フラッタ・リンツ・ライフ

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120037399

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  • スカイ・クロラシリーズ
    3番目に読む
    世界観は大方理解できたが、本作は主点が変わる
    キルドレという、大人にならない人間の存在
    その対比として人間について
    普通の自分について考えさせられる
    その点は興味深い
    しかし、メカニックな部分には関心がないので、少々斜め読み

    ------以下作中より--------------------------------------------
    大人は子どもに嘘を教えている。何故か?それは、自分たちが醜いことを知っているからだ。
    醜いと気がついているから、子供たちから隠れてしていることがある。何故隠れてまで、そんなことがしたいのか。
    それは、醜いことが好きだからだ。好きなことを隠れてしなければならない奴らなんだ。ほら、可笑しいだろう?

    結局、大人って奴は、自分が好かれたい、という動機しかもっていない。
    だから、自分を好きになってくれる可能性のあるものにしかアプローチしない。
    そういうふうに出来ているのか、あるいは、そういう気持ちしか、働かなくなってしまったのか。
    ようするに、ほかのいろいろな感覚が錆びついてしまった、ということだろう。

    愛情という名の神様を信仰している宗教なのだ、と僕には思える。
    それを信じる者には、確かに存在するのだろうけれど、一度疑ってしまえば、もうどこにも実体のない、それどころか、現象としてもありえない、虚構だと気づく。

    人は他人に対してなにもできない。どんなに優しい言葉をかけても、愛撫して抱きしめても、なにも救われない。他人の命に関わることはできないのだ。
    唯一の例外は、その人間を殺すことだろう。

  • というわけで、買って参りました。読んでみると、ふーんなるほど、という感じ。
    ネタバレになるので、あまり詳しいことは言えませんが、「人はなぜ生きるのか」「何のために?」という問いに対する、森博嗣氏なりの回答だったのではないでしょうか。

    真賀田四季&犀川創平風に言うと、「(私たちは)どこから来た? 私は誰? どこへ行く?」「貴女は、貴女から生まれ、貴女は、貴女です。そして、どこへも行かない」(『有限と微小のパン』より)といった感じでしょうか。

  • なにもほしくない。
    誰のためでもない。
    誰も褒めてはくれない。
    ただ、飛び続けたい。
    僕が僕であり続けたい。
    生きているかぎり。

  • キルドレ、クリタ・ジンロウのお話。先に5作目を読んでしまって「?」だった部分に、少し納得がいきました。1作目ではほんの脇役だと思っていたのですけどね、彼。重要人物だと念頭において全作読み返したら、きっと「!」になるところがまだまだありそうな予感。

    スピンアウト、「スカイ・イクリプス」を読む前に、再読を希望。

  • クリタとクサナギの物語。

  • 澄んだ小説でした。

    なにも欲しくない。
    誰のためでもない。
    誰も褒めてはくれない。
    ただ、飛び続けたい。
    僕が僕であり続けたい。
    生きているかぎり。


    紫色をした、美しい雲海の写真が表紙。
    飛行機乗りの少年の話。飛行機に関する言葉の意味はわからないし、世界観も明確に掴めなかったけど、読めました。
    淡々としていました。

    何にも執着しない。
    生き死ににも。
    飛ぶことだけを求めている。

    「飛行機から降りて、地面を歩いているうちに憂鬱になってきた。心配事を探して気持ちを沈ませるのが、地上の傾向、つまりは重力の作用なのではないだろうか。飛ばないようにできているのだ。躰も精神も、どちらも重くしておけば、飛ばない。飛ばない方が安全だから。」

    重い気持ちを抱えているから、安全な地上にいられるのだな。
    時々は飛びたいけど、そんなあたいの一過性の軽さなんてなにさね。

  • 切ない。

  • 時系列順に再読

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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