風が強く吹いている

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著者 : 三浦しをん
  • 新潮社 (2006年9月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104541041

風が強く吹いているの感想・レビュー・書評

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  • 心は、一緒に駆け抜けた!
    大手町から芦ノ湖へ。そして、芦ノ湖からみんなの待つ大手町へ。

    すごいなぁ!どうがんばっても体育の通信簿は3で
    校内マラソン大会が怖ろしくてたまらなかったこの私に
    竹青荘のみんなと一緒なら(特に、ハイジが一緒なら♪)
    走ってもいいかなぁ。。。と思わせてしまう、この感動!

    「つきあわせてすまなかった」ではなく「ここまで一緒に来てくれて、ありがとう」と
    心をこめて訂正するハイジに「合格」とつぶやく王子も

    練習では、個性的すぎてともすればぶつかりがちなメンバーを穏やかに宥め
    花の二区を7人抜きでしなやかに駆け抜けたムサも

    これまでずっとお互いがお互いの目標だった双子の弟が
    走ることで新たに見出した世界を、一縷の淋しさを抱えながら応援したいと願うジョータも

    よりによって襷を渡された瞬間に、葉菜ちゃんの気持ちを知って
    「好きなら走れ!」という走からの伝言そのままにハイテンションで走るジョージも

    ムサと共に穏やかにチームを支える存在であったのに、本番で体調を崩し
    高熱と頭痛で意識も朦朧とする中、山登りのきつい5区を走りぬいた神童も

    再婚した母と、その夫と、半分だけ血のつながった幼い妹の予期せぬ応援に
    それまで抱いていたわだかまりを解いて雪道を跳ぶように駈けるユキも

    禁煙し、ダイエットに励み、自分の体質に絶望して一度はやめた陸上に再び挑む中
    勝つことではなく、信頼とつながりのために走ることの喜びを知ったニコチャンも

    無駄に高いプライドに邪魔されて、誰とも深く交われない自分が
    駅伝という夢を一緒に追い、仲間と濃密な時間を過ごせたことに感謝して走るキングも

    「俺にとっての最高のランナーは、きみしかいない」というハイジからの言葉を胸に
    淋しく孤独な走りから解き放たれ、自分以外のだれかを恃む尊さに心震わせながら
    藤岡が出した区間新記録を1秒でも塗り替えてハイジに襷を渡すために駈ける走も

    竹青荘の10人目を辛抱強く待ち続け、あらゆる努力を払って準備を整え
    ほとんど素人同然のメンバーひとりひとりの心に寄り添い、練習に心を配って
    完治していない古傷を抱えながら最後の10区を魂を込めて走り切ったハイジも

    みんなみんな、あきれるほどひたむきで、美しい。

    ハイジ♪ 竹青荘のみんなと一緒に、私にも頂点が見えたよ!
    そして、きっちりシード権を獲って、
    次の世代にまで襷をつないだ10人に、乾杯♪

  • 読了後の爽快感は例えようもないほどです。

    しをんさんが綴る言葉の一つ一つが
    燦々と輝き、キラキラと舞い降りて
    言葉で表現出来ないくらい感動しパワーをいただきました。

    ただひたすらに走り、10人で
    たすきを繋ぎ、タイムリーなことに
    箱根駅伝放送を見ながら、この本を読んだので
    時間と自分という見えないものとの戦いに
    私は「走る=生きる」と感じました。
    そして知らず知らずのうちに涙が…。

    大きなキラキラしたエネルギーの塊な本だと
    思いました。

    疾走感、爽やか、爽快感、気持ちのいい本です♪
    ありがとう。

  •  昨日図書館で借りたこの本を読み終わって、気づいたら本屋でこの本を買っていた。
     多分、この作品は私にとっての2012年上半期ベスト本になると思う・・・

     箱根駅伝って、陸上のエリート中のエリートの、そのまた選ばれたエリートが走る場所だと思ってた。才能あふれるアスリート大学生がちょろっと努力して、そんでもってプレイしてる、そんなイメージだった。でも、そんな彼らだって、この10人のように、血を吐くくらいの努力をして辿りついた地なんだろうな。私は今まで間違った認識を持っていた。それに気づかされた。

     個人的には、復路のユキ、ニコチャン、キングのくだりが一番泣けた。彼らはこの箱根駅伝を最後に長距離をおしまいにする。理由はそれぞれだけど、彼らは走りながらハイジや走や青竹荘の面々に感謝の意を表す。もう、そのくだりが泣けて泣けて・・・今思い出しても泣けるくらい・・・

    ユキ(第6走者 山くだり区間)「走、お前はずいぶん、さびしい場所にいるんだね。今日でおしまい。だけど最初で最後にこのスピードを味わえてよかった。」
    ニコチャン「走のように、選ばれ祝福されたランナーになりたいものだと、ニコチャンは心から願ったが、それは果たされるべくもない望みだ。でも、まあいいじゃねえか、とニコチャンは思う。選ばれなくても、走りを愛することはできる。抑えがたく愛しいと感じる心のありようは、走るという行為がはらむ孤独と自由に似て、ニコチャンの内に燦然と輝く。それを手に入れられたのだから。」
    キング「俺は、こんなに、だれかと濃密に過ごせたと思ったことはなかった。一緒に、心から笑ったり怒ったりしたことはなかった。たぶんこれからもないだろう。ずっとあとになって、俺はきっと、この一年を懐かしく思い返す」
     
     うつくしくきらきらした彼らと寄り添えて、私は本当に幸福だった。こんな私も、きらきらと永遠に輝く、とても大切なものを少しだけもらえたと思う。彼らと同じような思いを味わえるなら、それがたとえつらく苦しい日々であったとしても、耐えて乗り越える価値はあるのだと思える。

  • 間違いなく生きてはいるのだけれど。

    実際に、
    「今、生きている」事を実感している意識って、
    私の場合、特に無いな。と感じてしまった。

    無意識に繰り返す呼吸。
    規則正しく、心臓に負担かける事もなく、
    穏やかに、
    心地よく、
    まるで、息をしている事を忘れなさい、なんて
    暗示をかけられているか、のごとく。

    だから、
    彼らの走りを傍観していて、
    いろんな意味で胸が苦しくなった。
    いつもの呼吸が激しく乱れた。

    走る事に何の意味がある?

    チームの為に、死力を尽くさなければならない理由とは何?

    走らなくても
    人は生きていけるのに、

    何故、彼らは10人がそれぞれの区間に、
    何もかもを注ぎ、次のランナーへと托す襷に全てをかける事が出来たのか?

    「俺は知りたいんだ。走るってどういう事か。」

    心が体をどうしようもなく、突き動かす事がある。
    それは、一体何故だろう?
    どこから沸いてくる思いだろう?

    人によって、心にふつふつと芽生えるそれは
    全く異なるとは、思うけれど。

    疑わず、その芽を摘まず、
    心の赴くまま、目の前に現れた「道」を
    ひたすら突っ走ってみよう、と、決めた彼らのほうから、
    強く風が吹いてくる様な気がした。

    それは、間違いなく「生きている」事を実感させてくれる風であった。

  • 長距離という、永遠に独り孤独な道を走っていく。
    目的は、人それぞれの思いを秘めて。


    箱根駅伝に対する気持ちが、だいぶ変わってきた。

    走るとは何か・・・それを追求し、愉快な仲間と夢の箱根を目指す!!
    努力は、無駄ではない。実る!ことを、実感させられた。

    ハイジさんと、走(カケル)とのコンビが素敵です♪

    図書館で借りた本なので、人生で迷った時悩んだ時に再読したいため購入を検討中(笑)


    -追記-
    思い切って、買ってしまいましたヽ(^o^)丿

  • 新春1冊目。明日からの箱根駅伝前に読み終えようと、一気に読了。面白かった!!なるほど、10人分を一人ずつ丁寧に描ける「駅伝」ってかなり特殊だけど面白い題材だ。

    山口晃が描く表紙絵が秀悦過ぎる。山口晃節で描かれる登場人物たち。細かく見ると、この物語を一言で表していて、読了後に見るとまた面白いです。文庫本は残念ながら(絵が小さくなりすぎて分からないから!?)、表示絵が違うので要注意。

    なんとなく、コースも頭に残っているうち、明日からの箱根駅伝は楽しく見れそう♪。

  • 箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚!超ストレートな青春小説。
    「BOOK」データベース

    青春とはこういうことなのだなぁ.
    よくもここまで細かな心理描写ができるものだと思う.作者は箱根駅伝どころかマラソンもしないだろうに、下調べやインタビューなどからここまで書けるのだろうか.筆者の妄想力に脱帽する.
    メンバーの中に素晴らしい才能の持ち主がいたとはいえ、走り始めて1年足らずの素人が箱根駅伝で大活躍するなんて夢物語かもしれない.でも、この本を読んでいると、途中から単なる夢物語で終わらない予感のようなものを感じるようになるのだ.
    もしかして、もしかして.時にぶつかりながらも絆を深めていく10人に、いつしか期待を膨らませている自分を発見する.

  • 映画DVDを見てから感想を書きたかった。
    子供に勧められて手にとった本。
    今年読んだ一押しの作品のように思える程、感動した。
    一人一人の性格や情景や息遣いまでを感じられる素敵な作品でした。
    以前は走る事が大好きだったが、今は走れない体となったけど、読んでいて一緒に走ってる感じを受け頑張る力を頂いたような気がする。
    お正月の箱根駅伝の見方も変わるだろうな!きっと「ガンバレ!」と声援おくることだろう。
    来年も素敵な本に出会えますように・・・。そして、ありがとう!

  • 素晴らしい!!
    10人の登場人物が生き生きと描かれ、10人だけで箱根駅伝に挑戦する姿に深い感銘を受けた。
    チーム結成から練習、記録会、予選会までの中盤はユーモアのある描写で、サクサク読め、それぞれの人物に感情移入も出来る。
    駅伝本番を描いた中盤以降は、ページをめくるたびに涙が頬を伝った。本を読みながら涙を流すことは稀なのだが、大げさでなく本書ではページをめくるごとに涙が出てきた。
    読後感もいうことなし!!

    誰かにお薦めの本を訊かれたら、迷わず本書を挙げたい。
    遠く何年も前に置き去ってきた「輝き」のようなものを思い出させてくれる一冊である。

  • 装丁がすごくよかった!本を読みながら何度も見てしまった!初めは江戸時代的な装丁だなぁ…とあまりよく思っていなかったのに(笑)

    一人一人のキャラがたっていて、現実的にはまぁありえないことだと思いつつ、すごくリアルに感じられたのは、描き方が繊細で一人一人の心情が伝わったからかなぁ。
    何の分野でも秀でた人への羨望や嫉妬、自分の劣等感は出てくるし、そこから純粋に頑張ることができるかどうかって、いくつになっても難しいなぁと思ってしまう自分にとって、学ぶことも多かったなぁ。
    そして走のように走りたい!という衝動に刈られる!

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風が強く吹いているの作品紹介

箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚!超ストレートな青春小説。最強の直木賞受賞第一作。

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