いちばんここに似合う人 (Shinchosha CREST BOOKS)
- 新潮社 (2010年8月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105900854
感想・レビュー・書評
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素敵。映画みたい。
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こちらでの評価が高かったので読んでみました。ちょっとダメな人たちの、でも誰にでも心あたりがあるような勘違いぶりが絶妙です。
グレイス・ペイリーの小説もこんな感じだったかも。 -
読んでいると日常で多くが自分の意思では無い所で決まっている事を感じてしまう。
それは、他人が決めてしまっているというだけではなく、自分が決められないあまりにという事も含めて。
そして人生に対するふがいなさを感じる。
けれども読み進めていくうちにこの作品はそれでもそこにいても良いんだだと語りかけてくれる。
人生の本来的な無意味さを語りつつ、読み終わった時にはその無意味さにどれだけの意味を加えることができるのかという事の、おかしみと悲しみとそして大切さを心に置いていってくれていた。
《2003年のメイク・ラブ》
人は肉体的にも精神的にもどこかへ向かう手段を持っているのだけれど、「どこへ」が決められないあまり、その身体であれ魂であれは自分ではないものに流されていくのかもしれない。 -
ミランダ・ジュライの新作試写状で初めて彼女の名を知る。著作もあるというし翻訳は岸本佐知子さんだ。読まずにいられるか。ということで読み始めた。
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映画を見た時と、ほぼ同じ印象。
「アタシ」たち「オンナノコ」の自意識。 -
この本がつくられている成分は、不可能な愛と、絶望と、可笑しみ。
イギリスのウィリアム皇太子が自分に夢中になる夢想をしている女だとか(「マジェスティ」)、決してめぐりあえない少女と恋に落ちる初老の男とか(「妹」)、男たち相手のライブセックスショーのために身につけたかつらで、自分を捨てたレズビアンの恋人に数日だけ愛される小娘だとか(「何も必要としない何か」)、いけすかないボスの妻に突然恋をする秘書とか(「十の本当のこと」)。この本に出てくる女たちの妄想する愛は、どれもこれもぶっ飛んでるうえに間が抜けてて、決して実現などしない類の愛だ。なのにその底にあるヒリヒリするほどの身体の痛みや絶望は、まぎれもなく現実のものと思える。泣きたくなるほど可笑しいアンバランスな生と性。
ある日突然、みんなから愛される機会があたえられるのにフイにしてしまう「その人」がお気に入り。 -
孤独をぐるりと周って、また戻ってきてしまうような、息苦しさと切なさで読み進めるのがつらかった。
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16の短編それぞれが、いろんな人々のいろんな心をスケッチしている。一見ラフなタッチで。時に読者をおいてきぼりにして終わってしまうけれど。 随所に見られるクールでユーモラスでイジワルな描写は、また読みたい気分にさせてくれる。
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ジタバタした。好きすぎて、ミランダ・ジュライの映画が好きだったから、これも絶対好きだと思って中身も見ずに買ったけどやっぱり好きだった。この友達いない感じが他人事とは思えない。
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少し不思議でエロティックで何だか切ない終わり方をする短編集でした。
終わり方が映画みたいなのがよかったな。
『水泳チーム』という老人達に洗面器ひとつで水泳を教える話
特に映像としてイメージできて面白く読めました。
ただ、16コもあると最後はおなかが一杯な感じになってしまいました。