天久鷹央の推理カルテIV: 悲恋のシンドローム (新潮文庫nex)
- 新潮社 (2016年1月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101800578
感想・レビュー・書評
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旅行中の新幹線で読了.これは是非医学関係者に読んでいただきたいシリーズ.医学知識があれば,主人公と推理比べを楽しめる.
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シリーズ短編集4作目
3編からなる短編集。
結婚しようとすると身体に異変が出てしまう女性の話である「迷い込んだ呪い」とゴミ屋敷に住んでいる男に好青年な大学生が殺されたのではないかと疑いを調べる「ゴミに眠る宝」、遺体が瞬間移動でもしない限りおかしな状況で起きた殺人事件の話である「瞬間移動した女」
個人的には最後の「瞬間移動した女」が好きだった。
難しい体の性と心の性が出てくる話であり、この物語では聞いたことがなかった疾患が出てきた。
すごく考えさせられた。 -
今回の内容は少し考えさせられた。
「ゴミに眠る宝」について、家族との突然の別れで自分の才能を支死者へ向けてしまうこと、そして若者の身勝手さによって殺害されてしまうこと。
自分自身が望まなかった出来事に関して自分自身を追い込んでしまう事は誰しもあると思う。
私自身もそのような状況に置かれたら同じようになってしまうかもしれないと考えた。
「瞬間移動した女」は事実は小説よりも奇なりと言われるがあながちありえないストーリーでは無い気がした。
そしてその背景にはLGBTQの当事者の苦悩や苦痛があり、さらにもう一段医療観点の内容でもあったため学びと共に、このような人たちもいるのだと改めて知識としても知っておく必要があると感じた。
ことり(高梨)先生の惚れっぽさや優しさが今回の彼女を救うことになったのではないかとも思う。 -
天医会総合病院の看護師相馬若菜。彼女が、コトリにいいより、天久鷹央の推理をしてもらいたいという。自分の友人が、殺されて死体が瞬間移動したというのだ。
天久鷹央は、「瞬間移動」につられて、謎解きを相馬若菜に約束する。そして、コトリは相馬若菜に好意を持つのだった。コトリに、恋人ができるか?ということであるが。
コトリは、武道の心得があり、暴走族の若者たちと渡り合う。いいキャラしているコトリは。
実は、殺害されたサクラコと若菜は。ふーむ。かわいそうなコトリ。
そして、コトリにしか、解決できないという天久鷹央の言葉の意味を知る。
コトリは、「ボクは君に惹かれているのだ」と告白する。
ゴミに眠る宝。アパートの経営者が、間借り人の学生が失踪したと、コトリに訴える。それは、ゴミの山になった家だという。そして、天久鷹央は、その失踪の謎を説くのである。
ゴミの山の住人は、母娘と別れて独り住まい、その別れたことで、ゴミの山になった。また、その住人は、現代アーティストで、ゴミを材料にした作品を作っていた。それを天久鷹央が解決する。 -
小鳥先生大活躍の巻。普段の優柔不断さが帳消しになるくらいカッコよかった。疾患的には…色々と考えさせられました。救いのある結末で良かった。
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昔、恋人の自殺を止められなかった女。
結婚を決意すると体調を崩し
何度か破談になってしまった。
今度こそ幸せをつかんだと思ったとき
また原因不明の激痛と吐血。
これは、死んだ恋人の呪いなのか。
ゴミ屋敷に消えた青年。
興味を持った鷹央は、めずらしく「家」を出て現場へ。
ゴミをあさる目的は何かの病気なのだろうか。
マンションで殺害されたはずの女性が
港で遺体となって発見された。
現場の監視カメラにも
遺体を運び出したような映像はない。
いったいどうやって移動したのか。
同僚の看護師の依頼を受けて
鷹央と小鳥が調査をすることに。
短編3つは独立しているけど
続けて読むと小鳥先生の
恋物語にもなっているんだな〜(*^o^*)
相変わらず安定のおもしろさで
楽しませていただきました。 -
シリーズ4作目。
「迷い込んだ呪い」「ゴミに眠る宝」「瞬間移動した女」の3話。 -
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小鳥。この事件は、お前が解決するんだ。天医会総合病院の看護師、相馬若菜から友人の殺害事件について相談をうけた天久鷹央(あめくたかお)と小鳥遊(たかなし)優。喜び勇んで謎の解明にあたる鷹央だったが、その過程で“事件から手を引く”と宣言する。なぜ、彼女ではこの謎を解けないのか。そして、死の現場から“瞬間移動”した遺体に隠された真実とは――。驚きのどんでん返しと胸を打つクライマックスが待つ、メディカル・ミステリー第4弾。
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今回は、小鳥遊先生大活躍である。だが、その裏にはしっかりと鷹央先生の思し召しがあるのはもちろんなのである。さらに、今回は、予想外の展開にパニックになる鷹央先生を見られる確率が高かったようにも思う。その分、小鳥先生がちょっぴり頼もしくも見えたりする(大立ち回りも確かに多かった)。それにしても、本当に不可思議な症例(というか謎?)が持ち込まれ過ぎではないだろうか。まだまだ次が愉しみなシリーズである。