ニッポニアニッポン (新潮文庫 あ 41-4)

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  • 新潮社
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感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101377247

感想・レビュー・書評

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  • 2006年11月25日読了

  •  想像していた話とはひと味違った。主人公は盲目的であるし、その執着心、唯我独尊的自己弁解などは主人公を上手く表現できていたのではないだろうか。
     自らの名前に「鴇」という字があることから一方的に関心を持った「トキ」と「本木桜」へ対する一方的で身勝手な恋心で構成され、妄信的な主人公が周囲を見返してやろうという動機から始まった「トキ殺害計画」の犯行を起こすまでの様子を描いている。
     事件を扱っているが、ミステリー的な要素は全くない。時折出てくる単語が、背伸びに見えてしまう。

  • 阿部和重流「金閣寺」といった感じ。美しいものへの憧れと自分の思うようにならないことへの憎しみから犯罪へ進むあたりはまるっきり金閣寺ですが、現代らしく主人公は根暗でひきこもりでストーカー。

  • 4/22 天皇萌えなのだそうだ.

  • 夜行バスの中で読もうと思い購入。「インディビジュアル・プロジェクション」でおなか一杯だったにも関わらず購入するから、結局読んでいないじゃないですか。

  •  4に近い3で。面白かったしスッキリまとまっていたので好きなんだけど・・・まあアリかなという感じ。読んでみて損はないと思う。ある人のレビューコメントに「現代版金閣寺」とあったのだけど、非常に納得させられた。

  • 『グランドフィナーレ』に続いて、また犯罪人の心理と行動を追ったお話。シュールで失笑もの。
    グランド〜の方が凄みがあったかなあ。文体とか、好み分かれそう。

  • ご飯食べたり、電車乗っている時に読んだりして、読了。トキに関してのサイコなハイティーンのお話。やはり、新潟にいながら佐渡へ一度も行った事が無いってのは考えモノだなと、東京の空の下で思った(笑)純粋に面白い作品だったが、ちょっと狙っていると感じた。まあ、それをちゃんと書けるってところが凄いんだろうけど。同じような感じの作家として、舞城王太郎や佐藤友哉が近いと思うのだけど、テンションがその二人に比べて低い感じがする。言い換えれば、落ち着いた文章で固さはあるけど、読み手の幅は広そう。芥川賞受賞作である「グランド・フィナーレ」も読んでみようかなと、思わせられた佳作だね。

  • 現代版金閣寺

  • 阿部和重の中では読みやすい小説。童貞とはいかに儚いかを知る話。

著者プロフィール

1968年生まれ。1994年「アメリカの夜」で群像新人賞を受賞しデビュー。1997年の『インディビジュアル・プロジェクション』で注目を集める。2004年、大作『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞、第58回毎日出版文化賞、2005年『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞受賞。『シンセミア』を始めとした「神町」を舞台とする諸作品には設定上の繋がりや仕掛けがあり、「神町サーガ」を形成する構想となっている。その他の著書に『ニッポニアニッポン』『プラスティック・ソウル』『ミステリアスセッティング』『ABC 阿部和重初期作品集』など。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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