教養としてのプログラミング講座 (中公新書ラクレ 489)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121504890

感想・レビュー・書評

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  • あれ、読んだけど内容が抜けていってしまった。でも、なんとなくプログラミング楽しそう、とう後味は残る。ここが入口のひとつ……かなり晩成の人向けのね。

  • 教養|知識によって生まれる人格性。プログラミングを学ぶことでその人はどう深みを増すのか。わかりやすかった。

     この本がわかりやすいのは著者がプログラミングが教養になっているからだと思った。

     つーかこの人母校で講師やってたの!?授業受けたかった。いや、その当時はプログラミングなんて受ける気全くなかっただろうけど、今となっては…。

    ______
    p17 プログラミングを学ぶと何ができるようになる
    ●論理的な思考方法
    ●情報の適切な分類・活用
    ●最小の手間で、正確な仕事をこなす思考方法
    ●知らない人と知識を共有する方法
     だそうです。

    p23 プログランマ
     プログラムの語源はギリシア語のプログランマである。「公に書かれたもの」という意味がある。法律や慣習や宗教儀式や哲学など人の行動を制限管理するものがプログラムだったのである。「人々のコントロール」これがプログラムのキーワード。

    p33 バッファ
     コンピュータの画面は常時書き換えられて再表示の繰り返しで写されている。しかし、画面が一つしかないと切り替えの際に画面が高速点滅してちらついてしまう。これの対策として、画面表示領域を二枚用意して、一枚を移してその間にもう一枚に新しい画面を用意するようにして画像分断によるちらつきを無くしている。なるほどね。裏で次のものを準備しているのがバッファリング。信長の長篠の戦いにおける鉄砲部隊もトリプルバッファリングである。

    p35 1987 
     金融業界のブラックマンデーという事件。
     金融業界も今では取引プログラムによる瞬時の取引が主流である。しかし、この全自動金融装置も製作者が人だから万全ではなく、一つの手違いで大惨事を起こす。その実例がブラックマンデー事件。
     ある会社が手違いで株式を安く売り出してしまった。それに反応したプログラムが安値になる前にその株を売ってしまい、それによってさらに価格が下がり、別のプログラムが今度はその業界全体の危機と捉えて広く売りに出始める。この連鎖反応で株式市場全体が見る見るうちに売り注文過多になり、平均株価がダダ下がりした、この月曜日は「ブラックマンデー」と名付けられた。プログラムゆえの恐ろしさ。連鎖反応で取り返しのつかないところまで瞬時に行動できてしまうのだ。

    p40 スポーツもプログラミング
     スポーツは身体能力の競争にルールを設けたものである。だからこれもプログラミングの一種と言える。
     そして、スポーツ理論というのもプログラミングである。体の使い方を科学することで、すべての人が効率の良い身体の使い方を学べる。達人の特権を大衆化する、この役割もプログラミングの仕事である。

    p47 コンピュート
     Computerは「er」がつくということは人なのである。Compute「計算する」なので計算する人がコンピューターなのである。実際、20世紀半ばまで計算は電卓で無く、計算手のバイトだった。この計算する人が人力から機械力に移ったのだ。

    p59 バグ
     バグはかつて真空管の光と熱に集まった蛾(バグ)が回路に挟まってシステムダウンさせることがあった。これに由来している。

    p60 フール・プルーフ
     「お馬鹿をしても平気」という意味の言葉。リスクヘッジとして問題が小さいうちに事態を済ませられるようにプログラミングすること。ミスを犯すことを前提で考えること。

    p74 占いとプログラム
     プログラミングは直接手を下さず他人を操る術である。占いも心理的効果で他人の行動を制限コントロールできるんだからプログラムである。

    p83 チューリング
     第一次大戦のドイツ無制限潜水艦作戦を打ち破ったのはイギリスの当時26歳の天才数学者アラン・チューリングだった。彼はUボートのエニグマを解読する機械を作った。(ボンベ)彼がいたからイギリスはドイツに敗けなかった。
     そんな大功績がある彼だが、軍事機密だからその功績は表に出ることがほとんどなかった。
     彼はそんな抑圧された状況からかおかしくなってきて、最後は青酸化物のはいったリンゴを食べて42歳で亡くなった。
     
    p91 アルゴリズム
     物事を一般化して誰もが平易に均質なものを生産できるようにすること。数学でいうところの公式を作ることである。アル=フワーリズミーの名前に由来する。
     世界最古のアルゴリズムと言われているのがユークリッドの互除法である。最大公約数を求めるアルゴリズムである。
     アルゴリズムは生活を効率化する姿勢を身に付けられるという。

    p105 ハッシュ
     ある集合の中の分類の共通項。そのハッシュに関連する物事にデータを分類することで、管理や取り出しが容易になる。名簿作りとかに応用できる。名前の五十音順に分類するとかもハッシュ付である。

    p163 Scratch
     MITで開発されたプログラミング教育の教材。簡単にプログラミングの基本志向を学べるらしい。

    p164  バグとの闘い
     プログラマーの格言「プログラムは思い通りには動かない。書いたとおりにだけ動くのだ。」
     プログラム作成の永遠の課題はバグを無くすことである。しかし、プログラミングを人間という不確定要素が作成している以上それは不可能に近いだろう。だから、バグを自動で解消するソフト、自動発見器などができれば革命になる。

    p172 ムーアの法則
     集積回路上のトランジスタの数は18か月で2倍になる。と1965年位提唱して、概ねその通りになっている。トランジスタは小型化が進み、つまり同じ面積でより多くのトランジスタヲ使えるように進化している。しかし、これには物理的限界が来る。これが2020年前くらいに来てしまうらしい。それ以上は分子レベルを超えるらしいからだ。

    p174 カーツワイル曰く
     カーツワイル博士曰く、「ムーアの法則は集積回路だけでなく生物の進化にも応用される。人の進化も加速度的になっている。このまま行けば2020年代には人工知能が完成し、2027年ころには人の脳の全貌が明らかになり、分子レベルのナノボットによる生活の変化が起きるだろう。そうなれば医療も何もかもが克服されうる。」
     へー。

    _______


     論理的な思考の得手不得手は、このプログラミング的センスにあると思っていた。もし論理的思考がダメな人はプログラミングを学べば良いのでは。
     いや、そもそも触れることすらままならないか。だったらやっぱり子供のうちからそういうプログラミングに対するバリアをフリーにする必要があるよな。

     プログラミング教育賛成。でももう入れる場所ないよな。国語の授業で取り入れよう!!

  • 考えかたはわかりました。

  • プログラミングがどういうものか分かんないし自分の人生には関わらないと思ってる人が読むと、それなりに蒙が啓けるのかもしれない。
    教育関係の人が読むと良いのかも?

  • 教養と言うだけあって、普段の暮らしの中にもいかにプログラムがあるかみたいな内容。コレを読んでもプログラムが出来るようにはなりませんが、確かにと思う部分はあった。

  • プログラミングとは何か、初歩の初歩という感じで、小学生の高学年でも読める子であれば読めるし、筆者としては大学の一般教養で、文科系の学生向けとして書いていると思う。

    内容は、プログラミングとは、日常のプログラムとは、日常生活の指示をプログラミングに直してみると、プログラマーの思考、MOONBlockを使ってのプログラミング、プログラミングの未来といった内容。

    プログラミングをかじる前に読んでみるとよい本だと思った。逆に言えば、本格的にやりたいひとにとっては読む価値もないだろう。

  • 私は商社の情報システム部に所属していますが、プログラミングの知識は全くありません
    モノ作りはいつもベンダー(情シス子会社)の方にお任せですが、
    私たちはユーザ代表として良いシステムを入れたいし、一方でプロマネとして開発プロジェクトを管理しなければならない立場です。
    そんな中でつくづく思うのは、モノ作りが出来る人たちは偉大だ、ということ。
    そんな技術者の方たちは一体物事をどう考えるのか、少しでも理解できればと思い、読んだ一冊。

    うーん、面白かったです
    プログラマーでない人間にとっても、非常に示唆的でした
    「プログラミングとは、一言でいえば『自分以外のものを、思い通りに動かす方法』のこと。適切にプログラミングしたものは、たとえば作者が消滅したとしても、作者の意図を反映し、プログラミングした通りに動くことになります。」(p.5)
    組織のリーダー、子どもを持つ親・・様々な人が日々"プログラミング"行為をしているんだなぁ
    あとは、フールプルーフとかハッシュ関数とか、いわゆるプログラミングの世界の基本用語も分かりやすく説明されていて、普通に勉強になりました。

    「文系も理系も大人も子どもも 21世紀に生き残るための『必修科目』」(帯より)
    残念ながら、システム作りの世界は人手不足と言われています
    でもプログラミングは決してニッチな分野ではなく、そのエッセンスはいつの時代も社会にありふれている。
    プログラミングに対するとっつきにくさが取り払われ、簿記みたいな会計知識のようにポピュラーなものになり、優れた技術者が増えてほしい。
    私も少し齧る程度で、勉強してみよう

  • 書評でも評価が分かれていたので、読んでみた。
    基本的な考え方というかアプローチは悪くないし、納得出来ることも多い。
    しかし、切り込みが表面的と言うか浅いのかな。
    だから評価が分かれるのか・・・・

  • 「ゲンロンカフェ」での講座、成蹊大学での授業をベースにした著書。
    西新宿の「ささもと」には行ってみたい。

  • コンピュータの歴史と自社プロダクトについて書かれた本。
    読む人選びそうです。

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著者プロフィール

日本学術振興会特別研究員

「2022年 『「予科練」戦友会の社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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