- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103038320
感想・レビュー・書評
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この作家さんが書く女性は
皆それぞれ本当に素晴らしいと。
この本も、
スピンオフが混じり合ったような
不思議な書き方で、
全体を通して読むから
登場人物の内面や脇役の過去なんかを
心の隅で感じながらより深く読める。
話も書き方も好きだし、
興味深く読める。
少し恥ずかしくなるシーンがあるのに、
どうしても誰かに勧めたくなる本。 -
菊代、雛代。
泉美。
女中の千恵子、お嬢様の和代。
時代や戦争に翻弄されつつも、生き抜く女たち。
眠れなくなって夜中に読んだ。
歯を食い縛って声を漏らさないように泣いた。
ここの女たちと自分が融合したみたいに、強く物語に入り込めた。
話が繋がっていく、あたし好みの展開に痺れる。
回想しながら眠りにつこう。
宮木あや子ちゃんにお礼を言いたい。 -
途中から前のめりになる程、今年1番夢中になった本。容赦なく時代に翻弄され泣き崩れながら、それでも「生きていく」事で 大正~平成を繋いでいく女性達。今年は二次大戦絡みの話題書を何冊か読んだけれど、どの本でも得られなかったピースの1欠片をやっと掌にした感じです。
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廓の遊女の姉妹の話、妾に取られた女性の話、そして戦時中を生きる女性達。いつかすべてが繋がっていき、オンナという性の逞しさとせつなさとが感じられる小説でした。女性の為のR18作品ということで色っぽかったです。
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当然のことだが、身体を重ねれば妊娠する。
そのことを男のひとはわかっていない。
性愛の向こうにある快感だけしか
見えなくなるのかもしれないが…。
女性にとっては抱かれた後の方が
遥かに大きな重みをもって、愛情の帰結は迫るものだ。
女性が拒めないのが悪いというが、圧倒的に女は不利である。
そして、身体を重ねれば女はなんでも靡くというのも幻想である。
こころの継ぎ目が合っている相手となら
女は一度の逢瀬にも命をかけるかもしれない。
連作の中の政吉が、千恵子のことを母に託すくだりを
読むと、やっと
「男性にもやはり、身体をつなぐことの重さを
わかってくれる時があるのだなあ。」
とほっとする。
理想は和江と正文の在りようだが、現実には
難しいことだろう。
消費されてゆくだけの「女」という生き物に
いっそ私自身は憎しみさえ持ってしまう。
その燃焼はうつくしくドラマティックで
この本ではそんな女たちの心模様を
堪能させてくれるけれど。
そういえば、この本の日本語は、
とても言葉遣いが端正で、かつて女たちはみな
こんな嫋々とした日本語を語っていたことや
私たちがそれを手放してしまった事への愛惜が思われる。 -
おもしろかった(・∀・)‼ 3話めでなるほど!と納得@
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恋に生きる女性は強く逞しい、宮木さんの書かれる女性はほんといい女。
すこしずつ話が繋がってるのも好き。