汚れた赤を恋と呼ぶんだ (新潮文庫nex)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800561

感想・レビュー・書評

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  • 3月28日読了。図書館。

  • 1巻、2巻と読んだがこれまでの中で印相が薄い感じがした。せっかくの世界感の中で起こる謎が解決に進むわけでもなくさらに壮大になるわけでもなくただ広くなるだけで少し興味が失せていっているように感じた。

  • 階段島ではなく、人格を捨てた現実側の物語。1巻と同じ時期で、1巻の「僕」との接触もある。ただ1巻の内容を覚えてなくて僕と僕の会話がよくわからなかった。登場人物たちの理屈っぽい、嘘っぽい会話はいまだに慣れない。(七草が捨てたもの:真辺への信仰。真辺の変化を恐れる自分。真辺が捨てたもの:七草に頼る自分。大地が捨てたもの:母を嫌いになれない自分。安達が捨てたもの:魔女。 僕は過去に小学校の校庭で引き算の魔女に会っていた)

  • 傷つき、泣いて、僕たちは恋をする。

    七草は引き算の魔女を知っていますか――。夏休みの終わり、真辺由宇と運命的な再会を果たした僕は、彼女からのメールをきっかけに、魔女の噂を追い始める。高校生と、魔女? ありえない組み合わせは、しかし確かな実感を伴って、僕と真辺の関係を侵食していく。一方、その渦中に現れた謎の少女・安達。現実世界における事件の真相が、いま明かされる。心を穿つ青春ミステリ、第3弾。

  • シリーズ3作目

  • 舞台を捨てた方の世界に移して,魔女に関する噂と真実を背景に,大地を守ることを願う七草と真辺由宇のあれこれ.そして最後にまた階段島へ.どこへ行き着くのか,まだまだ先が読めない.

  • 今までとは少し違う視点で描かれる3巻目。
    だからと言って過去編ではなく、きちんと独立した続編となっていて面白い。
    作中の季節と相まって、冬の儚い雪のような雰囲気の物語である。
    なにやら大きく物語が動きそうな雰囲気で、次も気になる終わり方なので楽しみ。

  • 安達は何がしたいんだ?

  •  シリーズ三作目、書き手には相当な筆力が必要な内容。

     というのも、階段島のシリーズは捨てられた感情が人格を持って暮らす島であり、島の外では捨てた側の人間がいる。
     今作では、悲観的な性格を捨てた側の七草の視点で、島の外側(現実)が語られている。

     群青、白と同じ人物であるはずの七草だが、その特徴である悲観を無くした七草を描くのは、同一人物であるが感情が違う人物の書き分けというのは、非っ常に難しいと思うのだ。


     現実の七草は希望をもって行動するが、島での七草は悲観的に行動する。

     一作目で、島の七草が階段の下で現実の七草と会い、大地をどうにかしろ、と伝えたシーンが現実の七草側の視点で描かれる。

     魔女から悲観を抜き取られた後に見たその夢で、現実側の七草も行動を始める。

     それと同時に、真辺も魔女と会おうとしている。そして、真辺が捨てた感情はなんだったのか。


     相原大地を救おうと、現実と島と両方の真辺と七草が行動する。

  • 「これは僕の失恋であり、同時に、初恋の物語だ。七草は引き算の魔女を知っていますか――。夏休みの終わり、真辺由宇と運命的な再会を果たした僕は、彼女からのメールをきっかけに、魔女の噂を追い始める。高校生と、魔女? ありえない組み合わせは、しかし確かな実感を伴って、僕と真辺の関係を侵食していく。一方、その渦中に現れた謎の少女・安達。現実世界における事件の真相が、いま明かされる。心を穿つ青春ミステリ、第3弾。」


    わ―もう凄いなー、最初「いなくなれ、群青」を読んだ時、謎の殆どが1作目で解き明かされちゃってシリーズとして成り立つの?とか思っていたけど、こういう構成…凄いな…。

    今作は、「捨てた側」の、階段島の外にいる「彼ら」の物語。こっちサイドのお話もかー?!それアリなのかー!とほんとびっくりした。
    いや普通に考えたら全然アリなんだけど、何て言うかこのお話は「階段島」というあの島で、捨てられた側の彼らだからこそ成り立つ、という勝手な思い込みがあって。
    あやふやな感情や、あやふやな「彼ら」を、あやふやなままどこまでも丁寧に美しく描いていくお話だと思っていたら、三作目でこれだよ…。

    「欠点を手放した側」が、どのような変化を得ていったのか。また、なぜ彼らは欠点を「捨てた」のか。前二作の裏側の補完をする物語が今作にあたるのだけれど、それを丸々一冊使ってシリーズものとしてやるのが凄い。

    自分の欠点を捨てたって、それでその人の本質がまるきり変わってしまうわけじゃないんだって事。たとえそれが成長という「自然な形」で手放すことになっていたとしても、どうしたって、元の部分は色濃く残る。
    捨ててしまっても、結局は、七草は七草だし真辺は真辺だ。喪失したことで得たものがあるのなら、それくらいで変わらないものだって、確かにある。

    あーはよ完結して…。心臓に悪い終わり方したからはよ完結して…。そんでみんなハッピーになってください…。

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著者プロフィール

徳島県出身。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)に始まる「階段島」シリーズなどがある。

「2023年 『昨日星を探した言い訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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