殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104405022

感想・レビュー・書評

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  • 最後の1ページまで食い入るように読んだ。いまだ真犯人が逮捕されていないという事実が大変理不尽であり、憤りを覚えた。これは、素晴らしいノンフィクション。特定秘密保護法下ではこうした著作も減ってしまうのか。ジャーナリストのみなさまには不屈であって欲しい。

  • あなたたちが守るべきものは何なのだ。何を信じればいいのか。この本をきっかけに犯人が逮捕されることを、真実が明らかになることを願ってやまない。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「あなたたちが守るべきものは何なのだ。」
      勿論、自分の身でしょう。
      そして日本のトップが拝金主義で突っ走ってるから、その周りに居る役人は...
      「あなたたちが守るべきものは何なのだ。」
      勿論、自分の身でしょう。
      そして日本のトップが拝金主義で突っ走ってるから、その周りに居る役人は殆ど右に倣えをしているんじゃないですか?人間より金が大事だと思う人を選んだ私達の責任大。。。
      2014/04/08
  • 「遺言 桶川ストーカー殺人」の著者の第二弾。

    菅谷さんの無罪事件と、栃木・群馬にまたがる5件の
    未解決幼女誘拐事件をからめた本作。

    ビックリなことは、この未解決事件の犯人(ルパン三世
    に似ているからルパンと命名)を特定して
    話まで聞きに行っていること。

    なぜ、この犯人が野放しになっているかは
    菅谷さんが犯人という断定によって、捜査を
    終了させてしまっているから。
    警察発表をそのまま掲載することの問題点。
    例えば、DNAがほぼ一致していた、という表現は
    あり得ない。
    完全一致か不一致のどちらかしかないこと。

    自転車に乗っていた人(菅谷さん)という
    目撃証言はないのに菅谷さんは逮捕、
    歩いていた人が
    いたという目撃証言はあったのに(これがルパン)
    これは無視される捜査。

    この真犯人ルパンの存在を認めてしまうと
    警察のDNA鑑定を全て否定してしまう=警察の
    信頼低下、から菅谷さんの無罪でしゃんしゃんに
    してしまう、警察の体質を前作同様に
    糾弾しています。
    この警察の糾弾部分、後半最後の部分、
    やや書かれている内容が少なかったので
    もっと盛り込んで欲しかったことだけが、惜しい。

  • これは読むべし!みんなに読んでほしい!!筆者は『桶川ストーカー殺人事件 』で警察より早く犯人にたどり着き、また同時に埼玉県警の不正を糾弾し解決させた日本テレビの記者(当時は雑誌記者)。
    今回は菅家さん冤罪事件で有名な足利事件。無罪を勝ち取った裏にこの記者の存在があったのだ。ただ冤罪事件で思うのは一つ。それじゃ、犯人は誰なんだ?って事。この地域の周辺ではこの事件を含む5件の幼女強姦殺害事件が起きている。素人目でも同一犯の犯行。菅家さんは無実。では・・・・
    筆者である清水記者は独自調査の結果犯人にたどり着く。犯人は通称『ルパン』。足利事件で採取されたDNAとも一致。別件の誘拐事件でパチンコ店の防犯カメラに映っている人物とも同じだと。記者はその『ルパン』にインタビューもしている。でも警察は動かない。警察は犯人を知っている。いや、知っていて捕まえないのだ。そしてあの連続幼女殺人犯はまだこの地域に住んでるのだ。これはあのストーカー事件と同じ警察内部の問題、いや、国家としての問題。
    清水記者の文章も上手い。読んでいてこの『ルパン』を何とかできないものかと、正義の殺し屋がいるとするならヤツを殺してくれと、読んでいてくやしい、本当にくやしい。
    なぜ犯人が野放しになっているか。みなさんもぜひ読んで周囲に知らせてほしい!絶対読んでくれ!たくさんの人が読んでこの事件をもっと大きく取り上げてくれ!!

  • ほんもののジャーナリスト

    新年早々に読んだこの本が、今年のマイ・ベスト本になるかも。
    ・現場に行かないと分からないことがたくさん有る。
    ・再発防止! (警察・検察は「意図的」にやっていない)
    ・警察・検察のやり方は、仮説ではなくレッテル貼りになっている。
    (証拠が仮説を検証するものではなく、レッテルに合うものだけを残すというインチキ)

    菅谷さんの無実を認めながら、真犯人(著者は真犯人を警察に伝えている)を逮捕しない警察・検察って???


    菅家さんの無実が明らかになった足利事件を含む北関東連続幼女誘拐殺人事件。連続した事件だと見つけるところからスタートし、真犯人を追い詰めるため、菅家さんの冤罪をはらし、警察にも連続事件と認めさせるまで追い込んでいく。
    それでも、
    真犯人は未だに自由の身だ。
    本書の最後の言葉。
    いいか、逃げきれるなどと思うなよ。

  • 2015.7.122015.7.25

  • 鴻上尚史さんのおすすめ本。
    すごい記者がいたもんだ!
    足利事件を
    最初から
    冤罪だと見抜き、
    裁判にまで影響を与えた。
    読んでいると、
    当たり前に冤罪なんだけど、
    捻じ曲げられてしまったんだな。
    その憤りが伝わった。

  • 足利事件の冤罪を証明するために尽力した記者の著作。冤罪が確定したことで、足利事件を含めた5つの事件が同一人物の犯行である確証が強まる。しかしこれら5つの事件、通称「北関東連続幼女誘拐殺人事件」の犯人は未だ逮捕されていない。

    エルピスの参考文献に挙がっていたので読んだのだけど、検察の成績と面子のために葬り去られる証拠や事実、被害者への印象操作が現実だと思い知る。
    足利事件と同様、冤罪が確定した免田事件の免田さんの言葉がとても重く、彼の苦しみをどれだけの人が知らずにいるんだろうと思ったし、同時に自分もその1人で、理不尽な苦しみを受けている人のために声を上げ続けていられる余裕が自分にないのがすごく嫌だなと思った。

  • 5人の少女が姿を消した「北関東連続幼女誘拐殺人事件」に対して、著者の執念と言えるほどの取材、報道に感動した。本書を読んだだけでは、事実かどうかの判断はできないけど、もしこれが事実だとしたら、日本は法治国家とは言えない。一つの誤りを認められないが故に、真犯人がここまで報じられてても、真実に蓋をしてしまうなんて、司法の闇はかなり深い。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/63052

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著者プロフィール

昭和23年生。皇學館大学学事顧問、名誉教授。博士(法律学)。
主な著書に、式内社研究会編纂『式内社調査報告』全25巻(共編著、皇学館大学出版部、昭和51~平成2年)、『類聚符宣抄の研究』(国書刊行会、昭和57年)、『新校 本朝月令』神道資料叢刊八(皇學館大學神道研究所、平成14年)。

「2020年 『神武天皇論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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