- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103038320
感想・レビュー・書評
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11/03/12
きれいな官能と報われない恋詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦時中の女のなんとしたたかなことか。母になるというのはこんなに大きいことかと。時代が違うとこうもちがうのか。子供虐待してしまう人にぜひ読んで欲しい。
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戦前~戦後を生きた女性達を描いた話。
菊代と雛代はどうなったんだか気になる -
戦前・戦中・戦後という激動の時代を駆け抜けた女達の愛と生き様。個人的に好きな時代なだけに、今回はのめり込んで読んだ。宮木さんの官能的な描写は、情熱的でありながら、美しく、哀しい。女同士の愛憎を描くのもまた巧く、ひりひりと痛かった。
連作短編ものもまた個人的に好きなジャンルで、宮木作品は連作形式を取ったものが多いのだが、今作もまた各話が絡み合い、思いがけないところで1作目・2作目の登場人物が現れ、女達の歩みがうまい具合にあぶりだされる。哀しみに沈みつつも、心に体に傷を負いつつも、女達は前を向いて逞しく生きていく。宮木さんの描く、愛に生きる女の激しさが、とても好きだ。やっぱり宮木さんの時代物はよい。コメディタッチの現代ものも巧いけど、もっともっと、スケールの大きい、様々な時代の女と愛を描いて欲しい…なんて思う。 -
報われない思いを抱えた女がどれほど辛いのか。
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許されぬ恋に生きた女たちの短編集。
切なくて、そして妖しく官能的で。
http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-238.html -
昭和十九年、福岡県知事の屋敷に奉公にきた千恵子。華やかな博多の街、美しい令嬢・和江との友情、そして初めての恋。しかし戦争の足音は、千恵子のすぐ背後に迫っていた…千恵子の波乱に満ちた人生を縦糸として、激動の時代にそれぞれの愛を貫き通した五人の女たちが織りなす恋模様。戦前・戦中・戦後の日本で、恋に命をかけた女たちを描く純愛官能ロマン。第五回R‐18文学賞大賞受賞『花宵道中』の宮木あや子最新作。(e-hon要旨より)
このあらすじだと、宮木さんの文章の艶っぽさが伝わりませんね・・・。
R‐18文学賞大賞受賞、という経歴からもわかるとおり、この方の書くものは、実に官能的で艶めいた文章なのです。
今回の作品は、短編3本・中編1本による連作形式になっています。
それぞれ、
「天人菊」・・・芸者として出来の良い妹に嫉妬し、心をすり減らす姉・菊代の命がけの恋
「凌霄葛」・・・親の借金のため、妾として囲われることになった泉美の秘密
「乙女椿」・・・千恵子が女中として奉公する先で出会った運命的な恋。令嬢・和江とのSめいた友情。戦禍に何もかもを奪われてのちにもまっすぐに生きてゆく女たち
「雪割草」・・・初恋に破れ、友を失い、結果恋を遠ざけた和代。彼女をしがらみから解き放ち、彼女にすべてを与えると約束した、唯一の人との出会い
といった内容になっています。
好きな男を殺される。
妾となり、望まぬ性交を強要される。
未婚で子を孕んだとさげすまれ、生家を追い出される・・・。
けっして幸せだったとは言い難い人生です。
けれど彼女たちが不幸だったと、そう言い切れないのも確かなのです。
女として生まれ、恋をし、愛を知った女たちは、なぜにこうも雄々しく生まれ変わるのでしょう?
それぞれ相手となった男性が、彼女たちを変えたとも思えません。
女性には、やはり何か不思議な力が宿っているのでしょうか・・・。
戦時下という閉塞的な時代にさえ、花のように生きた女性の人生模様4編。
美しい文章と共に、その人生をご堪能下さい。 -
この人が描く官能的なものは、他の作家さんにはないものだと思う。艶めかしいのに、爽やか。
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2009年 4月読了。
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エロくて面白かった。華宵道中の方が面白かったけど。