- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102001035
感想・レビュー・書評
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(2024-03-13)
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車輪の下
フライクおじさん、魂をそこなうよりは肉体を10ぺん滅ぼすこと。 -
「教育」とは。
もちろん時代背景も国民性も異なるので一概に言えるものではないが、その本質は変わらないはず。
多感な少年期に、抑圧の中で己の個性の芽を摘まれる事が彼らの人生に与える影響は、大人の想像を遥かに超える。
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「車輪」は何か?
受験教育の重積、子供を子供として抑圧する偏見。
怪物に似たもの。
優秀な学徒でもあり、神秘に憧れる詩人でもあったヘッセの二面性。
子ども心の繊細さ。
大人にはわからない、恐るべき子どもたち。
詩であり絵画。 -
少年時代特有の非常に敏感な感性と、その繊細さゆえに感じ取ることができる特別な美しさや、時には残酷さ。
そういったものがふんだんに描かれていて、読みながら不思議と懐かしさのような感情を想起させられた。
がらんとした秋の静かな昼下がりのような、少しの哀愁と心地の良い気持ちをもらたしてくれる素敵な作品でした。 -
解説によると、ドイツでは8位だが日本では1番読まれているヘッセ作品らしい。親の「手ぬかり」が招く惨事、教育システムを車輪に見立てたヘッセの警句。衝撃のラスト。