四龍海城

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103299813

感想・レビュー・書評

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  • 切なさマックスのあのラストにやられました。ハッピーエンドだったらあそこまで余韻はなかっただろう。
    貴希の吹くトランペットの旋律がいつまでも頭の中で鳴り響いていました。

  • 「ばくりや」が面白かったので読んでみたのですが、うーん。
    とにかく後味が悪い。バットエンドだと思います。

    内容は四龍海城という不思議な城の中に入り込んでしまった健太郎と、そこに拉致されてしまった貴希。
    この城を出る為には出場料が必要だと言われるが、その出場料が何かも分からない。
    2人は城を脱出出来るのか!?
    といった感じです。

    謎も分かりやすすぎました。もう少し捻りが欲しかったかもしれない。

  •  感情を持たない城人たちの奇妙な生活ぶりと、だんだん城人化していく大和人の様子がじわじわと怖いです。だから余計、健太郎と貴希の友情を深めていく様子が微笑ましかったし、そんな二人に何かとアドバイスしていく関も、とても頼もしく感じました。
     出城料が何かがうっすらとわかってきたときは、複雑な心境でした。その後は、予想を裏切って欲しいと思いながら読んでいました。
     読み終わってからも、いろいろ考えますね。
     おとぎばなしを読んだあとにも、考えることが多いけど、その時の感覚に近いです。もちろんこれは大好きな感覚です。

  • 日常の延長にある異世界に紛れ込んでしまうローファンタジー?
    純粋に冒険譚としても楽しめるし、
    ちょっと不気味な城の世界観も面白い。

    ラストは、物語のエンディングとしては
    爪痕を残すような終わり方で印象深い。
    でも、なんともやるせない。
    ハッピーエンド至上主義というわけじゃないから、
    こういうのも好きだけど。
    貴希が健太郎をトランペットで見送るシーンは美しい。。。
    一方は思い出を奪われ、
    一方は万感の想いを込めて…
    もう、なにこの切なすぎる別れのシーン…

  • うーん。やはり、こうなってしまうんだ。なんとなく、予感はしていたが…あ〜、その後、これから、健太郎は、貴希はどうなっていくのだろう。

  • どんどん引き込まれて、面白かったけれど、読後感が大変よろしくない。綺麗だけれども。
    思い出すことがなくても、再会することができたかもしれないのにと、いたたまれなくなりました。
    面白かっただけに、ラストだけが、なんだかなぁ……。

  • 海岸沖にたたずむ絡み合う龍を模した建物「四龍海城」に迷い込んだ少年が、そこで出会った少年たちとともに脱出への手がかりを探る。心をなくしたような「城人」、定時に鳴り響く社歌、そして城を出るための「出城料」とはなんなのか。底知れない不気味さと謎を織り交ぜつつ、少年たちの心の通うさまを微笑ましく味わえて、一風変わったSFチックな青春小説という趣でした。
    ただそもそもの設定、この城そのものがもうひとつ不気味さが足りないというか謎が浅いというか、電気を発生させているという根拠ももう一押し欲しいし、終盤の城を出るときの(重要な)エピソードも悪くないんだけどファンタジックすぎるような…と思えたり、と、いろいろもぞもぞと思うところはありました。
    それでもラストシーンの切なさはかなり響いてきました。残酷ではあるけれど、とても綺麗なエンドだったと思います。

  • プロローグは静かに…徐々に引きつけられエピローグで涙する…そんなストーリー展開ですね。

    発想も面白いです。

    特に、四龍海城の中が町になっていることとか妙に笑えます。

    健太郎と貴希の友情がもっとハッピーにエピローグに繋がってくれたらベストだったのですが…

    作家さんの作風からそれは無いでしょうね…汗

  • なじ■
    謎の建物に閉じ込められ、そこで出会った少年二人の夏の物語。
    ラスト切なすぎてボロ泣きしました…

    フライデー・ナイト・ファンタジーの描写素晴らしかった!

  • 予想どうりとはいえあまりにも切なく哀しいラストに、フライデーナイト・ファンタジーの旋律がはまりすぎて、しばらく鳴り響いていました。二人とも外に出て、何も無いところから出会いなおすというような、そういう物語ではいけなかったのでしょうか?

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著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『龍神の子どもたち』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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