死刑絶対肯定論―無期懲役囚の主張 (新潮新書)

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著者 : 美達大和
  • 新潮社 (2010年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106103735

死刑絶対肯定論―無期懲役囚の主張 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

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  • 2件の事件で2人を殺害した無期懲役囚の筆者。ここでは冤罪があるから死刑廃止という議論はやめておく。大事なのは被害者の生命権。加害者の人権や、死刑囚にも人権があるというわりには、被害者の人権(生命権)と遺族の人権への配慮が欠けていると思われる死刑廃止論者。例えば、生きたままドラム缶に入れ灯油をかけて焼き殺した加害者が生きている事自体公平のなのか?何の過失もない人を1人、2人、3人・・・と冷酷に殺す加害者に死刑以外の刑罰が考えられるのか?殺害方法・動機によっては、法の正義を満たす為に、遺族の意志に拘らず、見合った刑罰を科さなければならない、それが死刑ではないか?
    終身刑の話がでて来るが、社会に出る可能性が無い終身刑の受刑者は自暴自棄になるのは必至。どれだけ罪を重ねても死刑にはならないと言う事は、受刑者にとってやりたいようにやれ、と言っているのと同じ。それに職員に危害を加えるリスクも高い。

    欧米では主流だからというが、そもそも宗教を背景とした死生観が違う。終身刑=思考停止、ただでさえ反省しない受刑者が己の罪に向き合って改善を促すことはないだろう。人権人権と叫ぶ人は社会復帰の希望のないまま長い間生きるということがどういう事なのか分かってるのだろうか?

    非常にリアルな話で納得させられる内容。ただ、かなりの読書家と言う筆者だが、語彙も豊富で文章も上手い。本当に無期懲役囚なんだろうかと疑問・・・・

    因みによく裁判で出る『つい、カッとなって・・・殺す気ではなくて・・・』という台詞。これは嘘だと。最初の一撃で殺意はなかっとしても、その一撃だけで死亡する被害者はほとんどいない。何回も何十回も殴打や暴行を繰返しての結果。途中から明確な殺意、あるいは殺すかもしれないという未必の故意はある。

    これは俺もそうだろうと思ってたw

  • 【読書感想】「死刑絶対肯定論 無期懲役囚の主張」 美達大和

    計画的に2件の殺人を犯し、自ら死刑を求めるも無期懲役に。
    そこから刑務所生活20年以上(仮釈放を自ら放棄し現在も服役中)となる著者が、刑務所の実際と死刑の必要性について語っている本です。

    別に私は死刑が絶対必要だ考えてるわけではありません。
    っていうか死刑について真面目に考えたことなんかこれまでありません(笑)
    ただただこの著者に対する興味です。
    だって、気になるでしょ?!
    2件の殺人を犯した現役の無期懲役囚が獄から本を出版してて、頭も良くて、しかも死刑肯定してるんですよ。
    何者だ、こいつは?
    ということでKindleでポチッとしてしまいました。

    元々HONZというサイトでこの人の著書「女子高生サヤカが選んだ1万人に1人の勉強法」というのが紹介されてて、
    作者に興味をもったのが始まりです。
    この人、相当の読書好きで、社会にいたころは月に100冊以上の書籍と、数十冊の雑誌などなどを読んでいたそうです。
    獄のなかでももちろんたくさん読んでて、お勧め本を紹介するブログまであります。
    で、頭も天才的みたいです。(と、どっかのサイトで書かれてました。)
    ホントに天才的なのかはわかりませんが、この本読むだけでも語彙力は半端ないということはわかるし、法律などにもやたら詳しい。
    (獄にいて調べものも大変だろうに。)
    まぁ確実にバカでないんだろうな、ということはわかります。

    じゃあ頭だけよくて社会性のないコミュ障なのかというとそういうわけでもないようで、社会にいたころは金融系の会社をやってたり、優秀な営業マンだったり、かなり羽振りよかったみたいです。
    あと結婚してたりもしたみたいです。
    (まぁだからといって本当にコミュニケーション上手かはわかりませんが、少なくとも文章からはコミュニケーション上手であるようにみえます。)

    ホリエモンも刑務所の様子を書籍やらメルマガでリアルタイムに発信していて、それにも結構衝撃だったんですが、この人、人殺しですからね。。。
    結構すごいことよね・・。
    人殺しが刑務所にいて何冊も本を出すって。

    この人の書いたものを見てない時は、
    「人殺して服役中のくせに、本をたくさん読んだり、本を出したり、なにこいつ?!殺された側の親族がみたらムカつくだろうに。」
    と、若干の嫌悪感もあったのですが、実際、本を読んでくと、知らぬ間にそういう嫌悪感はなくなっておりました。

    なんでかというと、この人が語る刑務所の他の人たちが本当におぞましくて・・。
    それと比べると、罪は償えないものの、自分のやったことのひどさに気付いて、生涯、獄の中で反省することを決めた著者が、まだまともにみえるからです。

    イヤーー、死刑とか真剣に考えたことないけど、この人の言う通りなら死刑はなくしちゃダメだよねー、と私は思っちゃいました。
    以下、刑務所のなかの人たちのことを語った描写です。

    彼ら殺人犯には、罪の意識や悔恨の情は乏しく、尊い他者の生命を奪った重荷を背負った者、心に闇やどろどろしたものを抱えて生きている、という小説やドラマに出てくるようなことは全くありません。
    どろどろどころか、カラッと乾燥した砂のようにサラサラし、風に流されるがままというのが相応しい気がします。
    パラドキシカルですが、己の利得・エゴの為に他者の生命を奪ったことに対し、何ら痛痒も覚えず、時に被害者を恨み、未来にヴィジョンをもたず、怠惰に暮らす者達だからこそ、本人も自覚し得ない心の闇を抱いているのかもしれません。(本文より引用)

    しかし、自分が他者を殺めた事実については、事情が変わります。殺すことは悪である、だが、自分の犯行には理由があり、加えて被害者に非があると平然と言う者が半数以上です。
    強盗に入った者は口を揃えて、その場に居合わせた被害者に運がなく、素直に金品を渡すことなく、大声で叫んだり、抵抗したり、命令口調で制止したことが悪いと非難します。これが平均的な弁解です。(本文より引用)

    殺人という行為に対しては人は心理的抵抗を持つ筈ですが、二回目の時は、初めての時に比べ、その抵抗が著しく低くなっていることが、自分でもよくわかりました。
    また、ここにいる同囚達は、既に殺人を経験していることもあり、次にその時がきたらこうしよう、ああしようと、こうすれば発覚しないだろうと、まるでスポーツか何かのように明るい表情で話しています。
    「反省がない」ということは、こういうことを含んでいるのです。人目を忍んでこっそり話すのではなく、明るい表情で話すということに、おぞましさを感じませんか?(本文より引用)

    一度殺人を犯し、無反省な者には、人を殺すという行為に抵抗はありません。彼らの中には、既に出所後の犯行計画を企図し仲間を募っている者、メディア等を利用して次のターゲットを物色しているものもいます。(本文より引用)

    「同じ人殺しが何いってんの?」という突っ込みはおいといて、本当に恐ろしくないです?この中にいる人たち。

    まぁこの人が入っている刑務所はLB級といって刑期の長い(要は罪の重い)人たちのところなので、も少し普通の刑務所なら反省している人もいるのかもしれません。
    でも、ほとんどの人は反省なんてしてないし、反省していても周囲の感覚に流されて反省しなくなると著者は述べています。

    確かに、一般社会でも、何かの物事に対して反省する人は反省するし、反省しない人は何やっても反省しないものね。
    そのラインが殺人の上にあるか下にあるかの話なだけで殺人犯も一般人も、実はたいしてかわらないのかも。
    殺人はおかしてないけど殺人犯と同じような(というと大げさだけど)その場しのぎの嘘とか自分だけにしか通用しない論理での言い訳する人は世の中にたくさんいますし。
    言い訳のレベル感なんて結構簡単に下げられるからねぇ。

    伊坂幸太郎作品にたまに出てくる真性悪!みたいな人は残念ながらやっぱり本当にいるわけで、それが本当に怖いし悲しいなぁと思いました。

    ホリエモンも刑務所にいるときに、「社交性もあって、気配りもできて、普通に社会でやっていけそうな人が、遊びにいくみたいな感覚で強姦をしてて捕まって、で勿論反省していないという人がいた」と言ってますしね。
    なんだかね・・・。 暗澹たる気持ちになりましたわ。。

    私、選挙の時期とかなんかの事件があったときとか「自分が独裁政権の王だったら」という妄想をよくするんですが、
    この本を読んで、とりあえず思い付いたのは「強姦した人のブツは切る」ですね。
    (職場の人に言ったら「冤罪だったらどうする?」と言われてしまったんですが(笑))

    楽しいですよ、この妄想。
    あとワタクシ政権には「政治家の半分は立候補でもう半分は年代別の無作為抽出」っていうルールとかもあります(笑)
    言っとくけどアラはたくさんありますよ!
    それを指摘するのは野暮ってものです。妄想なんだから。

    刑務所ってところは、衣食住が確保されていて、不自由はあるもののなれてしまえばそれなりに楽しくやれてしまう所なようで、食べるものや寝るところに困って、また犯罪に手を染めるしかない社会と、どっちがマシなんだろうなぁと思ってしまいます。
    容疑者Xの献身を読んだときも思ったんだけど、自分だけの知的世界を持てる人にとっては刑務所はむしろ居心地いいのかもなぁ。
    この人の話を読んでるとなんだかそう思えます。

    塀のなかに興味がある方、
    この作者に興味のある方、
    裁判員になった方、
    妄想好きの方、
    などは読んでみてください。
    なかなか刺激的。

  • 前回のブログでも紹介いたしましたが、著者は2件の殺人を犯し、現在も服役中の無期懲役囚が
    『LB級刑務所』という中で囚人の実態から読み取った、現行の日本の刑罰制度に対して異を唱えた書である。


    内容は多岐に渡り、受刑者の感情、刑期の長さ、死刑制度、被害者の生命権、遺族の感情、
    裁判官、判例、行政(法務大臣)、施設人員、更生など実態を基に深く考察され意見を提示されている。

    詳細は本書を手にとってじっくりと読み解いて行っていただきたいと思いますが、論理的に事件と残虐性と被害者、遺族の側からの目線、受刑者の実態を鑑み非常に丁寧に納得感の高い内容となっている。


    いくつか一般的な国民との認識に乖離がある部分としては、およそ殆どの受刑者に『反省の色』がない点が挙げられる。
    裁判中では反省の意を述べる事が多く、少しでも刑期を軽くする為にあらゆる機会を使って画策する事。
    虚偽の弁解は常態化し、反省どころか、被害者に非があるかの如く考えている者が多数という事に愕然とした。
    これは実際の著者が本人の口から聞いた言葉を脚色せず書かれている。

    そういった現状があるにも関わらず、現在は加害者の人権インフラが加速しているという。
    その結果、「自由」とは言わないまでも「衣食住」には不自由せず、テレビなどの娯楽も多く、
    「悪党天国」になっているという。
    それは、毎日笑顔と笑い声が絶えないという記述から明らかである。

    そうした現状もあり、法制度にも疑問があり、再犯率をとってみても、およそ更生などとは程遠い事が明らかである。
    統計によると戦後の再犯が7割も超えるという。

    これは、受刑者にも勿論あるが、法にも問題がある。
    刑期を終え出所したとしても、帰る家もなく、お金もない。
    どうだろう、火を見るよりも明らかではないだろうか?

    また、施設内で職業訓練はあるが、社会で通用するレベルには不十分だという。
    長期刑務所の受刑者は時間はあるので、出所した後仕事を職人レベルでできる技能を身につけ、
    住む場所とある程度のお金ができれば、再犯率も下がってくるのではないか?

    そうする事により、社会防衛という観点からもメリットがあると思う。


    他に驚いた事が刑期の決め方と死刑執行に関してである。
    例を出すと下記はある二件の事件の比較である。


    ①加害者…大学生
    強盗殺人で2名を刺殺。金銭を5万円盗む。反省なし。求刑は死刑。被害者遺族に8000万円を支払う

    ②加害者…未成年
    強盗殺人で1名を刺殺。求刑は無期懲役。

    ①、②ともに判決は無期懲役。
    ①の理由は、「親が被害者遺族に8000万円支払っており、被告人は大学生であり将来の更生が見込まれること」としている。
    本人が反省をして居合ということは裁判中で本人が述べている事からどうしてそのような結論に至ったのでしょうか?

    ②の理由は、「更生の可能性はあるが、重視すべきは犯行の行為責任」であるという。

    これでは量刑も命もお金で買える。
    これで現在の法が正しいと言えるであろうか?
    「更生の可能性の有無」で判決を下す事が正しいのか甚だ疑問である。


    死刑執行についても同様、その時の法務大臣の意向で執行の有無を決める事ができる。
    普通に考えておかしいと思いませんか?


    他にも考えさせられる記述が多く、トイうより本書をマーカーペンを片手に読んだが、
    マーカーばかりになってしまった。
    ページ数は約200ページだが、凄く大事な事が書かれている。

    他人事とするのでは無く、日本人全員がこの現状を見つめ考えていく必要があると思う。
    http://profile.livedoor.com/book_dokushonikki/

  • 美達大和(みたつやまと)
    著者は2人の人間を殺めたことにより、無期懲役で刑務所服役中で、刑務所暮らし20年弱。

    その著者が語るのは、普段知ることのできない”塀の中”の実態と死刑肯定について。そして、現状の更正システムをどのように改正させたらよいかについて提言をされている。

    刑務所暮らしについては具体的なことはあまり書かれていないが、受刑者の実態・心情についてはしつこく書かれている。
    加害者のほとんどは、反省をしていないということが何度も書かれている。(彼によると、反省しているのは1%程度だという。)
    また、受刑者感覚としては10年20年の刑期は「あっという間」とのこと。
    その中では反省よりも、むしろ慣れが生じるらしい。
    出所しても、再犯を繰り返す人が多いとのことだ。

    現行のシステムでは、懲役刑によって彼らを更正させることは無理であるように論じられている。
    死刑を肯定する論拠としては薄いように感じた。
    が、それは、著者の刑務所暮らしと、多くの加害者と接した肌感覚によるものであって、それはそれで貴重なものに感じた。

    自分としては、死刑の是非について深く考えてきていなかったので、これが切っ掛けになればいいと思った。

    毎月100冊あまりの本を読んでいる著者による解説は丁寧だが、やや反復が多くてたびれた。

    著者は自身の犯行と囚人としての生活の手記を出されているらしいが、そちらの方がきになったので、機会があれば読んでみたい。

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    【内容(「BOOK」データベースより)】
    哀しい事実だが、犯罪者のほとんどは反省しない。監獄法の改正後、「自由」になった刑務所では、今日も受刑者たちの笑い声が響いている。裁判では頭を垂れるも内輪では「次は捕まらないよ」とうそぶく彼らを前に、何をすれば良いのか。犯罪者を熟知する著者は、彼ら自身を「死」と向き合わせるために「執行猶予付き死刑」を導入せよ、と説く。現役の無期懲役囚が塀の内側から放つ、圧倒的にリアルな量刑論。

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    【目次】
    はじめに
    第一章 ほとんどの殺人犯は反省しない
    普段は大人しそうな人が……/放火、強姦による殺人犯/計画的な強盗殺人犯は「極悪」/喧嘩による殺人/暴力団同士の殺人/気が小さくても人殺しになりうる/倫理も道徳もない連中/他者への共感意識が希薄

    第二章 「悪党の楽園」と化した刑務所
    イメージと大きく違った現実/新法の施行で待遇が一変/人権派が見落としていること/「経済」の観念が欠けている/受刑者にとって犯罪は「効率」がいい/人生の最期を考えさせる/職人の養成にはちょうど良い場所/報奨金をプールして出所後の生活をイメージさせる

    第三章 殺人罪の「厳罰化」は正しい
    一〇年一五年は「あっという間」/被害者の命が軽すぎる/加害者の更生より被害者の生命権を/罪が軽すぎる幼児虐待殺人/ヴェテラン受刑者にとっては「遊びに来ている」感覚/アメリカ・イギリスの量刑制度/実情にそぐわない『永山基準』/違和感の残る判決/死刑基準の再設定を/一度人を殺すと殺人の心理的抵抗が減る

    第四章 不定期刑および執行猶予付き死刑を導入せよ
    反省の度合いを徹底的に測る制度/まず自分自身と向き合わせる/長文のレポートを書かせる/「目標」を持たせる/被害者への賠償を法制化する/刑務所職員の絶対数が不足している

    第五章 無期懲役囚の真実
    平均服役期間は三〇年以上/「無事故」でいるのは難しい/無期囚同士の奇妙な連帯感/「反省」によって仮釈放に差を設けよ/将来の展望がない者がほとんど

    第六章 終身刑の致命的欠陥
    囚人を「効率的」に使った明治の日本/欧米の終身刑/終身刑の受刑者は反省しなくなる/刑務所の風紀が悪化する/終身刑は「思考停止」の産物

    第七章 死刑は「人間的な刑罰」である
    私が出会った二人の死刑囚/死刑囚との対話/死と向き合うことが改悛の情につながる/「世界の潮流だから」は理由にならない/犯罪抑止効果は条件によって変わる/冤罪の問題/「犯行の態様」を熟視せよ/遺族の苦しみは一生続く/粛々と執行せよ

    第八章 無期懲役囚から裁判員への実践的アドバイス
    「再開」した裁判員制度/「更生の可能性」は考慮しなくていい/被告人の表情を見逃すな/被告人は法廷でウソをつく/「裁判員のカタルシス」より「犯罪行為の責任」を/死刑の求刑を恐れない/裁判官個人の心情に流されない
    おわりに
    ----------------

  • 一読の価値ありです。この人しか書けない感を強く感じる。しらない世界の本。

  • これは合わなかった。 『人を殺すとはどういうことか』の延長(というか重なる部分が多く更にあっさりとまとめられている感じ)で、提言を主とした内容。 読み物としては『人を殺すとは~』の方がおもしろい。 あーだこーだ言ったところで制度は変わらない気がするし、自分には関係ないと思ってしまう。 私には興味がないというのが正確な表現か。

  •  二件の殺人で無期懲役となり服役中の著者が執筆したという異色の一冊。本人は確信的に犯行に及び、死刑になるつもりだったのに無期懲役になったそうだ。長い獄中生活でありあまる時間を費やして、自分の犯した罪についてのみならず、刑務所や刑罰のあり方についても考察を深めている。

     彼が収容されているのは長期刑(十年以上)で重罪の懲役囚のみが対象となる刑務所だそうで、本書の多くはそこで見た囚人たちの実態を描写することに割かれている。曰く、彼らは普通の人とは犯罪に対する感覚がまったく異なり、反省などするものは皆無に等しいそうだ。だから終身刑は意味がなく、誰にとっても苦痛でしかないという。

     殺人犯といえどもすさまじい読書家のようで、文章はかなりの知性を感じる。加えてさすがに「実態」を誰よりも知る人の言葉だけに、強烈な説得力を持って迫ってくる。私個人としては本書読後もやはり死刑廃止派なのだが、ここにある主張もひとつの正論なのだろう。

  • 最近の犯罪を見ていると、出所して来た人が本当に罪を償ったと言えるのか、獄中で何を考えているのか疑問に思う事が多いが、この本に答えがあるのかもしれない。更生の可能性を考慮する必要など無いと言い切る著者の意見にも説得力がある。今まで見えていなかった部分として、死刑制度、無期懲役について考える参考になると思う。

  • 【2015年4冊目】
    とても良かったです!著者はとてもキレる人です。教養の深さや論理性は読めば分かります。
    なぜこんな人が2件も殺人を犯した無期囚なのか…この人の能力があれば、社会で何だってできたろうに…。
    残念でなりません。

    私個人としては死刑制度には賛成です。この本に出てきた反対派、賛成派それぞれの論拠も概ね把握していました。
    だけど、ここまで論理の整った賛成論は見たことがなかったこと、美達大和という人について読み進める程にどんどん興味が湧いてきたこと…などからありきたりなテーマではありますが★5つの評価にしました。

    興味がある方は是非!

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死刑絶対肯定論―無期懲役囚の主張 (新潮新書)の作品紹介

哀しい事実だが、犯罪者のほとんどは反省しない。監獄法の改正後、「自由」になった刑務所では、今日も受刑者たちの笑い声が響いている。裁判では頭を垂れるも内輪では「次は捕まらないよ」とうそぶく彼らを前に、何をすれば良いのか。犯罪者を熟知する著者は、彼ら自身を「死」と向き合わせるために「執行猶予付き死刑」を導入せよ、と説く。現役の無期懲役囚が塀の内側から放つ、圧倒的にリアルな量刑論。

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