では柏木君がクリスマスの次の終業式の朝に校庭に積もった雪の中で発見され、それにまつわるエピソードが第1巻で展開する。思ったよりウェットでないし、中学生という「子供」の出口に差し掛かる微妙な心理も上手く表現され期待させる雰囲気である。

  • 想像していたのとはちょっと質の違う怖さがじりじりと迫ってくる1巻。
    本題はまだまだこれからのはず。
    早く2巻が読みたい。

  • 宮部みゆきさんの「ソロモンの偽証」が文庫になったので読む。
    全三部作でそのうちの一部にあたる「事件」の部分が二冊上下巻で読める。

    ボリュームもあるけど、グイグイ読ませる筆力はさすがで、引き込まれていく自分が怖くなった。
    物語は一人の少年の死からはじまる。自殺なのか他殺なのか。そこから広がる噂、疑惑、想いや企みが次々に描かれる。
    読んでいて何度か投げ出したくなるくらい怖くなった。
    読む本の中にはもっとおどろおどろしいものや、死ぬ場面でもむごい場面があるものも読んできた。それに比べたらこの物語の中の死は目をそらしたくなるような表現ではない。もちろん死はひどく悲しいけれど。
    でも何度もやめそうになった。
    怖くて。
    意識や想いが強くて怖いのだ。登場人物の一人が物語の(この文庫で言えば下巻)のラストあたりで、カーテンの隙間から顔を見せて笑うシーンがあるのだけど、そこがマックスだった。
    手が止まったし鳥肌がたった。
    それを見ていた「涼子」に自分がなってしまっていて、逃げ出したくてガタガタ震えた。
    宮部みゆきさんはやっぱりすごいのだ。

    文庫はまだ続きがでていない。単行本で読んでしまいたい気持ち。
    怖くても。
    見届けなければいけない気持ちになった。
    宮部みゆきさんはやっぱりすごいのだ。

  • ついに最終巻も文庫化されたので読むことに。

    宮部さんのミステリーは久しぶりで、『模倣犯』も『火車』も楽しめたのでハードルは高い。
    『ソロモンの偽証』という難しそうなタイトルもあいまってなかなか手をつけられなかった。

    しかし、あらすじを見てみるとなんてことはない、学校内裁判の話しだそうだ。
    これなら自分でも読める!と軽い気持ちで読んだのだがこれが間違い。

    全体の6分の1、事件が起こったイントロにしかすぎないこの巻でもすでに面白い。徹夜必死。
    しかも、中学生の考え方や行動が真に迫っている。自分でもこんな感じで考えてたな、なんてことが思いだされる。

    これがあと5巻も続くだなんて、幸せだ。噛み締めて読みたいが止まらない。

  • 90年の12月24日、そのとき30歳の誕生日を前日に迎えたばかりの宮部みゆきは何をしていただろうか。長編3作目SFサスペンスの「龍は眠る」を一生懸命書いていたのだろうか。それとも、後に社会派の傑作と言われる「火車」の構想を練っていたのだろうか。私には、何故か彼女には世の独身女性が謳歌していたはずのバブル期のクリスマスイブのイメージが湧かない。あの夜の寒々とした風景は、彼女の記憶だった気がする(←失礼だなぁ)。宮部みゆきがこの夜を起点にしてこの長編を書き始めたのは、この日がバブル崩壊前夜だけとは思えないのだ。もちろん彼女には異才とも言えるカメラアイ(昔の記憶を細部に渡るまで表現して見せる能力)があったので、24年前のこの夜の雰囲気はいくらでも再現出来た。

    冒頭の数ページは、まるで独立した短編だ。小林電気店の主人は長いこと電話ボックスで話をしていた中学生の男子が気になって仕方なかった。

    三つの事件以来、修造は、この電話ボックスで起こる出来事はー特に、若者たちを巻き込んで起こる出来事はーどんどん世間から離れて穏和な老後を送ろうとしている自分たち夫婦にとっての貴重な"窓"なのだと考えるようになった。そこから見えるものは、どれほど信じ難くてもたぶん真実で、ひょっとすると時代の最先端の心情なのかもしれない。ただしその"最先端"は、怖ろしく先が鋭いが脆いものでできており、ある限られた期間だけ、時代の流れの一端がそこにあるのだろうけど、けっして長続きはしない。というより、ここに映し出される心情が長続きして一般化するような社会だったら、それはもはや社会とは呼べないのだろう。少なくとも、昭和7年生まれの修造は思う。(12p)

    だから、修造はそのときの男子の服装、仕草、か細い言葉をすべて覚えていた。まるで戦争のときに死に別れた母のときのように、ふと振り返った男子の表情まで。

    修造さんの観察はおそらくずっと後々まで発掘されることはないだろう。また、この男子ー柏木卓也くんが自殺だったのか、殺人だったのか、その決定的な証言になり得るかどうかは、また別の話となる。「模倣犯」以来の新潮文庫の大長編、じっくりと楽しみたい。
    2014年9月27日読了(なお、4巻まで読み進んでいる今、ここに書いていることの一部分を訂正しなくちゃいけないことになっているが、あえてこのまま載せる14.10.11記す)

  •  一人の中学生の死の真相を求める中学生たちを描いた現代ミステリー。

     久しぶりの宮部みゆき作品でしたが、読み始めたら宮部ワールドにどっぷり浸かってしまいました。

     多くの登場人物が出てきますが、それぞれ人物像がしっかりと描かれ、物語の世界を形作っているところはさすがです。

     特に、心が不安定な時期である14歳という年代の少年や少女たちの揺れる心の内面を見事なまでに描いていて、物語の奥深さを感じました。

     この中学校を舞台にしたミステリーがどのような展開を見せ、どういう結末を迎えるのか、次巻以降がとても楽しみです。

     

  • 中学生にとっての「死」は、自分自身の生の定義さえ揺るがされる大事件である。

    かくいう私自身が、似たような体験をしたことを思い出す。というか、忘れようもないのだと思う。

    その時のことは、今もある部分で鮮明で、しかし、私はクラスメイトでありながら、この作品のどの登場人物にもなりえない立ち位置にいた。それだけのことだ。

    その「死」に触れた者が、彼を思い、また自分を見つめ直す時の心の動きが面白い。

    続きに向かう。

  • 面白いけど、会話で出てくる単語が中学生らしくない。意図的にそうしているのだろうか。

  • 宮部みゆきさんの本にはいつも時間を忘れさせられます。知らず知らずに読み続けてしまい、「え?もうこんな時間?」となってしまったこと、数え切れません。ソロモンの偽証もそのひとつ。ソロモンの偽証に出てくる中学生の生徒たち、精神的には立派な大人ですよね。日本の中学生たちがみんなこんなに大人だったら、日本の未来は明るいかもなんて思ったりもしました。

  • 【あらすじ】
    クリスマス未明、一人の中学生が転落死した。柏木卓也、14歳。彼はなぜ死んだのか。殺人か。自殺か。謎の死への疑念が広がる中、“同級生の犯行”を告発する手紙が関係者に届く。さらに、過剰報道によって学校、保護者の混乱は極まり、犯人捜しが公然と始まった―。一つの死をきっかけに膨れ上がる人々の悪意。それに抗し、死の真相を求める生徒達を描く、現代ミステリーの最高峰。

    【感想】

  • 340
    先にDVDを見てから読みました。当然映画よりは深くおもしろい。
    同著者、読了18作目。

  • 新潮文庫版で、全6巻。その6巻、一冊一冊が、全て、なかなかの分厚さ。凄いですね。これぞまさに、超大作、と言って、良いのではないでしょうか?宮部みゆき、渾身の作品、なのでしょうなあ。きっと。

    まだ、その6分の1しか読み終えていない状態ですのでね、物語の全貌は、全く見えておりませんが、大いなる期待値と、宮部さんへの尊敬の思いも込みで、文句なしの満点評価、という状態でございます。ああ、この先、物語がどう進んでいくのか、楽しみで仕方ない。当に読書の醍醐味を、堪能しまくっている次第でございます。

    柏木卓也、という一人の少年の死から、物語は始まる感じです。その死から、様々な人物が、様々な影響を受ける。とある人物の不在が、物語を動かす。これはなんだか、朝井リョウ氏の小説「桐島、部活やめるってよ」に、近いなあ、とか思いながら、読み進めた次第です。「桐島~」は、高校生の話。そしてこの「ソロモン~」は、中学生がメインの話?という点でも、なんだか、類似性を感じたのでした。

    とある人物の不在が、物語を動かす原動力となる事。不思議な構図ですよね。不在力の強さ、とでも言いますか。面白い現象ですよねえ。宮部さんの他の作品ですと「火車」も、ヒロインである?犯人である?関根 彰子の不在が、物語を動かす原動力であった作品だと思うのですが、同じ形式かしらん?ちゃうか?とかもね、思う次第でした。不在の存在こそが、重要である?ということか?矛盾した表現なのですが、、、

    あと、気になる事といいますと。
    この作品が発表されたのは、2012年。
    それに対して、作品の舞台となる年代は、第一部の上巻は、1990年。でした。
    これは、多分、バブル経済の最盛期?を、舞台にした、ということだと、、、思うのですが、、、個人的に、私は、バブル経済?バブル景気?の記憶は、ほとんどありません。1978年生まれですので、1990年は、12歳だった計算、ですね。うむむ、、、記憶にない、なあ。「バブル景気」というものの、認識は。

    何故に、宮部さんは、2012年に発表した作品で、あえて、時代設定を1990年にしたのだろう?何故に、どリアルに、2012年に、2010~12年あたりを舞台にした現代ものに、しなかったのだろう?気になります。何故に、バブル経済の最盛期?と思われる時代を、作品にしたのか?

    これは、きっと、宮部さんには、この物語を創造する上で「時代背景を、そこに設定せねばならない。物語の舞台は、1990年でなくてはならない。バブル経済の最盛期でなければならない」という、なんらかの絶対的な必然性があったでしょうね。何故、そうでなければ、ならなかったのか?宮部さんは、何故、そう思ったのか?それは、今の自分には、その必然性は、わからないです。今後、読み進めていくことで、得心できることが、あるのでしょうか?どうか?その辺りも、気にしつつ、読み進めたいと思います。

    宮部さんの文章?文体?は、めちゃくちゃ、丁寧だなあ、と、思います。
    もう、模範そのもの、といいますか。本当に綺麗な、丁寧な、まっとうな、そんな文章だなあ、と、思う次第。これは、宮部さんの人間性そのもの?とかね、思う次第です。大好きなんだよなあ。

    で、物語としては、めちゃんこ、ダークですね。ヘヴィーですね。そう感じております。今のところ。登場人物、ほぼみんな、どうにも癒されない辛さを隠し持っておられるなあ、とかね、思う次第。
    これらのかたがたに、宮部さんが、どのような物語を、用意しているのか?いやあ、ちゃんと、読み進めます。うん、ちゃんと。

  • 最初からグイグイ引き込まれる。普通の人と思っていた人物が、激しく歪んでいる。

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ソロモンの偽証: 第I部 事件 上巻 (新潮文庫)の作品紹介

クリスマス未明、一人の中学生が転落死した。柏木卓也、14歳。彼はなぜ死んだのか。殺人か、自殺か。謎の死への疑念が広がる中、“同級生の犯行”を告発する手紙が関係者に届く。さらに、過剰報道によって学校、保護者の混乱は極まり、犯人捜しが公然と始まった――。ひとつの死をきっかけに膨れ上がる人々の悪意。それに抗し、真実を求める生徒たちを描いた、現代ミステリーの最高峰。

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