ヒア・カムズ・ザ・サン

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 758
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103018742

感想・レビュー・書評

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  • たった7行のあらすじから、有川浩が完全オリジナル小説「ヒア・カムズ・ザ・サン」と、演劇集団キャラメルボックスの劇作家 成井豊の舞台から着想を受け創作した「ヒア・カムズ・ザ・サン Parallel」を収録。

    こういうお題を与えられて創作するのって、一から紡ぎ出すのに比べたら敷居が低いというか、自分にも書けそうな気がしてしまう(錯覚)。実際出版社のエントリーシートや筆記試験にはお題ありの短編創作課題があった。配点がどれくらいかは分からなかったけど・・・

    相変わらず有川さんの作品は熱いです。
    日和ることを弾劾するキャラクターは共通、自身のフィールドでもある作家と編集者の関係の描き方は有川さんと関わる編集者の皆さんにとっては耳が痛いんじゃないかしら。。

    あらすじは下記の通り。
    出版社で編集の仕事をしている古川真也。彼は幼い頃から、品物や場所に残された人間の記憶が見えるという特殊な能力を持っていた。ある日、真也は同僚のカオルと共に成田空港へ向かう。カオルの父が20年ぶりに帰国したのだ。彼はアメリカで脚本家として名声を得ているはずだったが、真也には全く違う景色が見えた。

  • Parallelねぇ
    いろいろ面白いことやりよりますねぇ
    きっと有川浩さんという人は止めどない好奇心の持ち主で自分の好奇心にとても素直でその好奇心の先へ疑いなく進める人なんだ
    と思う
    ぜんぜん違うかもしれないけどたくさんの有川浩作品を読んで自分はそう思いました
    それでいいのだ

    ヒア・カムズ・ザ・サン
    もちろんビートルズの名曲だ
    この物語はヒア・カムズ・ザ・サンの意訳ともいえる
    楽曲ヒア・カムズ・ザ・サンを聞いてから読んだらまたちょっとこの物語に深みが加わる…かもね!

  • 愛情の表現方法には色々ありますが、それが相手の欲しい形と一致しない時もあり、そのせいですれ違ったり、離れたり…
    誰かを大切に思い、愛するということを改めて見つめ直す事ができるお話です。
    二つの物語が納められていて、ワタシは後の方のが、より好きです。

  • 7行のあらすじから、2つの物語が生まれた、そうで
    2つの作品がのってた。

    有川さんらしく、期待を裏切らいない
    好青年、真也くん、は共通だけど。

    ダメダメなお父さんは、ダメダメすぎてツライ。
    なので、好みは最初のだなぁ。


    サクサク読めちゃう、2作品。
    さらっと読むにはいいかな。

  •  たった7行のあらすじから、有川浩さんがインスパイアされて書き上げた小説(ヒア・カムズ・ザ・サン)と、同じあらすじから成井豊さんが脚本を書いて上演した舞台から、有川さんがインスパイアされて書き上げた小説(ヒア・カムズ・ザ・サン Parallel)の2編。なんか説明がまどろっこしくてごめんなさい。m(__)m
     Parallelの方は舞台のノベライズではないとのこと。

     編集者である真也は物に触れるとそれに残された人の記憶が読み取れてしまう能力がある、同僚のカオルとその父との長年離れていた故のギクシャクした関係など、登場人物や設定は重なるけれども、物語上での関わりは全くない。2編はパラレルワールドのようなものだと思えばよいと前書きにもある。
     なんだか、出来上がるまでの過程が不思議な小説。

     どちらの小説も、読み応えがありました。親の愛情とか色々。ざっくりですみません。でも面白かったです。

  • 冒頭の7行のあらすじから生まれた物語だなんて……。
    作家って生き物は不思議だ。
    『パラレル』よりも前に書かれていた物語のほうが好み。
    えー、帰国した父親は別人だったの?
    と疑問に思わせて、実はいろいろな事情があったというドラマチックな展開がいいわ。嘘を吐いている父親よりは理解できそう。

    物を触って、その品物に関係する人の気持ちがわかるというのは一見便利そうで実は楽しみのない人生かもしれない。
    どうなんだろう?
    とかあれこれ考えるのが楽しいのではないかしらん。
    その楽しみを奪われるって…。
    その能力を生かした人生にしていくしかないか。

  • たった7行のあらすじから、有川浩が小説を、劇団キャラメルボックスの成井豊が舞台のストーリーを書く、と言うちょっと変わったコンセプトで作られた作品。主人公の真也は触れたものから、過去が見えてしまうと言う特殊な能力を持つ編集者。恋人・カオルの父親がアメリカから戻ってくることになり…前半は有川浩のオリジナル。後半は有川浩が舞台から発想を得て、書いた作品。どちらも親子の絆を描いているが、前半の方が夢があって、私は好き。

  • やっぱり有川さんの本は出先で読んではいけなかったな…。
    情けなくても、いや情けない人だからこそ、敬意をこめて愛せるのだろうか。
    家族ならなおさら…。
    こんな風にお互いを思い遣り、尊重し、寄り添える家族になりたいな。
    来年舞台になるみたいなので、観に行きたいと思います。
    オリジナル?パラレル両方が一冊になっているギャップもよかったと思う。
    それから視力が悪いせいか、太陽と大場を見間違えたところがあった。

  • 図書館借り2冊め。ちょっと、モヤモヤするクライムサスペンス続いてたので、お口直し的な?

    どうも舞台のノベライズに近いらしいのだけれど、舞台は全然知らなかったな。

    本編と、ほぼ登場人物変わらないパラレルワールドなお話の2編。

    どっちがどう、では無く単純にパラレルな方の春男さんがいいなw
    と思ったよ。

    あ、冒頭に出てくる作家先生のひとこと。
    「猫を亡くした痛みが分からん人間とは仕事をしたくない」
    に激しく同感。仕事どころか付き合えないわ!

  • 『ヒア・カムズ・ザ・サン』は、演劇集団キャラメルボックスの舞台『ハックルベリーにさよならを』のサイド・ストーリーである。
    『ハックルベリー~』で主人公の父と再婚できなかった“カオルさん”こと大場カオルが、その後どんな人生を歩んだか、という物語。
    2年前のキャラメルボックスハーフタイムシアターでの、「たった7行のあらすじから成井豊と有川浩が全く違う物語を紡ぎ出す」という企画から生まれた。
    共通する登場人物は主人公の古川真也と恋人の(1話目ではなる予定の)大場カオル、カオルの母輝子、そしてカオルが10歳の時に離婚した父、白石晴男。
    4人以外の登場人物は、家族も、同僚も、上司も、全て全くの別人だ。
    そして、2つの物語は全く違う結末を迎える。大きく分けると、カオルの父に有り余るほどの才能があった場合と、そんなものは露ほどもなかった場合に。

    舞台化された、成井豊作のものとも全く違う、らしい。(というのも舞台がどんなストーリーだったか、どうしても思い出せない。)けれども、成井豊の描く『ハックルベリー~』から『ヒア・カムズ・ザ・サン』に繋がる世界観と全く同種のものを筆者が共有していて、読者に楽しい想像をさせてくれる。

    ちなみに『ハックルベリー~』に登場するもう一人の女性(というか少女)の物語は、『水平線の歩き方』という舞台になっている。作品のサブキャラにもきちんと息を吹き込んできたからこそ、サイド・ストーリーが生まれるのだろう。

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

有川浩の作品

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