- Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105090081
感想・レビュー・書評
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タイトルだけ有名な小説。
全てはブエンディア一族の、尋常とはいえない行動の記録だ。
誇大であり矮小であり、濃厚であり冗長であり、
さまざまないびつさをごくさりげなく含んだ途方もない小説。
他の小説なら数十ページを費やして語られる
逸話、挿話がごく自然に二行くらいで書いてあったりする。
それも数百という膨大な量で。
作中においては事実を淡々と記していながらも、
呪術めいたことがらが起こったりしているのだけど、
それに対する登場人物の驚きや受け止め方は戯画的で、
19世紀から20世紀にかけてのコロンビアの辺境を舞台に
しているにも関わらず、妙に中世的な俗信の世界のようだ。
メタ構造うんぬんも言われたり
してるけど、それはあまり重要じゃない気がする。
むしろ、欠落と過剰のある一族の奇矯な行動の
繰り返し繰り返しで時が経ち、
円環的な歴史が出来上がったかのようでありながら、
何の理由もなく消滅していくという大きな流れの方が
構成上の柱のように思える。
この本は読むのに気力が必要だった。
なんか吸い取られるようで…
11年ぶりの再読だけど、次に読むのは
たぶん20年くらい後だと思う。
それも読めるかどうか自信がない。
面白い小説かというと、それもよくわからない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
架空の都市、マコンドの盛衰の物語。
町を開拓したブエンディア家の、100年に渡る物語。
リアルに話が進むと思えば、空飛ぶ絨毯にのるジプシーや、布教の為に空中浮遊する牧師など、奇想天外なエピソードが織り交ぜられた複雑なタペストリーのような小説。
不思議と読み応えがある。 -
名前が覚えにくかったり・・・。初めて読んだ当時は中学生だったので、意味が分からないながらも、7,8歳で結婚するという少女という下りにものすごく驚いた記憶があります。
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2009年10月1日読了。面白かったけど、中盤以降は疲れた。
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ブエンディア一族の歴史と最後を描いた壮大な物語。
まるで旧約聖書を読んでいるような感じでした。
67年発表の作品との事ですが、少しも古臭くなく、とても面白く、そして寂しい。
この一族はまあ極端だけど、結局人って孤独よね、死ぬときも1人だしと再確認してしまいました。
タイトルに惚れて読みましたが、とにかく読んでおいて良かったなと思う1冊。 -
ブエンディア一族と彼らが創始した町マコンドの100年間に及ぶ勃興、隆盛、衰退の物語。絶妙な匙加減で日常に放り込まれる非現実的なエピソードが違和感なく交じり合い、気持ちいい。これは日本では安部公房や大江健三郎に見られるマジックリアリズムという表現技法だそうだ。一族の人生がいろんなレベルで反復しながら積み重ねられ、人類の歴史をなぞるように全体が構成されているが、そこから教訓めいたものは一切得られないところが好き。いやーよくできたコメディだったな。
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久しぶりにがっつりした小説を読みたくなり、
以前から読んでみたかった本を図書館で借りてきました。
「百年の孤独」です。
焼酎にも同じ名前があるけど、これからとってるんでしょうね。
青年ホセ・アルカディオ・ブエンディアは妻のウルスラとともに、未開の地、マコンドに村を作り、暮らし始めた。
そこからおよそ100年。
ブエンディア家の者たちの6世代にわたる物語が紡がれる。
基本的に孤独で不器用な生き方しかできないブエンディア家の人々。
その奇怪ともいえるエピソードの洪水がこの小説を形作っています。
気の毒な出来事も多いし、「えーっ、そんな馬鹿な?!」という話も多い。
でも、結構深いんです。濃くて深い。
おおむね彼らの孤独は「愛(情)の欠如」に起因しているのですが、
24時間365日、そして一生通じて愛に満ち足りた人などいないわけで、
彼らの生きざまにふと共感してしまう、あるいはどきりとしてしまう自分に気づきます。
それがいかに非現実的であろうとも。
南米のコロンビアが舞台として想定されています。
ロシア文学を読むと、ロシアの風土、ロシア人の気質がなんとなくつかめてくるのと一緒で、南米カリブ海沿岸の風土と気質が感触として伝わってきます。
こういう感覚って面白い。
読書がやめられないのはこういう面白さがあるからかも。 -
765夜
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松家氏推薦
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中1の時位に読んだ本。当時は難しくてさっぱりだったけど、読み返してみた。海外文学って訳によって相当印象変わるから他のもよまないと何とも言えないかな…