成功は一日で捨て去れ

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104642038

感想・レビュー・書評

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  • 柳井社長は、日本から世界に通じるリーダーかと思う。
    今のユニクロの品質の高さ、品ぞろえ、安心感… カジュアル服の世界3本指に入るといっていいと思う。

    その人がどんな考えをもって、事業にあたってきているのか。もう1度勉強しようと、本棚から本書を引っ張り出してくる。

    柳井さんが、ビジョナリーである。
    柳井さんが、ユニクロに徹底的にコミットしている。
    柳井さんが、自らリスクを取っている。

    リーダーとしての卓越性は、間違いなくあって、でもそれをうやらむばかりでは、私が自分の今いる環境を変えることはできなくて、こんな”すごみ”を発揮させるために、自分が日々何をすることができるのか。

    いくつか気になったフレーズの抜粋:

    『世間とか世の中は自分よりももっとずっと大きな存在なので、自分の都合などは聞いてくれない。社会的に必然性がなければ、失敗する。社会がその事業を要求するから成功するわけで、本当は何も思い悩む必要などないのだ。』=事業の社会性。社会の問題解決。

    『世界で戦える高収益企業になることです。我々が世界市場で戦う相手は、ZARA, H&M, GAP等で世界的な競合企業です。彼らに勝つためには、少なくとも販売効率性や収益性で彼らに勝てないと話にもなりません。商品の独自のポジションは当然のこととして、大事なのは事業の効率性や収益性です。どんな規模であろうと、そこで勝てないと世界一にはなりえません。経営とは、人間の創意工夫で矛盾の解決することです。いかに少ない費用と時間で、いかにその効果を最大にするのか、それが経営です』 =世界を見据えたビジョン

    『不振事業の根本はすべて同じだということです。志、つまり自分の事業に対する理想がない状態です。・・・ユニクロを日本やアジアを代表するブランドにしていくことです。そのためには、全員の意識の大変革が必要です。そのために、あえて皆さんに問います。あなたは本当に自分の将来、自分の仕事、自分の会社、自分の店、自分の商品に志を持っていますか? 自分の仕事、自分の部署、自分の商品、自分の店、自分の事業を理想の仕事、部署、商品、店、事業に対する決意を心底からしていただきたい。志を持っていない人がいたら、必ず志を持ってください。また、志がぼんやりしていたり、薄らいできた方は、この機会にはっきりと再認識してください。・・・絶対に斜に構えたり、表面的な報告、形式的な仕事をしないようにしてください。特に上司にお願いします。まずあなた自身が必ず誰にも負けない情熱を持つことと、部下全員に1人残らず主体者として情熱を持って仕事をすることを要求してください。同時に積極的なチームワークを持ってください。チームワークがなければ、どの仕事も前にすすみません。仕事の停滞の多くは、皆さんのチームワークが薄いところに起因しています。さらに、仕事の達成水準を上げてください。うまくいっていない人の仕事を見ると、高い目標と高い達成水準が抜けています。先程の志と通じますが、高い目標と達成水準をもっていない人の仕事は全く世界では通用しません。また成長もしません。毎日の仕事の惰性でやるのと日々新しい自分の限界に挑戦するのとでは、永年の間に雲泥の差ができます。』 =志

    『日本の強みをユニクロの強みにします。日本の強みは、勤勉、勉強熱心、自分の仕事に対する責任感、ホスピタリティー、忍耐心、世界最高の製造技術、謙虚さ、他人への思いやり、会社に対するロイヤリティー等です。残念ながら、昨今の日本を見た時にこれらの強みは薄れてきています。我々は日本が持っていた日本の強みを世界に通用するように強化して、今まで誰も実現したことのない新しい日本の企業を作ります。』

  • 第1章
    柳生さんがやってきた試行錯誤が手に取れた。失敗と成功をたくさん経験してきたのだなと。安定への警鐘を常に打ち鳴らせる稀有な人。ここまで活発にM&Aをしていたことは知らなかった。

    第2章
    アパレルは本当に様々な試行錯誤が必要なんだなぁ。価格、流通、品質etcどの局面においても妥協許さない、柳生さん。今巷で言われていることを着実にこなしていく姿は言葉では簡単ではあるが、実践できる人間は数少ない。

    第3章
    ヒートテックがなぜヒットしたのか、とても興味深かった。既存の枠組みに囚われない姿勢が素晴らしい。常識に囚われないって簡単ではない。商品開発やはアートとサイエンスの調和。儲けることへの貪欲さがすんごい。

    第4章
    ユニクロのグローバル戦略を見て取れた。各国の文化などの違いを綿密に考えたうえで戦略をとっているなと。

    第5章
    次世代に向けての気概を感じた。怖いくらいに。


    各章まとめていて思ったが、何回も似たようなことを言っていて読み物としてはあまり面白くはなかった。

  • ユニクロの柳井さんの奮闘記です。

    常に成長、変革しないと死が待ち受けている。
    その考えが一貫しています。
    経営に対する厳しい考え方がよくわかります。

  • 意思決定の力を感じさせてくれる本。さすが創業者である。それに比べて、わが社の・・・

  • 普段何気なくお世話になっているユニクロなんだけど、ユニクロだけじゃないけど、有名になる会社というのは色んな努力と工夫と、そしてお客を第一に考えているということを改めて知った。

    私自身は経営者でも何でもないけれども、今の会社の社長を見ていると足りない部分が多くて、これが小さい会社でとどまる、もしくは廃れていく会社と躍進していく会社の違いなのかもなと感じている。特に成功に甘んじず、大企業体質を捨てることなど・・・。

    ただよくは分からないけれども、末端の社員までこの柳井さんの思いは届いているのだろうか?という疑問はずっとあった。私はユニクロの社員でも何でもないけれども、この本にある新年の抱負を読んでいても何だか心に来るものあまりなかったのが正直なところだった。

  • ファーストリテイリングについてのみならず、ワールドワイドのアパレル業界全体に対する理解が深まる。そして、何より柳井氏の経営・グローバル戦略・人材育成に対する考え方がimpressingで嘆息もの。

  • ユニクロの柳井さんの本です。

    事業が現在進行形であり、スピード感があって、楽しく読めました。「即断、即決、即実行」良い言葉だと思います。

    これをするには、実行できるだけの権限が必要だと思います。様々な関係者の調整に明け暮れていては、難しいと思います。自分の権限が及ぶ範囲で即断、即決、即実行、今の自分にはこれくらいしか出来そうにありません。

  • だいたい半分ほど読みましたが、最初から同じことを繰り返し言っています。
    終始、ユニクロの自慢に聞こえます。ベンチマークできる点もありますが、、、

  • 軸がとてもとても強固な意志でできている人だなと感じた。孫さんのような華やかさはないが、正にコツコツ積み上げる人なんだと。すごい人だ。

  • 前著 1勝9敗から数年、ユニクロの創業者が、その後の事業の成功や失敗も含めてまとめた本。

    野菜の販売等の失敗や数々の新しい製品開発など、現場の成功と失敗を含めて、理論と現場感覚の両方をもちながら、常に危機感をもって経営することを著者の視点からまとめた本だと思った。

    これだけをみると柳井さんは決して、優秀な経営者には見えないのだが、必要なときには良い手講じているように見えるし、運にも味方されている。経営は結果論で、勝てば官軍の要素が強いなあと思った。

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