フラッタ・リンツ・ライフ

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120037399

感想・レビュー・書評

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  • ずいぶん前に読んだため覚えていない。
    とりあえずここまでは謎も特になく爽快感に溢れた本であったことだけは確かである。

  • ―ただ、飛び続けたい。僕が僕であり続けたい。生きているかぎり。


    美しさが見たいのなら。
    生きていることを感じたいのなら。
    その死以外に、美しい死はない。

    革命の夜に涙を流し、血の味を知る者だけが叫ぶ。
    待っていろ、今にこの手に貴様の首を掴んで見せると。

    偽りで作られたものを破壊し、耕し、そして、幻の種を蒔け。

    なにも生まれない。そう、なにもかも、すべては幻想。

    戦う者だけが、少なくとも人間の幻想に触れることができる。
    それ以外のすべては、大人という生きものが腐った泥で作り上げた偶像だ。

    お前は泥か?
    確かめたいなら、戦え。
    自分が何者か知りたいのなら、死ぬまで戦え。
    ひび割れて、朽ちる前に。


    クサナギとクリタの物語。

    クサナギは言う。
    『どのダンスのどのステップで死ねたかって、毎晩考える』と。

    スカイクロラで、カンナミに『いつ自分は死ぬと思う?』と聞いたクサナギと、いつなら死ねたかを考えるクサナギ。
    彼女の変化は内面だけではなかった。

    萩原規子さんは解説でこう語る。
    《キルドレがその手に握っているのは、生きる力ではなく、死とたわむれる力だ》
    だからこそ、美しい。
    《美しいフォルムを見出す力は、「死」の手触りに通じているものだ》と。

    彼らにとって、生は希薄なのだ。

  • 『スカイ・クロラ』シリーズ。

  • 2009.12.29 読了

  • 「愛情を信じて恋人を愛撫するものも、勝利を信じて戦う者も、同じだ。」

    ミステリー以外をはじめて読んだけど森博嗣作品は徹底的な哲学に裏打ちされてて本当かっこいい。

  • キルドレが人間に戻れるかもしれない。その秘密を巡って動き出す世界。
    孤独で鋭い刃物のようなクサナギスイトが、その少しだけ女性的で、少しだけ人間的なものを表し始める。
    飛行機に乗っている時に感じる浮遊感とスピード感。そして、アニメーションを見ているかのような描写は健在。
    寂しげな日常と、孤独感がたまらない作品だ。ひさしぶりにハマったなあ。

  • 2009年7月頃読了

  • 今回の主人公は「スカイ・クロラ」では謎の人物であったクリタの物語でした。
    内容は「ダウン・ツ・ヘヴン」から数年後で、徐々に「スカイ・クロラ」に近付いていってるのがなんだか妙な気分です。
    主人公のクリタはカンナミやクサナギほど突出した技量の持ち主という感じは受けず、印象としては普通のパイロットだなと感じました。
    性格は今までのパイロットと共通して淡白な感じでしたが、今までの主人公たちとは違って、適度な温度を保った性格だと思いました。
    この作品で一番感じたことはクリタの空への想いです。
    クリタの想った空の情景がとても美しく感じました。
    衝撃的な事実も発覚し、次回作がどうなるものか気になります。
    満足度は★★★★☆。
    「スカイ・クロラ」が一番最初に出版された理由が分かったような気がしました。

  • スイト視点ほど飛行シーンでハイにならない。
    スイトが一瞬だけ自分を僕と呼ぶシーンがかわいい。

  • スカイ・クロラシリーズ第4弾。

    スカイ・クロラシリーズでは既出だがよく分からなかった名前だけの人物「クリタ」が主人公のストーリー。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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