- Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102062012
感想・レビュー・書評
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柔和で静か、古典文学に精通し、冗談・皮肉も利く老年のチップス先生。
半世紀以上教壇に立ち、多くの生徒の育て上げ、また多くの生徒に愛された。
その彼の生涯を綴った一冊。
彼の人生の節目節目に「チップス先生、さようなら」の言葉がかけられる。
日本語訳されている為、英語での冗談・皮肉が伝わり辛い。
ラテン語や海外古典文学への知識が乏しい為に、注釈を見て理解をする事が精一杯。
作中多くの人々がチップス先生の冗談で笑っている描写が多々見られるが、
完全に置いてけぼりを食らう。
これは仕方ない。原文を読むしかない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
幸せの話、かな
描写、言葉がすごく素敵なのと、主人公のキャラクターや出会い、舞台となるイギリスのパブリックスクールがとても良い。
解説はとても面白い。
これを信じるならこの本はインスピレーションと経験の勝利と言うことになるだろう。
映画について。
個人的には原作のこのわかりやすすぎない幸せが好きだったのだが、映画ではいかにもなベタな伏線、わかりやすい動機付けや舞台装置、さらには重要な役職や職業が変更されててかなり残念。というかカナシイ。しかし主演俳優が素晴らしすぎたために怒れない。どころか映画自体も悪くないと思わせられてしまった。 -
年とってから読むときっと良さが分かるかも。
翻訳が古いせいか、注釈のコメントがなんか笑えるのが多かったです。 -
イギリスの古き四k時代のパブリックスクール、ブルックフィールド学校に長年勤め、その歴史とともに人生を歩んだチップス先生の赴任から亡くなられるまでの物語。
タイトルは知っていたけども、読んだことはなかった。
さえない保守的な男性(おじいさん)、そして、何年にも渡ってすべての生徒の名前を忘れない教育者チップス先生の二面が描かれている。
自身と生徒と人生をともにしている、一人の平凡(?)な教師の姿に心打たれる
チップスの守っているものは、決して直接的にかっこ良く描かれているわけではないのだけども、かえってそこに人間の深さがにじみ出ている。
特殊であることや、なにか新しいことに価値があるのではなくて、素朴なことでもずっと繰り返すことや、ただそこにいることが非常に深い価値を持つんだなと感じた。こういう価値観は大切だと思う。
そして、チップス先生の最期の時にも、とても美しい形でその人生がまとめられていて、心にひびく物語だった。
「チップス先生、さようなら・・・」
「さようなら」なんだけども、永遠に近いつながりを感じる言葉に思えるのは不思議だ。
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話の中でチップス先生が挙げるユーモアのいくつかはいまいち理解できなかったが、これは翻訳による者だろうか・・・だれか解説してくれないかな(^_^) -
最初から涙腺むずむず、最後ぼろ泣き。ほぼ、学校生活の思い出がつづられているけど、きらって一粒光るようなキャシーの記憶。
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DVDの設定はいくつか変えてあることがわかった。
私には映像のほうが楽しめた。 -
なんだか懐かしい感じのする本だった。教師一人の歴史に学校の歴史がオーバーラップしていて、壮大な歴史になっている。この作品の作られ方としては、学校に長くいた先生からでたセリフと言うよりは、学校に感情を持たしたらこんな感じだろうなということから書かれたのではないだろうか。教師というものを主人公としているが、教師と言うよりは長老と言った感じだろうか。そんな感じを受けたのも、書かれ方が一人の歴史ということから書かれていないと感じる要素だろう。イギリスではどうなのか知らないが、日本では教師がこんなに長くいることは絶対にない。とりわけこのチップス先生のような独特の考えを持っているような教師は長期にいることは許されないだろう。僕も同じ教師が同じ学校に長くいることは好ましくないと思うが、この話を楽しく思えるのはなぜなんだろう。
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学校の先生になりたかった高校生の頃、これを読んで、「こうなりたい」と思ったものだった。自分も伝統ある学校にいて、「古き良き」という感じの先生方に囲まれていたせいだろうか。
読み返していて、こういう「教科」とか「知識」の外にある「何か」を伝えることのできる大人の存在は必要なんだよ、と当時とは違う感想を持った。読んでいる側も相応に年を取ったということか。 -
読んでいて暖かい気持ちになれる作品。
しかし、チップス先生が可愛がっていた生徒の多くは第一次世界大戦の戦場で虚しく死んでいったのだ。
チップス先生は、その無念さを直接語ることはしないが、彼の心には暗い影を落としている。 -
陳腐な言い方ですんません。
「珠玉の名作」です。
これまで未読だったことが不思議に思われるなぁ....。 -
なんか好き。
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好きです。
最近涙もろいせいもあり、感情移入しながら、泣いたり笑ったり・・・
地味で、本当に温かいお話です。
英雄でも有名人でもない、ただ「チップス先生」という1人の人間の人生。
チップス先生万歳! -
ピーター・オトゥールの映画を先に見ていたので映像のインパクトが強くて原作は楽しめないかな…と思いつつ読み始めたのですが原作は原作ですごく暖かくて深くて味わい深い作品だった。
パブリックスクールと言う独自の世界で古典を教え、人生を学校に捧げた男の物語。
回想が主なのだけれど、楽しかったことも辛かったことも全てを飲み込んで穏やかに思い出している感じ。空の色が薄紫になる寸前の枯葉の舞う秋の夕暮れみたいだ、が一番の感想かも。
死を迎えるのにこんなにも穏やかに、全てを受け入れて逝くことが出来れば最高の人生だと思う。
男子限定で何千人もの子供を持つチップス先生の思い出は古き良き時代から戦争まで全部ひっくるめて静かで美しかった。 -
一流の教師というものは、人格で勝負できます。チップス先生は、一流の教師でありました。もし、世間がチップス先生のような人を一流とみなす心の余裕を失ってしまえば、教育というものはただちに崩壊します。
英文学らしい、ゆるやかな時間にたゆたい、チップス先生に別れを告げにいきましょう。 -
年老いた教師の回顧録的な感じになっているので作品全体においてほのぼのとした空気が漂っています。
なんていうか平凡なんだけどその平凡さをありのまま伝えられてるから名作なんでしょうか。
最近はミステリー小説ばっかり読んでいて先の読めない展開ってのを期待しすぎていたのかも。
そして僕にはブリティッシュジョークは理解の域を超えておりました。 -
薄い本の中につまった、忘れられない一人の教師の人生。
できたてほやほやのジョークで生徒をわかせた素敵な先生。
老後にまた読み返したい。 -
英国代表的なパブリックスクールの生活を描いた小説。ノリとしては世界名作劇場。可も無く不可もなく。
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イギリスのパブリックスクールで教鞭を執り、
老いてもなお、学校とともにあったチップス先生。
来し方を静かに顧み、ゆるやかに灯火が消えゆく。
切れのいい教師ではなかったかもしれない。
頑なまでに自分の信念とスタイルを貫き、
どちらかというと不器用で、精彩を欠いた、
揶揄したくなるほどの、愛すべき英国紳士。
子はなく、若き妻には早くに先立たれた。
でも、彼はいつだって、ひとりではなかった。
チップス先生の確かな歩みと終焉に、心打たれた。 -
いい話だ。誰の人生にも、語られざる美しい道のりがあるものだ。
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http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4102062017
── ヒルトン/菊池 重三郎・訳《チップス先生さようなら 19560730-19870415-19981015 新潮文庫》
Hilton,James《Goodbye,Mr.Chips,1934》
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イギリスの学校教師の物語。
イギリスの学校の雰囲気が、ほんわかとした感じで
伝わってきます。
こんな先生がいれば、学校も楽しいのかも。
私は教師にあまり良い印象が残ってないので、
こんな良い先生いるのか?と捻くれて読んでしまいました。
良い先生の思い出がある方なら、
その思いとダブって心に響くのかもしれませんね。。
とっても長い、『失われた時を求めて』の作者ヒルトンの
とっても短い作品。
失われた時を求めても読もうかな。 -
『自由と規律』がよかったので、引き続きパブリックスクール物を。これまたすごくよかった…!
語り口も、ストーリーの運びも、そしてチップス先生の物腰も実に淡々としています。だけど感情の抑制に長けた紳士であるチップス先生の胸の奥が、たまに抑えきれず表に出てくる瞬間がある。妻子を亡くした時、学校に戻ってくるよう懇願された時、戦死した友人のドイツ人教師の名を礼拝で読み上げた後。どれもぐっとくるシーンです。 -
先生が最期に飛ばしたしゃれは最高
こういうふうに生きたいっていう一つの理想系の物語だった -
戦争と学校。古式な老人を学校は存分に愛した。そして彼の永遠に若々しい亡き妻の優しさ。百頁ちょっとでさらっと読めるんだけれど、とてもあたたかで爽やかな感動が溢れ出す。というか、顔がみっともないことになってしまった。うおーチップス先生ー!
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いるいるこういう先生!てたくさんのひとが懐かしがりながらこの小説を読むんだろうなあ。懐古感たっぷり。
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090228(c 090306)
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「こんな人になりたい」
教師を目指す人に一度は目を通してもらいたい本であると同時に、人間として、このような人を尊敬すべきだと思う。手軽に読めるが、そこには優しさ、厳しさ、そしてチップス先生の圧倒的なユーモアが詰め込まれている。 -
やさしい話だった。当時の社会情勢なのか、戦争の話が絡んでいたりするのだが、それでも主人公のチップス先生の人柄で、あまり暗さを感じなかった。哀愁にも似た切なさは感じたけど。全体的にはやさしい話。
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素敵な小説です。