妻の超然

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104669042

感想・レビュー・書評

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  • 超然:物事にこだわらず、平然としているさま。世俗に関与しないさま。
    3編の超然たる主人公の短編集。
    しかし。
    自らを「超然」していると思ってしまった瞬間に、もはや超然とはいえない。
    あくまでも「超然」とは客観的な視点での言葉であり、
    この3人の主人公だって、全く超然足りえない。
    一番好きな表現:昔は1人1人が神社だった

  • この作家の作品の中で一番好き。
    面白く、そして、読み終えて、じっとしている時間が長かった。

  •  どうして象は文明を手に入れなかったのだろう、と理津子は考える。これほど器用で、これほど賢くて、これほど強い者が、どうして地球を制圧しなかったのだろう。そして象なりの深い哲学と慈しみに満ちた世界を作らなかったのだろう。
    (P.23)

     僕はあらゆる不毛なことが嫌いだ。それを避けるために自分のできることとできないことは把握していたいし、一番近くにいる人にはそのくらい伝えておきたい。
    (P.148)

  • 超然とは、自分の弱さから身を守るすべなり

  • 「ばかもの」の映画を見て、原作者がちょっと気になったので、読んでみた。妙に根拠ない上から目線の「超然」とした妻や下戸や作家の物語。夫の浮気に気づきながらも、黙認しつつ、いつ反撃にでるか常に様子を伺っている年上の妻、社会人になって付き合っている彼女が酒飲みで、酒を飲む時だけ甘えてくるメーカー勤めの男性、最後は絲山秋子自身の体験にもとづいた感じの小説などで結構面白かった。どこか一歩醒めた感じで淡々と物語っていく感じは悪くない、というか、結構近親憎悪に近いものがあったけど笑 そうか。私は超然としてるのか笑

  • 絲山秋子さんの短編。作風が変わって明るくなった。表題作は、夫に浮気される子なし48の妻の超然?たる態度がかわいいから、クスッとしてしまう。あと二つの短編楽しみ♪

  • 2011.03.01 最近、あまり絲山さんがしっくりこない。なぜ…?

  • 「逃亡くそたわけ」以来だった気がしますが、「うまくなったなあ」という感じ。(私、ナニサマーーーー!!!)
    短編集で、「○○の超然」が何篇か納められているのですが、私のお気に入りは「下戸の超然」。
    あはははは。下戸ってこんな感じなのね。
    すみません、酒好きにはまったく分からない。。
    こちらに悪気はなくても色々と無理を強いていてごめんなさい。

  • 妻たるものが超然としていなければ、世の中に超然という言葉など要らないのだ-。痛快かつ深遠な異色3部作。表題作ほか「下戸の超然」「作家の超然」を収録。

    表題作はキラリと光る狂気がいかにも絲山 秋子らしいと感じたけれど、「下戸の超然」は取り立てて印象に残るところはなく、「作家の超然」は私には理解不能なところがあった。トータルでは可もなく不可もなく…。
    (C)

  • うーん、この作品は残念ながら
    あんまり好みではなかった。
    「超然」っていう行為自体が
    あまり好きじゃないからだろうな。。。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞を受賞しデビュー。「袋小路の男」で川端賞、『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、「沖で待つ」で芥川賞、『薄情』で谷崎賞を受賞。

「2023年 『ばかもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

絲山秋子の作品

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