- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121007155
感想・レビュー・書評
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世界にかかわらず日本に触れてくれている。エピソード豊富で面白く読むことができる。最近の岩波新書のような中公新書だ(!?)。シンデレラに始まり、時計と、時間意識の浸透を探る。時間は神のもので、そのため利子は禁止されていた。修道院で発達した時計が、世俗化が進む中で労務管理などと相まって都市化していく過程が描かれる。イギリス、日本の労働環境の過酷さ!一方メキシコの鉄道やインドの労働者のルーズな話が印象的。スマイルズの自助、ワシントンの秘書をこっぴどく叱る話など次第に厳格な時間観念が形成されていった。日本では奥の細道を手がかりに寺の鐘や簡易式日時計が説明される。旅行大好き日本!シーボルトも驚いているほどですって。和時計はすごい!セックスシティロンドン!聖月曜日。定時法に切り替える日本。
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時計の発展史。日本や欧州でどのように時計が発展してきて、生活にどのようなインパクトを与えてきたかを考察している。
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http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4121007158
── 角山 栄《時計の社会史 198401‥ 中公新書》
…… 時よ止まれ、君は美しい ── ミュンヘン五輪:Goethe《Faust》
http://q.hatena.ne.jp/1168420978#a666123(No.3 20070117 17:54:53)
給与分割史 ~ 年棒・月給・週給・日給・時間給 ~
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世界各国における時計やそれが表示する制度としての時間の史的変遷を辿る。
ハードとしての時計が世界各国ではどのように受け入れられたのか。14世紀に宗教的な必要性から修道院で生まれた時計は、キリスト教の教義とぶつかりながらも人間の生活になくてはならないものとなっていった。国や時代によって時計の持つ意味が大きく異なっていたことが興味深い。
時計が表示する時間は単に1日の時刻を客観的に認識可能としただけでなく、それによって人間の生活を規定してゆくことになった。時計の登場は「タイムイズマネー」の思想を生み、個人による自由な労働から時間に縛られた工場労働を開始し、産業革命の重要な要因となった。
時計が人類史に与えてきた影響は大きく、広範に渡る。ミクロ的なものからマクロ的なものまで様々な分野との関連性を考えながら読むことができて非常に楽しい本だった。 -
角山栄は「茶の世界史」で知った。この人は一つの物質をキーワードに社会や世界を読み解くのが得意なのかな。本書も面白かった!
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和時計って知らなかった。仕組みが知りたい、万年時計見てみたい。
江戸時代、自国風に時計をアレンジした日本と、皇族の奢侈品にしかできなたった清が対照的。
経度法のくだりもおもしろい。経度を知るためには時間を正確に知る必要があったのですね。
時計がもたらした人々の時間感覚の変化はさもありなん。
製造面でみると、精巧な時計はもっとも技術力の高い産業だったのだなあ。 -
『読書の軌跡』阿部謹也より