免疫学個人授業 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101410326

感想・レビュー・書評

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  • 南さん要る?

  • 昨年(2010年)多田先生が亡くなって買ってきたもの。岡田節人先生の時の生物学全般広く面白くに対し、こちらは免疫一本勝負。でも面白いし、分かりやすい。「民族問題は、お互いの料理を口から食べて、寛容になれば解決する」なんて、なかなか洒落てる。対象は大学生以降くらいかな。古本屋にもよくあるので、おすすめですよ。

  • 2012年1月読み。

    平成13年発行だったので、学部生の頃に読んだんだと思う。
    高校生の時に読めてたらよかったかな。大学院生になってからも読んどけばよかったかな、とも思う。

    講義形式だからか話し言葉で書かれていて、取っ付きやすい反面、少し読みにくいところもあった。

    ---
    すっかり内容を忘れてたのでメモ。
    ・抗体は血清の中のγグロブリン(p39)
    ・胸腺 Thymus(ティームス)はハーブのタイムに由来する。爽やかな香りで濃厚な味のする部分らしい。(p63)
    ・造血幹細胞の表がわかりやすかった(p70)
    ・昆虫は動物レクチンで、植物は植物レクチンで防御するシステム
    (p76)
    ・「複雑だからといって別に高級だというわけではない。進化というのも別に目的に沿って進歩してゆくというのとは違うのです。」(p81)
    ・風邪と免疫作用の起こり方の説明がわかりやすかった(p89)
    ・「寛容」は3つの要因で起こる(p136)
     1. 生まれた時に抗原が入る
     2. 抗原がものすごく微量か、逆に大量の時
     3. 抗原を口から入れた時
    ・寛容の起こるしくみ(p138)
     1. クローンの消去(反応の欠損)
     2. アナジー(無力化)
     3. 抑制(反応を抑える)

  • 自己増殖を繰り返し、必要なもの不必要なものを自ら峻別、淘汰させながら日々更新し続けるその免疫のシステムは、しかし一旦バランスを崩すとその役割を間違えたり、果たせなくなるなど、さまざまな免疫不全を引き起こし、時に致命的なものとなる。

    肥大化した組織が自己利益の最大化を追求して自己増殖し、暴走を始める。。戦前の軍部、現官僚組織など、細胞というミクロの中で起こることが現実社会にも置き換えて考えられるところが面白い。

  • 他人に免疫がほしい。きもちわるすぎ。

  • 内容は興味深かったが、同じことを何度も言葉を変えて説明しているような気がした。

  • 南伸坊氏が好きです。
    飄々とした風貌も好みですが、何よりこの方の書く文章はホント楽しい。
    どんな風に楽しいのか!

    この本を読めば分かります。

    全くのド素人が「免疫学」のおえらい先生について個人授業を受け、解ったことなどをレポートし、チェックも受けて書いています。

    そのド素人さが笑えます。
    しかしながらそこは南氏、ただのお人じゃありません。
    のみこみは早いし、少しづつレベルアップしていく知識のまとめ方が素晴らしい。
    実はシリーズものですので他にも生物学、心理療法などについても個人授業を受け著書にされています。どれもみないいのですが、私はこの「免疫学個人授業」が最高に好きです。
    2冊購入して1冊はボロボロになってしまったほど。

    免疫学のレポート読んで笑えるなんて想像できますか?

    「風邪をひいた」
    これを免疫学的に説明するとどうなのか、免疫学というのはそもそもどれくらいの歴史があるのか、いったいどんな研究をしているのか、南氏と一緒に授業を受けているような気持ちになって楽しみましょう。
    アイデンティティ のくだりはわかっているのに毎回大笑いしてしまいます。
    医学系にすすんでいる学生さんはもちろん、免疫なんてさっぱりわからない、という方にも超おススメの本です。

  • 生物学個人授業が面白かったので、このシリーズを全部読むことにした。
    シリーズ2弾目の免疫学。
    思えば、免疫って言葉はなんとなく知っていたけど、具体的に説明することができなかった(というか興味がなかった)。
    こんなにエキサイティングで広い世界だったとは。
    とても面白かったです。

  • アポトーシスの話が面白かった。

  • 免疫学をまったく知らない人に多田先生が講義をする、という形の本なので免疫初心者でも理解しやすいです。

    比較的簡単な言葉を選んで解説してあります。

    「学校の授業じゃ分かんない!」
    「専門用語は分からないけど免疫には興味がある」
    って方にはオススメ。



    ある程度免疫に詳しい方のは物足りないかも?

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著者プロフィール

多田富雄(ただ・とみお、1934-2010) 
1934年、茨城県結城市生まれ。東京大学名誉教授。専攻・免疫学。元・国際免疫学会連合会長。1959年千葉大学医学部卒業。同大学医学部教授、東京大学医学部教授を歴任。71年、免疫応答を調整するサプレッサー(抑制)T細胞を発見、野口英世記念医学賞、エミール・フォン・ベーリング賞、朝日賞など多数受賞。84年文化功労者。
2001年5月2日、出張先の金沢で脳梗塞に倒れ、右半身麻痺と仮性球麻痺の後遺症で構音障害、嚥下障害となる。2010年4月21日死去。
著書に『免疫の意味論』(大佛次郎賞)『生命へのまなざし』『落葉隻語 ことばのかたみ』(以上、青土社)『生命の意味論』『脳の中の能舞台』『残夢整理』(以上、新潮社)『独酌余滴』(日本エッセイストクラブ賞)『懐かしい日々の想い』(以上、朝日新聞出版)『全詩集 歌占』『能の見える風景』『花供養』『詩集 寛容』『多田富雄 新作能全集』(以上、藤原書店)『寡黙なる巨人』(小林秀雄賞)『春楡の木陰で』(以上、集英社)など多数。


「2016年 『多田富雄のコスモロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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