ヒア・カムズ・ザ・サン

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 5267
感想 : 758
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103018742

感想・レビュー・書評

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  • 人気作家の有川さんの作品を初めて手にできた。
    7行のあらすじから誕生した二つの小説。
    先天的能 力もった真也、ほか登場人物も背景も同じでも、書き手によって違った作品に生まれ変わる。
    とても、読みやすくジーンときた。
    でも、やはり最初の方が素敵でしたね。
    触れるだけでその人の思いが 分かるって感動的なら素敵だけど、逆の場合は残酷だろうなと感 じた。

  •  ほんの7行だけあったあらすじから描かれたストーリー。
     そして舞台から描かれたストーリー。
     それぞれとても楽しめた。
     「単独で楽しめる」と記されていて、たしかにそのとおりだが、
    個人的にはパラレルをあとに読まないと順番を間違えたように思えてしまう気がする。

     多々ふれられている編集者や作家の心の裡は有川さんの思いかと考える。
     その描写はもちろんのこと、やはり有川さんの描く男女関係はあたたかい。

     読めてよかった。読んでよかった。すばらしい。

  • 7行のあらすじから生まれた話と、そのパラレルワールドのお話二つ。

    有川さん特有の甘さを求めて読むと、外れかもしれないが、お互いを想う家族のもどかしさがよく描けていると思う。
    う~ん、どうだろう?面白いのは面白いけど、いつもの有川さんと比べるとやっぱりちょっと物足りない感じ。

  • 主題の同じ話を全く別の物語にする有川浩のすごさ。両方とも父親をめぐるストーリーが主題。個人的には後編の方が好き。だらだらしたかと思ったけど、最後はやっぱり気持ちいいのが有川浩。弱さを認めるって、大切なこと。大好きな人の弱さ、そこまで愛せるようになりたいと思った。

  • Here comes the sun.
    ほら太陽が顔を出すよ。

    何が太陽なのか。

    7行の概要にもとづいてできた有川浩による小説と
    作家による劇。
    劇の筋に影響を受けて作ったもう一つの小説。

    2つの小説の主人公と設定は同じだが,展開は異なる。

    一方は父親が亡くなっていた。
    他方は父親は虚勢癖がある。

    どちらも男性の同僚が助け船を出す。
    最初の話は男性の不思議な能力が主題。

    有川浩らしいのは最初の話だが、
    もう一方の話も有川浩の平衡感覚が伺える。

    ps.
    最近カラオケに行って,ビートルズの歌で Here comes the sun.という文句があることを思いだしました。なんで忘れていたのだろう。

  • 心に響く良い本でした。

    最近「自分を知る」ということを意識する。
    ってのを気にしてみてる
    自分を知ることで、何がしたいか何が出来るか
    より明確に見えてくる気がする
    そうすると、大事な相手や周りの人々、物事をもっと深く思うことが出来る気がする
    ちょっと照れくさいけど、心が豊かになって、愛や思いやりが深くなる

    そういう気持ちが深くなる本でした

  • 題のサンは「太陽」と「息子」の二つの意味かしら。スペルでは「太陽」だけど。
    恋人とその父親のために奔走する将来の義理の息子の話。

    前半にでてくる安藤編集長や週刊誌上がりの後輩長島が嫌な感じ。その印象が強くていい話で終わったのに気分が晴れなかった。

    パラレルの方は話が単純な分、晴男の抱えていた痛みがまっすぐ伝わってきた。有川さんは人を描くのが本当に上手い。

  • 読みやすさは本当に一品だなあと思いましたが、
    いつものようにのた打ち回りたいぐらい
    胸がきゅんきゅんすることはありませんでした。
    まず、それが残念。

    かつ、主人公真也の不思議能力が、
    ちょっと簡単に物事を運びすぎているような。
    せっかく小説として、活字として読むならば、
    もうちょっと能力でいろいろ葛藤してほしい。
    能力で失敗することもあるかもしれない。
    でも、それを含めて、キャラクターの個性だと思う。

    うーん、ちょっと物足りなかったぁ。

  • 小説版「ヒア・カムズ・ザ・サン」に登場する麻井という作家について、主人公の真也が「卓越したリーダビリティを持つ作家で」と述べる箇所があるのだが、私にしてみれば「それはあんたのことだよ、有川さん」という感じ。
    毎度おなじみともいうべき展開、描写、キャラクター設定なれども、ひとたび読み始めたら最後まで読まずにはいられない。気づいたら物語の終着地に降り立っている。
    たった7行のあらすじから、成井さんはどういう物語をつむいだのだろう。なんとなく想像はつくけど(笑)。おそらく真也の持つ能力を存分に生かしたストーリーになっていたことだろう。
    小説も、有川浩オリジナルの方が、外連味たっぷりで面白かった。有川さんはベタなラブストーリーで有名だけど、本作のように年配の男性の物語になるとぐっと深みを増す。
    本質的に硬派の人なんだろう。だから、不意打ちのようにわき出てくる甘い感情をうまく扱えずに、力余って大仰なやりとりになってしまうから、ベタだと言われてしまうんじゃないだろうか。
    恋愛が絡まないときは、ベタ甘が鳴りを潜める。
    そういう観点からみると、Parallelの方はメインが恋愛なので、どうしても話が薄いような気がしてしまう。「嘘つかないで」「謝って」という願いはやはり幼すぎる。

    小説の中身とは関係ないのだが、オリジナルの方の、編集者としての真也の意見は大変参考になった。有川さん自身がおそらく触れるとやけどしてしまうほどの「表現者」だからだと思うのだが、小説の書き方や、とらえ方についての自説がさりげなく書かれていて、とても勉強になった。

  • 2017(H29).8.26読了

    小作品。ライトに読める。

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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