孤独の発明 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102451038

感想・レビュー・書評

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  • オースターの散文第一作。
    後の小説にでてくる様々なモチーフの萌芽が見られます。実話をベースとしながらも、父と子さらに一家を巡る不思議な因果をたどっていくうちにズルズルと虚構の世界へドロップしていく感じがします。そうした、リアルと虚構の危うい境界線がスリリングでした。

  • これは誰が読んでもおもしろいはず。むずかしいことをよくわかっている人なら、それなりにつながってくる。単にエンターテイメントとして読もうとしても引っ張られるはず。あとあと思い出すこともあって、終わりがない。小説の構成に飽き飽きしてしまった人はどうぞ

  • 第一部「見えない人間の肖像」と第二部「記憶の書」から成り立っている。問題なのは「記憶の書」で、亡くなった父をいろんな方面から肉付けしている。それはどの感覚より正直で、克明に記されていて父はだんだん自身になっていくのだ。

  • オースターの作品の中では一番好きです。偉大すぎて感想さえかけないです。
    後半部分は難しいです。こういう作品はわかろうと思って読んだほうがよいのでしょうか。

  • 学校の課題で読む羽目になったのだが、今となってはあの講義に感謝したい。<BR>
    良い本と出会った。しかし、詳しくはまた次の機会に。

  • 2部構成の小説。個人的には『ムーン〜』よりも断然よい。また読み返したい。

  • 2部構成で、1部は面白く読めたけれど2部が私には難解。詩人らしい作品だった。

  • なんだかためになった。

  • 『見えない人間の肖像』は面白かったが、『記憶の書』はきつい。この違いがどこにあるかイマイチよくわかっていないのだけれど、とりあえず両方に言えることは、写生をしている人間の頭のなかをタラタラと書いている感じ。好みが分かれる。

  • 前半の短編が好きです。父を亡くした主人公(筆者?)が、父の不在を通して父を語る話。父親似対する話というより、死というものがどういうものなのかを鮮明に描き出しているような印象を受ける。死ぬということはどういうことなのか、それは言葉で語ることができるのか。その答えに、この本の中で少しだけ触れたような気がします。

  • 死んだ父親にまつわる膨大な記憶たちへと足を踏み入れていく、「見えない人間の肖像」は秀逸。安定感があり、しかし退屈ではない文章の上で流れていく物語は魅力的で、最後まで読者を引き付ける。

  • 私の父は、52歳で離婚し、ニューアークの家で、ひとり孤独に死んでいった。父の死を伝え聞いた私は、15年ぶりに帰郷し、遺品の数々と対峙する。そこで、私は一冊のアルバムを見つけた。夥しい父の写真。私は曖昧な記憶をたどり始める。父の孤独な精神の闇。父の父(祖父)をめぐる不幸な殺人事件…。見えない父の実像を求めて苦闘する私。父子関係をめぐる著者の記念碑的作品。

  •  難解な小説。「見えない人間の肖像」「記憶の書」の2編が収められている。「見えない人間の肖像」は主人公の父親探しの物語。主人公の父親は社会的にも成功し一見普通に暮らしているが、自分をさらけ出すということを全くせず他人と関与することを拒絶しながら生きてきた。主人公はそんな仮面の向こうに本当の父親が隠れているはずだという想いを持っていて、父親の訃報を聞きなんとか本当の父親が見つからないか苦闘する。
     「記憶の書」は「見えない人間の肖像」の主人公と同一人物と思しき主人公が、荒廃したマンションの一室で書くことの孤独について綴った物語。同じく父と子の関係が重要なテーマになっている。今度は主人公と彼の息子の関係に重心が移っていると思う。まだ物心ついていない幼い息子と遊びながら、この記憶は永遠に失われるのだとなんとなく寂しく述懐するシーンに共感してしまうのは僕自身の今の境遇にやはり関係しているのだろう。

  • まずタイトルがいいですし、そして前半の「見えない人間の肖像」はめっぽう面白いです。

  • フロイトがペストと呼んだような意味での精神分析本来の営みにも近い、危うい行為。それも作業それ自体をテキストの元へ晒す勇気ある一冊。第二部の『記憶の書』での記憶の回廊への繊細なアプローチと手捌きは何度も繰り替えし迷い込む価値がある。

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