雪沼とその周辺

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 438
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104471027

感想・レビュー・書評

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  • 嫌いな文体ではないはずなのに、なぜこんなに私の心を打たないのだろう。純粋に不思議。

  • 各々の掌編が、土地の記憶によって微かに交差するとき、そこに居合わせた人びとの営みが浮かび上がる。

  • 絶妙な描写と、絶妙な人間のずるさを書き表すのが上手。

    送り火が有名とのことで読みました。
    設定としては小川洋子みたいだなぁとおもいつつ、
    怪しいところもさしてなく、こういう人達もいるよねーと思いました。

    川端康成賞とってたというのをこれを読む時に知ったけど
    やっぱ状況の描写が丁寧でキレイだと思います。

  • (2005.03.15読了)(拝借)
    評判のいい本なので、神さんから借りて読むことにしました。rjでも既に多数の方々がレビューを書いています。
    控えめな人たちの生活が描かれている短編集なので、小説にある種のカタルシスを求めて読むと、物足りなさが残ってしまう作品と思う。
    人生に積極果敢に取り組んで、くたびれきっている向きには、そんなに意気込んで暮らさなくてもいいんだよ、とほっと一息つかせてくれる本と言えるかもしれません。
    それにしても「雪沼とその周辺」と言う題名はちょっと変わっている。短編集の題名は、短編のどれかの題名を拝借することが多いのに、「雪沼とその周辺」と言う短編があるわけではない。川端文学賞を受賞した「スタンス・ドット」が収められているにもかかわらず、その題名を使わない、と言うのも思い切ったやり方だと思う。作者が決めたのか、編集者が決めたのか聞いてみたい話題です。

    ●河岸段丘
    ・修理について
    「故障したとなると、怪しげな箇所を特定せずにその周辺をごっそり取り除き、新しいユニットをはめ込むだけで果たして修理と言えるのか。局所的に直す代わりに、周りを全部取り除くなんて、胃の一部だけ悪いのに、まるごと摘出せよと迫るようなものだ。」
    (カスタマー・エンジニアが、エンジニアでなくチェンジニアだと言われて久しいけれど、使いたい人を待たせて、長いことかけて、故障の原因を探るよりは、大雑把に見当つけてごっそり取り替えてしまうほうが、短時間で済むし、高い技術も知識も要求されずにやれると言う面もある。相手が人間じゃないんだから、許してあげて。)
    ●送り火
    ・念のため
    「大丈夫だと思うけれど、万一のことがあるから、少しでも過ちを回避できるように、念のため。」
    (念のためをやってるときは、何も起こらないのだが、油断して、念を押すことを忘れたとき、手抜きをしたときに限って、万一が起こってしまうから、油断できない。)

    著者 堀江 敏幸
    1964年 岐阜県多治見市生まれ
    早稲田大学文学部仏文科卒
    東京大学大学院博士課程中退
    パリ第三大学博士課程留学
    1999年 「おぱらばん」で三島由紀夫賞受賞
    2001年 「熊の敷石」で芥川賞受賞
    2003年 「スタンス・ドット」で川端康成文学賞受賞
    『雪沼とその周辺』で谷崎潤一郎賞、木山捷平賞を受賞

    (「BOOK」データベースより)amazon
    山あいの静かな町、雪沼で、ボウリング場、フランス料理屋、レコード店、製函工場、書道教室などを営む人びと。日々の仕事と真摯に向きあい、暮らしを紡いでゆくさま、その人生の語られずにきた甘苦を、細密な筆づかいで綴る最新短篇集。川端康成文学賞受賞作「スタンス・ドット」ほか、雪沼連作全七篇を収録。

  • センター過去問に「送り火」が掲載されてて、がっつり続きが気になった作品。雪沼の周辺に住んでいる人達の、小さな物語が詰まった短編集です。
    やっぱり「送り火」が私は一番好き。洋平さんのプロポーズが凄い感動しまくりでした。

  • 好きです。とてもよかった。ひとりひとりのキャラがしっかり設定されていて、知っている人のおはなしを読んでいるようでした。

  •  読了。とても素敵な短編集。「イラクサの庭」がお気に入り。(☆評価なし)

  • 連作短編集です。
    大きなドラマはなく、登場人物それぞれの日常が静かに描かれています。
    読み終わりたくないと思わせる小説です。

  • 静かで温かみのある作品。
    上品な文章の中に、好きなフレーズがけっこうあり
    好みでした。
    吉田篤弘さんの作品が好きな人にはおすすめ。

  • 2008/12/15購入
    2009/2/1読了

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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