ダウン・ツ・ヘヴン (中公文庫 も 25-3)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122047693

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  • クサナギの地位が上がっていくにつれ周りの環境が変わってゆく。カンナミとの出会い、思い出話、ティーチャとの対決

  • 「待ったところでろくなことはない。自分を信じて、自分の感覚を信じて、いつでも撃て」

  • 『軽く敬礼してやった。それくらいの礼儀は、「世界平和」という言葉と同じくらい、まああっても悪くはない代物だ。』

    『建物は古く、階段は薄暗かった。
    「大丈夫ですか?」振り返って看護婦が僕を見上げる。
    「階段は初めてじゃないよ」僕は真面目な顔で答えた。』

    『そもそも、人間って、空から堕ちてきたものかもしれない。
    それが生まれるということ。
    堕ちるのが恐いのは、もう生まれたくないって、思うから?
    それじゃあ、死んだら、上がっていく?
    どこへ?』

    『そんなに死にたかったら、高圧線の鉄塔くらい上れよ。
    せめてそれくらいの努力はしておかないと、神様に嫌われる。』

    『どんなものでも、本ものは少し苦いって、笹倉が話していたっけ。』

    『彼の手首を引き寄せた。
    沈黙。
    沈黙。
    十秒ほど、夜を消費したあと、彼が顔を傾けて。
    僕は彼を引き寄せて、背伸びをして、口づける。
    離脱。
    離脱。
    手を離す。』

    『電車に乗って、人混みの中を歩かなくてはならない。知らない人間がすぐ近くにいて、躰と躰が触れ合うほど接近しても、素知らぬ顔をしていなければならない。都会というのは、そういうところだ。人間たちが吐く息で、地下鉄の中はどうしようもなく濁っている。』

    『同じ道を同じ人間が歩いて、同じ気持ちを持っていて、きっと伝えたいことも、言いたいことも同じなのに、言葉がこんなに違うなんて、本当に不思議だと僕は考えた。』

    『僕がちゃんと僕のままでいて良かった。
    どこかへ行ってしまったり、
    別の躰になっていなくて良かった。
    今日がまだ今日のままで、
    待っていてくれて良かった。』

    『どうしてなのか、その理由。尋ねると、
    「もう子供じゃないのだから」と言われる。
    子供ならばして良かったことが、大人になるとしてはいけない、そういうことがあるらしい。そう考えた。普通はその逆のことが多いはずなのに。』

  • クサナギが女っぽくなってしまった気がする。。
    だんだん1作目に近づいていってしまっているのだな。

    私的に笹倉がお気に入り。

  • 空が彼女の居場所である限り、
    天国に行くときは、堕ちたとき

    『死ぬときは、どこか高いところから飛び降りればいい。自分の意志で、誰のためでもなく死ねるなんて、こんな幸せなことはない。』

    地上にいる私からしたら
    想像もつかないはずだけど、
    彼女の気持ちがトレースできたような気がします

  • 図書館で借りて読み。

    なんだか甲斐さんの人間味が出てきて好きになってきた。

    「いい?悔しかったら、人よりも高いところへ上がるしかないのよ。見下してやるしかないのよ。雲の上まで行ったことがあるのなら、わかるでしょう?」
    「このまま、墜ちていくつもり?それとも、這い上がって、見返してやる?」
    (p343)

  • 時系列順でいくとシリーズ2作目。
    前作の自由さに比べると、今回は組織のしがらみが少々めんどくさい。
    しかし、この世界観はあいかわらず好き。
    続きが読みたい。

  • ティーチャとの戦闘が熱い。

  • 物語の時系列でいけば、二作目ということになる。
    ただ、このスカイクロラシリーズ、5作品でひとつと考えるほうが
    良いと思う。結局は、全部読む羽目になるのだから。
    一貫したテーマは、死の隣で感じる生といったところか。
    非常に乾いた世界観が、特に生死を際立たせているような気がする。

  • やっと面白くなってきた!これまでのも躍動感ある空中戦描写でお腹一杯だったけど…登場人物に愛着が出てきましたねー

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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