車輪の下 (新潮文庫)

  • 新潮社
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感想 : 780
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102001035

感想・レビュー・書評

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  • 有名そうだったので読んだ。
    自伝的な小説だからか、共感のような、身近に感じる部分が多々あった。
    状況は一致してないけど、周囲からの重圧だったり、靴屋のおじさんを鼻で笑ったり、ハイルナーに惹かれる気持ちとかとか。
    ヘルマンが立ち直らなかった場合の事を小説として書いてみたのかなと思った。
    ハイルナーとかエンマに惹かれたのち、隣を去られる時とか、機械工になって、少し喜びを感じる所とか、そういう一喜一憂が万人のそれで、面白かった〜ってよりはそっかぁって感じだった。

  •  たくさんの勉強に取り組むことで周囲の期待に応えようとする気持ちと本当に自分がしたいことを探す気持ちの葛藤に苛まれる秀才児ハンスの物語。

     誰もが一度は経験する気持ちを表現しており、ハンスに共感する人も多いはず。勉強と友達のどちらを優先するか、自分が何をしたいのか、苦悩する学生に薦めたい。

     ヘッセは、子供の親や教育者が子供をエリートのレールに乗せようとしたり、将来の選択肢を狭めたりすることに警鐘を鳴らしたかったのではないだろうか。
     

  • ハンスの不幸は周囲の人たちが彼を理解していなかったということ以上に、彼自身が自分のやりたいことやりたくないことを理解できていなかったことなんじゃないかと思った

  • 詩作との出会いと母の存在がヘッセ自身をこの世にとどまらせたのかもしれない

  • 中学生くらいの少年の成長過程を描いた作品だけど、すべての傷つきやすい人にとって、共感できる話だと思う。繊細で感じやすい少年の心理描写が秀逸で、さすが名著だと思った。急な結末には驚いたけど、必然的にも思え、他の作品にはないところだと思う。

  • 子育ての難しさを痛感させられるお話でした。

    わからずやな大人が子供を縛りすぎたのか、わがままな子供が我慢弱かったのか。
    大人は良かれと思って子供に指南しているかもしれないが、子供にとっては苦痛なこともある。じゃあ子供の意見を単純に尊重して、苦痛のない人生を歩ませてあげれば良いというわけでもない。難しい、、

    この作品が伝えたいのは、子供を縛り付け苦しめる大人がいるということ。子供に勝手な期待を寄せ、思うように成長させようとする大人、彼らが作り出す環境下における子供側の感情変化を読み取ることができる素晴らしい作品だと思います。


  • ものすごく頭の良い少年が周りの環境によって押しつぶされていく。悲しい結末だった。

  • 前半、ハンスの神童ぶりに驚く。こんな神童に感情移入する少年時代を送っていた人は読者の何%なのだろうか。少年ハンスに尊敬の念を抱く。自然の中で遊ぶことも少なくなり勉強に没頭する。
    中盤は学校生活。愉快な仲間とともに過ごすが、反抗的な友人の影響や、勉強に疲れ果てていたことが重なって心身の疲労から田舎に帰ってしまう。この場面は学校生活の嫌な部分もたくさんあるが、仲間の面白さに笑ってしまう部分もある。
    後半はハンス少年の心の回復・恋・はじめての仕事。大人の入り口だ。休日、仲間に誘われてたらふく食べて飲んで遊んだ帰り道、誘われるように川に落ちて死んでしまった。

    作者の自伝的な作品。作者が過去を精算するために書いたのだろう。ヨーロッパの田舎・学校の仲間・勉強…そんな少年の頃の思い出がつまった本。

  • なんかやるせな〜い感じ
    ハイルナーが今後の人生の中で時折ハンスのことを思い出して、彼が今頃どうしているかなんて考えたりするかもしれないと思うとたまらない。やめてくれ〜

    ハイルナーは潰れなかった天才だよなあ。ハンスは、天才には変わりないけどどちらかといえば秀才っぽいなーという印象を受けた

    ハンスの人生に何が残ったんだろう
    ハイルナーとの友情?周りに引き裂かれてしまった
    全体を通して風景がとても綺麗に書かれていたから、余計に人の俗心が際立ってた気もする
    ハンスを応援する目線だと周りの大人嫌だな〜と思ったけど、人間そんなもんだよな〜みたいなとこもある
    良くも悪くも人間なので

    静かな夜にひっそり明かりをつけて読むと、なんとなくハンスに近づけたような気がする。気がするだけだけど

  • 一歩間違えれば自分も彼と同じような苦しみ・結末を迎えてしまうのではないか。そのような焦燥を掻き立てるような話だった。自分にとってはその意味で刺激物だった。刺激はあるが少しの毒がある、そんな嗜好品のような本として今後も味わいたい。

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著者プロフィール

ドイツ生まれのスイスの作家。主に詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する文学者。南ドイツの風物のなかで、穏やかな人間の生き方を描いた作品が多い。また、風景や蝶々などの水彩画もよくしたため、自身の絵を添えた詩文集も刊行している。1946年に『ガラス玉演戯』などの作品が評価され、ノーベル文学賞を受賞した。

「2022年 『無伴奏男声合唱組曲 蒼穹の星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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