あの素晴らしき七年 (Shinchosha CREST BOOKS)

  • 新潮社
4.18
  • (42)
  • (26)
  • (17)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 492
感想 : 53
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105901264

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • イスラエルで生まれたそのほかrあ、過去数隻にわたってヨーロッパで怒ったことは一連の迫害やポグロムに他ならないということを教わり、常識が支持するにも関わらず、そこで得た教訓は腹の中でわだかまり続ける。

  • 知人による「今年の暫定一位」との評を受けて。
    素晴らしいエッセイだし、ケレットという作家と出会えて良かった。他の作品も読みたい。
    子どもって偉大だなとも思う。レヴはどんなふうに成長してゆくのだろう。

  • ケレットは面白いなあ、今後のいっそうの翻訳と日本での紹介に期待する。遠い国イスラエルとユダヤ人社会が、日本人にとって身近になるだろう。
    息子が生まれ父親が死に息子は成長していく7年間。息子が生まれた病院にはテロの被害者が担ぎ込まれ、最後の短編ではミサイルが近所に打ち込まれる。両親はホロコーストを生き延びたユダヤ人だ。テロと戦争、宗教や人種の軋轢が「日常」であるイスラエルの状況の特異さを背景にしつつ、国も宗教も問わない普遍的な家族のありようが暖かく、ユーモラスに描かれてる。
    ケレットは誰を糾弾するわけでも非難するわけでもないが、イスラエルの「卵と壁」の「卵」の側にしっかりと立っている。

  • イスラエルに住むユダヤ人作家が、息子の誕生から父親が亡くなるまでの7年間、時系列的に語ったエッセイ集。

    イスラエル国内でおきている事実、海外で感じだ事、子供の成長、そして父親の病気、日々の生活。
    彼はしっかり時代を見続けていて、それを時にシニカルに表現している。しかしまた、彼の視点は優しく、自分に正直。
    その淡々とかかれたエッセイは非常に興味深く、また面白い。
    彼の書いた長編と、さらにいまの日々を綴っているエッセイがあるのであれば、リアルタイムで読んでみたい作家だと思う。
    一つ感じたこと、イスラエルに生活するということは、普通に爆撃や、ミサイル攻撃にさらされる可能性があるということ。それも生活の一部だということ。
    イスラエルが他国を攻撃することを、ただ悪者と決めつけることはできない。
     

  • ほんの数ページの掌編エッセイで、笑わせてしんみりさせる、なんだか職人芸を見ているかのような珠玉のエッセイ。

    息子が生まれてから、父が亡くなる間の七年間の日常を切り取っている。

    自分ながらに恥ずかしいのだが、あらためてイスラエルでも当たり前の日常があり、人々は普通に暮らしているのであり、愛し合ったりふざけ合ったり悪口を言い合ったりして生きているのだ…と実感した。本当に恥ずかしい。

    ああ、でもやっぱり、イスラエルは戦時下なのだ。
    ばかばかしくも愛らしい両親と幼子の「パストラミ・サンド」ごっこ。ママが地面に伏せ、上に息子が乗ったその上にパパが乗って「パストラミ・サンド!」と叫ぶ。
    楽し気なこのふざけっこは、空襲警報が鳴ったため、道端で伏せなくてはならないからだ。警報が鳴って「キンチョーしちゃう」息子のために。
    自分の家からそう遠くないところに墜ちた爆弾のかけらを拾えたらいいな、と思っている息子。

    この作家、2014年に文芸フェスのため来日していたそうだ。ああ悔しい。話を聞きに行きたかった、本当に。

  • 自伝的エッセイ。家族。イスラエル。ユダヤ人。『波』にて。掌編小説のように綴られた7年間のエッセイ。世界各国で翻訳され、日本語版は20番目の兄弟。父母兄姉、妻息子、友人知人、そして自分を取り巻く世界の厳しさやしんどさを綴っているのに陰鬱じゃなく、ユーモアがあふれてる。全世界の人がこれを読めばいいんだ。きっと心に火がともる。

全53件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1967年イスラエル生まれ。両親はホロコースト体験者。92年『パイプライン』でデビュー。『突然ノックの音が』は世界40ヶ国以上で翻訳。『あの素晴らしき七年』『クネレルのサマーキャンプ』など。

「2019年 『ピッツェリア・カミカゼ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エトガル・ケレットの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
西 加奈子
イアン マキュー...
リチャード パワ...
ジュンパ ラヒリ
ジョン・アーヴィ...
スティーヴン・ミ...
J・M・クッツェ...
ジョン アーヴィ...
ジョン・ウィリア...
ミシェル ウエル...
堀江 敏幸
リュドミラ ウリ...
トーン・テレヘン
岸本佐知子
レアード・ハント
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×