あつあつを召し上がれ

著者 : 小川糸

• 新潮社 (2011年10月31日発売)

感想・レビュー・書評

[keikoさんの感想 · 2014年1月19日]

食べ物の記憶は、けして有名店の物を食べて美味しかったとか高級なものを食べて美味しかったじゃないなと。
記憶に残っているのは、誰と一緒だったとかどんな心境だったかとか。
人はやっぱり五感で生きている。
美味しいまずいじゃなくて、日常にも小さな物語が発生している。
だんだん大人になると悩みが深くなってくる。深い悩みだけど向かい合うことで、優しくなれるのかな。
読みながら大切な人を想って涙が沢山出た！

[ちまりさんの感想 · 2023年3月9日]

短編集でちょっと切ないお話もあって、じんわりきた。

[mayの本棚さんの感想 · 2022年10月29日]

かき氷、ぶたばら飯、松茸、おみそ汁、コロッケ、ポトフ、きりたんぽなどなど…誰かと食べる食事の、しあわせなものだったり、せつないものだったり、ほっこりするものだったり、ちょっとシュールなものまで…食にまつわる７つの短編集です。

短編集なのでサクッと読めるんですが、一つ一つの物語は、人生を垣間見るような多種多様な食事の風景たちなので、なかなかに重みがありました。

『親父のぶたばら飯』が一番好きだったかな。料理を食べる描写が秀逸で、めちゃめちゃお腹がすきました。一緒に食事をすると相手のことがよくわかりますよね。食の好みだったり食に対する価値観の相違は本当に大事だなぁと思います。

『こーちゃんのおみそ汁』と『季節はずれのきりたんぽ』も良かった。大切な人との思い出の料理…食べることって人と人とを繋ぐ、大切な人生の一コマですよね。

[viora117さんの感想 · 2016年6月12日]

最後の食卓に誰と何を食べるのかがテーマになっている７つの短編集。

かき氷をテーマにしているものは、亡くなる直前の父を思い出させてくれた。

味噌汁をテーマにしているものは、亡くなった母と娘、父との関係をじんわりと感じさせてくれて、切なかった。

ポルクの晩餐だけ、なんとなく意味不明な感じが否めず。

大切な人と食べられることってこんなにもほのぼのと幸せな時間なのだと、改めて知らされる。

[EBIPARAさんの感想 · 2012年10月9日]

食べ物の美味しさを書かせたら天下一品な小川糸さん。そんな著者の食べ物にまつわる短編集。

糸さん特有のあたたかいお話はもちろん個性的な話もあってバリエーション豊かな一冊になっています。個人的に好きな話は交際中の彼に中華屋さんに連れて行ってもらうお話。

デビュー作から心を奪われて、これまで食べることの醍醐味を作品を通してたくさん受け止めてきましたが、それは糸さんが美味しいごはんをたくさん食べてきたからと言うよりは(まぁたくさん食べてるでしょうけど)、ごはんを美味しく食べれる人だからなんだろうな〜と最近よく思います。

いつもごはんを美味しく感謝しながらいただいている、そんな糸さんの文章を読んでる時間が私の小さな幸せだったりします。

[みゆき2525さんの感想 · 2012年8月23日]

じわじわくる、別れと始まりとその折々の食事シーンの短編集。せつない話がいっぱいで、一気に読んじゃった。
バーバのかき氷は、祖母が亡くなったときのことを思い出して、目が熱くなったし、いとしのハートコロリットも切なかったなぁ。
親父のぶたばら飯は、きゃー！と昔を思い出して懐かしくなったし。
いい小説でした！

[どんぐりさんの感想 · 2021年8月26日]

うーん
やっぱり私は短編は合わないようで
星2つか迷って3にしました


中にはいいなと思う作品もありましたが
でもやはり短編は読んだ後
あまり何も残らないです。

[8makiko8さんの感想 · 2018年4月19日]

思い出の食べ物をめぐる短編集。
人生の中で、食べ物の存在って大きいですよね。
食べ物で思い出すことってけっこうあるかもなぁ。

家族との楽しかった思い出。
恋人との別れ。
お母さんが残してくれた味。
人生のいろんな場面で思い出の食べ物があって、
それらが短編だけど食べ物中心に丁寧に描かれていました。

病院で過ごす痴呆症のおばあちゃんに、
思い出のカキ氷を届ける「バーバのかき氷」と
自分が死ぬ前に娘におみそ汁の作り方を教える
「こーちゃんのおみそ汁」が印象に残りました。

食べることも作ることも、
大事にしたいなぁ～と改めて思いました。

[ちっこさんの感想 · 2017年2月14日]

美味しそうな描写がたくさんの短編集。
料理って味そのものだけが記憶に残るわけじゃない。
いつどこで誰とどんな話をして、どんな雰囲気で食べたか、心に残る映画のフィルムみたいだ、と思いました。

[まーちゃんさんの感想 · 2014年11月1日]

図書館で借りたもの。
食事にまつわる短篇集。
一番好きなのは「さよなら松茸」かなぁ。鼻の奥がツーンとした。
「こーちゃんのおみそ汁」は号泣。「いとしのハートコロリット」は切なかった…。
誰かと一緒にご飯を食べることは本当に大切だと、改めて思わせてくれる。

著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」