とうへんぼくで、ばかったれ

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 333
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103323419

感想・レビュー・書評

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  • 第一印象が素敵で好きになって色々想像して追いかけて、
    会って仲良くなったらなんか違うんだけど、
    最初に考えた「好き」の形を変えたくなくて、とか。

    とっても仲良しの友達がときどき疎ましかったり。

    あんまり好ましくないけど向こうが仲よくしてくる同性が
    めんどくさいけどその子が「可愛くて」言えなかったり。

    家族の本当の優しさが悲しかったり。

    あと、親友前田との時代がかったような
    面白いセリフ回しがタイプだ。

    連載時から楽しみにしていたけど、
    うん、まとめて読めて、嬉しかったぞ。

  • 朝倉さんの本でいちばん好きだなって思った、わたしは、この作品。
    言っちゃえばたった一度同じ場に出くわした名前しか知らない男の素性を突き止め、週に二度ほどその男の会社付近を張り、毎日何を食べるか、どこに出没するのか把握し、そして風の噂で男の会社が倒産すること、北海道から上京することを耳にし、同時に会社を辞め、その男の新しい会社までも調べ、東京に行き、男の新しい会社の近くにある喫茶室ルノアールでバイトし、その後も影からひっそりとつきまといようやく交際へと発展した吉田という女のストーカー噺、と言ったらそれまでなのだが。
    深いんだよ。例えばその男、エノマタの心理だとか、エノマタのいとこで同じく独身なみっちゃんだとか、吉田のバイト先の女の子、りえぽんの誰かに依存していないと駄目なところとか、吉田の友人前田のいうことの正しさだとか、すごいうまく描かれてて、すごい、すごい楽しく読んだ。終わり方も好き。
    でもこの小説を読めないひとも嫌いなひともいるだろうな、っていうこと。

  • 朝倉さん初読み。でもどうにもこうにも文章やキャラクターが性に合わないようで、ただ読み進めただけというような結果に。
    主人公の口調的に時代が昭和なのかな?と思いもしたけど、携帯やミクシィといった言葉が出てくるし、でも現代というにはどうにも作り物くさい世界…。そんな訳で主人公の恋心もよく分からなかった。

  • 朝倉かすみさん、やはり良いっすなー。

  • 23歳の"吉田"が、1年半前仕事中に一目惚れした42歳の"榎又さん"を追って札幌から東京へ。諸々の(驚異的な)努力の末、念願叶ってお付き合いをした後に、ひとり札幌へ戻ってくるまでの物語。

    大きなテーマではないので★3つにしたものの(いや、恋愛は十分大きなテーマか...)良い作品だったと思う。

    プロローグと、続く1章目の"わたし"が、それぞれ誰なのかすぐには定まらず、あれ?という感じに入らせるのがちょっとおもしろい。そしておもしろいといえば吉田と友達の前田の会話。北海道弁のせいだけじゃないよね?

    思い込んだが最後、一直線に榎又さんに向かい、いろいろな思いに翻弄されてんやわんやの吉田と、最初から最後までのらりくらりとした榎又さん。
    私自身は、性別は違えど圧倒的に年齢が近い榎又さんの感覚に近いものの、それでも吉田の思いもよーくわかるし、がんばれよと言いたくなってしまう。実際ラストでは、吉田はこれからもっといい恋愛に出会うんだろうなという予感を残し、片や榎又さんはこれからもずっとこのままかもね、と思わせるおかしみと哀愁。最後の小さなオチが味わい深い。

  • 読みやすかったけど、ちょっと気怠い雰囲気が漂う。

  • おじさんみたいな話し方をする23才の乙女のラブストーリー。面白かったです。札幌に住む女の子が一目惚れした中年男性を追って上京するのですが親友の前田と東京でできたお友達のりえぼんもとてもいいキャラでした。そしてここに出てくる40男はとうへんぼくのばかったれですね。ロココ調のキティラーがツボでした。

  • 23歳の女が42歳の男に一目惚れし、彼を追って札幌から東京に引っ越す。
    不器用ながらも彼に近付くことに成功するも
    結局終始ひとり相撲。

    若かりし頃の恋は確かにこんなもんかも。

    【図書館・初読・7/3読了】

  • 読売新聞の「本よみうり堂」で紹介していた書評を見て、面白そうだなと思っ
    て読んでみました。

    物語は、札幌のデパートに勤める23歳の女子・吉田が、一目惚れした中年男性・榎又さんを追いかけて北海道から上京。ちっとも気が利かず、女心が全然わかっていない榎又さんなんだけれど、吉田がもやもやしながらも好きだからこそ言えない胸の内を面白可笑しくリアルに描いています。

    主人公の吉田が、北海道の友達・前田さんや、東京で出会ったりえぽんと会話するかけあいがすごくリアルで面白かった。
    あと、男性と食事に行った時のお勘定問題。いやはや、男性諸君、がんばってくださいよ!って、私も思いました。

  • 初めて人に恋した23歳の女子吉田はストーカーとして自分の存在にさえ気づかない榎又を追って上京。友人との丁々発止のやりとりと魔性の女りえぴょんとの奇妙な同居。言語能力の鋭敏さを感じる風流な言葉づかいが心憎い。

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著者プロフィール

1960 年生まれ。北海道出身。04 年「肝、焼ける」で第72 回小説現代新人賞、09 年「田村はまだか」で第30 回吉川英治文学新人賞、19 年「平場の月」で第35 回山本周五郎賞受賞。

「2021年 『ぼくは朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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