仏教、本当の教え - インド、中国、日本の理解と誤解 (中公新書 2135)
- 中央公論新社 (2011年10月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121021359
感想・レビュー・書評
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仏教は、モノの真理を見つめ、ひたすらに真理の下に平等であることを解く。無意味な信仰はなく、信じるは己であり、己を鍛えることで、ブッダになる。論理が通り、合理的なところに共感。
インドのカースト制度への反感から生まれた仏教。中国を経て、日本に渡ったことで、解釈が変わったらしいが、ちゃんと開祖の本質を理解して、現代にあわせて変わる部分を受け入れる度量があるといいですね。
当て字に勝手に意味を持たせて、解釈を変えちゃーいけません。そんな事例をたくさん記述している本書はちょいマニアック向け!?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
看板倒れな感じです。これをきっかけに仏教とは何かと考えるのがいいかも。本文に出てくる中村先生の本が読みたくなる。
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インド・中国・日本では仏教の受入れられ方、理解の仕方が違うから、もはや別の宗教と言うべき、という印象をうけた。外部からきた宗教が土着のものと融合して、新たな面白い物になる。変化を続けながら、受入れられ続けてきた仏教を、読み解くのは面白い。
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仏教の本当の教えを書くと言うよりは、サンスクリット語・パーリ語〜
中国語〜日本語と翻訳されていくうちに言葉の違いや環境、文化の違い
により生じていった誤訳や誤読について書かれている本、という印象。
扱っている問題が小間切れでどうしても枝葉末節という感が否めない。
もちろん原典に当たるのは基本中の基本だが、我々は学者ではないので
そこが肝心なのではない。知りたいことはもっと違うことだ。
読み物としてはとても面白いのだが、タイトルに負けている感じで残念。 -
全体としては興味深く読み進めることが出来ましたが、推論の域を出ていない内容も多々見受けられた印象。言語の壁による誤訳はもちろん、仏教を受容する側の文化的・政治的背景などによって、異なる解釈がされることも必然です。
ブッダが何を教えたかったのかも重要ですが、その言わんとしたところが、人々の人生にどのように活かされてきたのかが重要なんだと思います。その辺りは筆者も認識されていて、すべてを否定している訳ではありません。
ひと口で仏教と言っても、日本人が考えているよりもはるかに複雑なんですね。初期仏教をはじめいろいろと学んでみたいと思いました。 -
仏教が伝わるうちに変化したんだろうなあということは想像がついていたけど、1つずつ検証されるとがっくりくるくらい変化してる。場合によっては漢字を通ったことで違う意味が一人歩きした言葉もあって、くせ者漢字の本領発揮。なんだかトホホという読後感でした。
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第一章を読み終えたところであるが、原始仏教での教えが仏教本来の思想であって今の教えねばならない思想ではないか。今の仏教は間違っている。と云うよりも本来の仏教とは似て非なるものではなかろうか。
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新着図書コーナー展示は、2週間です。
通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号:182//U39 -
おススメ本。古代インドで成立した仏典が、漢訳され、さらに日本の僧侶がそれを解釈するという過程で、いかに誤読や誤解がなされたかを、各テキストを丁寧に比較して検証。形骸化した「葬式仏教」への痛切な批判。