- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122069411
感想・レビュー・書評
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将棋好きな人にはお勧め。将棋がわからない私は???うーん↷
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犯人探しミステリーではなく、東野圭吾「白夜行」を彷彿とさせる壮大なヒューマンドラマ。振り返ってみれば、警察が地道に捜査を進めるだけのストーリーながら、丁寧に描かれた生い立ち、各登場人物がそのまままっすぐ進んだが故のラスト、まさに真剣師。決してハッピーな物語ではないのに読後の満足感が心地よい。
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いや〜、非常に面白かった。単純に、めちゃくちゃ好みな話だった。純粋なミステリー(トリック解き明かし系)よりも、こういう背景解き明かし系
/ 人間ドラマ系の方が好きなので、純粋に楽しめた。
個人的には、『青の炎』を彷彿とさせた。主人公の苦悩とか、なんというか全体的な雰囲気が似ていたと思う。
あと、将棋版『砂の器』と聞いてドキドキしながら見ていた(中居くんのドラマだけ履修)のだが、
「やっぱりそうなるか〜だめか〜」というのが最初の感想。終わりはあっけなかったけれど、共感できた。
ただ、上巻では主人公が病んでいる感じはなかったのにが気になる。下巻の中盤からいきなり明かされた情報に唐突感は否めなかった。東明に関してはそうだろうな、と思った。
一言でまとめると「仕方がない」。誰にもどうしようもなかったと思う。非常に良かった。1年後とかに再読したい。
ちなみに、将棋のことは1ミリもわからなくても楽しめた。 -
読み終わった後、心がグッと沈む感覚だったが、嫌な読後感ではなかった。
将棋について何も分からないで読んだが、緊張感はかなり伝わる。
上巻は推理小説、下巻はヒューマンドラマな印象だった。
解説にあった実際に元真剣師の棋士と勝負した話がかなり衝撃的。
フィクションの世界ではないのだと感じた。 -
上巻から一気に読む。
久々にショックを受けるラストで、読み終わった後、呆然とした。
自分の妄想推理のさらに上をいく悲劇。
桂介がいつか光をあびる、そう信じていたのに。
真剣師の東明に会ったのが間違いだったのか。
でも東明に会わなければ、ここまでの棋士にもなれなかったかもしれない。
将棋駒と一緒に埋められた死体の身元にも驚いたし、桂介の最後の優しさも感じつつ、それが犯人特定につながっちゃうのは皮肉。いや、殺人はいけないんだけども。
読み応えがあったがゆえに、ラストでの衝撃がすごかった。
★のつけ方が難しい、と久々に感じた本。
読み応え★5、読後感★3。 -
選んで読んでいるわけでないけど、虐待を題材にした本が多い。その中でもこれは衝撃だった。
知らないことほど、怖いものはない。家族愛というか、家族にしか教えてもらえないことがある。でも家族構造が崩壊してると抜け落ちる。
虐待はした側もされた側も、周囲にいる人たちも皆を不幸にする。 -
警察もの小説としては定評のある(自分の中で)柚木裕子氏の作品
将棋ものと刑事ものの融合
とある山中で埋められた死体が見つかり、その現場から一緒に将棋の駒が発見された
職人が作った希少性の高い駒であり、国内に数個しかない高価なものだった
一方その頃、将棋界では最年少棋士対実業家から転身した異端の棋士とのタイトル戦が注目が集めていた
駒の出どころから事件の真相に近づこうとする刑事2人のパートと、1人の棋士の生涯を追うパートが交互に展開していく
将棋の駒の価値やら、将棋界の通則(奨励会のルール)やら、知らないことが多くて面白く読めた。
真剣師と呼ばれる賭け将棋士もその一つ
その存在やその生き方が、危うくも輝かしい光を放ち、アウトローが持つ魅力は極道ものに通ずる
惜しいのは棋士の生涯と追跡する刑事の二つが重なる時さらなる展開があるかと思っていたが、最後はあっけなく終わってしまったという印象
もう一展開あってもよかったかなーと思う
将棋の勝負の緊張感や定跡の表現の仕方はとても良かったので、また将棋もの書いて欲しいなぁ。