- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106101939
感想・レビュー・書評
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購入者:梅村 (2007.6.7)
ビジネスの具体的なヒントと言うよりは、ウェブという第2の社会が存在するようになって、人間はどのように変化し、またこれから変化していくのかという内容の対談を纏めた本です。これからの人の行動心理などに無視できない内容が含まれていそうなのですが、なにぶん平野さんの語り口調が難解すぎて、しっかりと伝わってこなかったのが難点です。
貸出:下司(2007.10.17)返却(2007.10.22)ウェッブ進化論がきっかけとなり著者の梅田さんと作家の平野さんの対談をまとめた本。ウェッブ進化論を読んでから面白かった人はこっちも読んで下さい。
貸出:丸橋(2007.11.19)
貸出:矢北(2008.2.12)返却(2008.4.30)
ネット社会がどのように人を変えていくのか、可能性、方向性を考えるあくまで要素をひとつ自分の中に入れ込むという意味で読むと良いとは思いました。
貸出:今倉(2008.6.12)
ちょっと自分とかけはなれた世界と人の話のように思えて、読むのが難しかったです…。ウェブで人や社会をいままで変えた人や今から変えていく事のできる人たちはすごいなあ…と雲の上の人のように思いました…。「進化論」を先に読めばよかった…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『決壊』を読んでこちらへ。冒頭に「インターネットが人を変えるのであればどのように変えるのだろう」ということに興味があると書いてあって、なるほどと思った。
ブログをやっている人を5つに分類していて、彼は特にリアル社会と乖離しているタイプに関心を示している。
リアル社会とネット社会を同時に生き、そこに齟齬がない梅田望夫が語る内容は、『ウェブ進化論』と同じく楽観的立場。
瀬戸内寂聴が「紙の本なんてもうすぐなくなるんじゃない?」と言っていたという箇所もあり、そうした予見が彼女をケータイ小説にも向かわせたのだろうと思った。
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ウェブ進化論の後、読んだので割合つかみやすい内容。
これもまたまた後で。 -
mixiを紹介してくれた後輩は、いとも簡単にマイミクを増やしていく。
一方、俺(1971年生まれ)は知ってる人(リアルな人間)意外中々増やすことができない。
これは、生まれた時代、育ってきた社会環境がそうさせるんだろうか。いやいや性格でしょう。
そう思ってるうちはこの進化に付いて行けてない証拠なのでしょう。 -
・ネット空間が自分の分身となる
・言語圏の壁は日本をネット界で孤立させる
・米国の大学生SNS「freebook」
・ブログには5つのタイプがいる
リアルとの隔たりがないもの
リアルでは表現できない自分の強みをネットで表現する人
日記
普段の私生活で抑圧されていて語るこの出来ない内心の声
ネットだけの人格を新たに作ってしまう人達
・検索数の少ない空いているワードを探してビジネスにつなげる
ウェブを通じて人の生活がどう変わっていくのかを会話形式で掲載したものです。
私個人として印象に残ったのが、まず一つ目にブログには5つのタイプがいると表現していたことです。
私は、日記の中でだけ元気な人は苦手なのですが、この本を読んでその原因を解明することができました。
圧迫されているというほど重くはないけれど、みんなの会話の中心にいたい。もっと目立ちたいと日々思っている人が
反動でミクシィやブログ上で過剰に元気になっているのではないのかと思いました。
全体として、会話形式なので、退屈なところも少しありましたが、この本を読んだおかげでネットの長所短所を中立的な立場で
とらえることができるようになりました。
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田中より寄贈。ウェブ化社会に関して、IQ高めの人たちが理屈をこね回しあっている本。
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ウエブ進化論には、ネットによって現在新しい社会変革の波が教えているということを中心に書かれていたが、
ウエブ人間論では、ウエブの進化によって人の意識や行動がどのように変化していくのかというのが書かれている本である。
梅田さんの発言で興味深いものを挙げれば、
今までの「エリート対大衆」という層から『ネットによってこの社会が三層に分離していく』との発言。
というのは、小さなコミュニティで認められた良質な情報やもの、そして人が技術的進化もあいまって自動的に浮かび上がってくるシステムがたんだん出て来つつあるという。そして、『潜在的な能力が高いけれど、ただ今は社会的に沈没しているという人も結構たくさん世の中にはいて、特に日本社会にはそういう人たちが浮上するメカニズムがな』かったが、『ネットでそれぞれが筋の通った発言していくことで世の中はずいぶんよくなっていくのではにない』か希望を抱いている。 -
'06.12.15購入
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有名な芥川賞作家とウェブ進化論の著者という、一見異色にも思える組み合わせ。
対談様式になっている。なかなか面白い作品です。 -
インターネットの普及によって、人間がどのように変わっていくのかということについては自分も以前から関心がありました。会社に入ったときからパソコンを使って業務としていた私は、時々ふとパソコンがないときの時代の仕事ぶりってどんなだったの?とか、今自分はメールで仕事先の人とやりとりしているけど、これってメールがないときは、全部電話と郵便でやりとりしてたのかな?とか答えを見つけようともしていないのに思うことってあったんですよね。そんな疑問の答えは会社の上司や親父に聞けばいいだけの話なのでたいしたことではありません。でもこの本を読むきっかけにとしてよかったかな?って思いますね。
ウェブシステムやインターネットテクノロジーの技術的発展よりも、それを利用する人間の変化に関心があった私には新鮮で勉強になるところの多かった本でした。株式会社はてな(http://www.hatena.ne.jp/)取締役の梅田望夫氏(http://www.mochioumeda.com/)と芥川賞受賞作家の平野啓一郎氏(http://www.k-hirano.com/)の討論。異種格闘技戦のような気もしましたが、どうしてどうしてこれが面白いです。ネット用語に疎いわたしでもとても読みやすかったです。対話形式なのも味噌。ネットの権化にも感じられる梅田氏に平野氏が正面突破で突っ込んでいるところも遠慮がなくて◎。本から考えたことはたくさんありますが、いくつかにまとめてみると…。
【面白いと思った所】
・ネット上の自分を分身を捉えるがゆえに、(家のかぎ閉めたかとか、ガスの元栓閉めたか、と同じように)心配であること。要はネット上の自分がいじめられていないかな?などの自己防衛反応に近いもの。
⇒確かにネットでは匿名性の議論から「分身」ではなくて「別人」とか「別の人格」などの方面にネット議論が最初に向いてしまっていたかな?ってふと思いました。思い出そうとしていました。
・ネット上のソースが外部記憶として存在・蓄積されていくことで、情報の収集能力は飛躍的に高まる。教育者はそれらを構築する力を見極めることが重要。
⇒外部記憶装置としてネットが存在しているため、今までは専門家しか知りえなかった情報を一般人が容易に知りうることが可能になったこと。それが場当たり的で使い捨ての情報であったとしても学校で生徒が教育者に優越感を抱ける場面が増えるとの仮説が出ていた。
・ネット上で行われることには実体性(=身体性)が伴わない場合があるため、責任能力を実感しにくい。
⇒この身体性の言葉で思い出せるのは養老氏の『唯脳論』(http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480084392/)。ネットを通じて視覚・聴覚が距離を越えることに成功したと思うのですが、嗅覚・触覚・味覚はまだ距離を越えられていませんよね。そんな事実から、養老先生の提唱したこの概念に関係する人間の身体性とネットの関係に関心が広がっていきました。
・ネット上で公開される情報に使用される言語に英語・仏語が多い場合は、現実世界の大陸とは別の、言語の使用頻度を基準とした言語大陸が出来上がる。その世界で圧倒的に英語が多いのであれば、日本はネット上でも孤立する。
⇒植民地時代の宗主国を被支配国が、この言語大陸を通じて、過去の悲惨な歴史とは別の形でリンクすることも可能になるとの指摘には、過去にその線をたどれば可能になるものもあるかもしれないと考えさせられた。
…などなどがありました。おぉ、すごい!という発見よりも「なるほどな」と思考を整理できる書籍かな、って読み終えて思いました。ウェブ進化論を読まずにこの本に手を出したのですが、文学者である平野氏とITパイオニアの梅田氏の討論は私たち人間がネットの力によってどのように思考が変化するのかを考える上ではとても参考になるものでした。
私は、ハーバードビジネスレビューの06年8月号に書かれていたローレンス・プルーザック氏の「世界はまだフラット化していない」を読んでから、ネットによる利便性の向上や外部記憶の発達スピードは認めるものの、それが人間一個人に内包されうるには知識化で必要であることのほうが強く印象に残っていました。 そのおかげなのかもしれませんが、単にネットによる思考の変化だけではなくて、ネットによって人間に持たされるものが現実世界でどれほどの応用可能性を秘めたものなのかの限界を含んだものである可能性も知っていた上で読み進めることができたことに価値があったのではないかと思います。
こういう本だからこそ、早めに読んでおいた方が良いのかもしれません。もしくはしばらく時間がたって、ここに書いてあることも遺産か陳腐化した過去の技術とみなされたときに、昔を懐かしむときに読み返してみるか。本当にこの本を自身の生き方に役立てたいのであれば、賞味期限の切れないうちに早めにお読みいただくことをお勧めして、感想文の終わりとさせていただきます。