かたち誕生: 図像のコスモロジー 万物照応劇場

著者 :
  • NHK出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140803059

感想・レビュー・書評

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  • 人間は何を思って「かたち」をつくるか、人間は「かたち」から何を感じ取るのか。そんなことを考えていたときに出会った本。最近気になっていた、大極図、唐草模様、木、曼荼羅など、よくもここまで私の知りたいことが集まったなあ、と驚愕した。著者は杉浦康平さん。何かこの感じはとても好きだと思ったら、私が大好きだった雑誌「季刊銀花」の装丁を手がけた人だったんだな。好きなものは知らないうちにアンテナに引っかかる、集まってくる。この本は、私の好きなものの集大成だった。

  • 東洋のイコノロジーについて網羅的に描かれた本。何故惹かれるのか、よく分からない、そんなミステリアスなのに惹かれずにいられない「かたち」の起源を探究している。
    月と太陽、白と黒、渦の構造を植物、人体、宇宙に見る… 文字の呪力、チンパンジーの描く絵、線から面に、顔の誕生…
    しかもこの本は、東洋のイコノロジーを網羅しているにも関わらず、読み進めていくうちに西洋のイコノロジーとの共通点に溢れていて本当に人間っていうのはミステリアスだなと思った。
    「千の顔を持つ英雄」や「神々の沈黙」に深く繋がる一冊だと感じた

  • いろいろなかたちは概念的・観念的。それは人間が人間たる所以のかたちだ。機械となった人間には無意味のものになってしまうのだろう。ほんとうに悲しい。想像力を駆使して「かたち」に意味を持たせよう。

  • デザインの基本の造形、紋様などの解説が書かれてある。
    本の装丁自体もこだわりがあって、とても勉強になった一冊だ。

  • 981夜

  • 極上の一冊。かたちに関わる全ての人間必読と言いたい。
    チにカタを与えたものがかたちだというアジアを貫くコンセプトを軸にして、文様と文字のイコノグラフィから視線の動き方、サルの木から木へ渡るストローク、幼児の絵、身体の微小な渦、料理における味覚の図化、マンダラなどなど広範な世界中に溢れるかたちを繋げてゆく。

  • かたちの奥深さをこの一冊で知る

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著者プロフィール

杉浦康平(すぎうら こうへい)
1932年、東京生まれ・東京芸術大学建築学科卒。グラフィックデザイナー。
現在、神戸芸術工科大学名誉教授、同大のアジアンデザイン研究所所長を歴任。2011年秋、それまでの半世紀余にわたるデザイン作品の寄贈先である武蔵野美術大学美術館・図書館が「杉浦康平・脈動する本」展を主催。ブックデザインの集大成といえる作品群が一堂に会した。引き続きデザインアーカイブ特設サイト「デザイン・コスモス」が構想され、2021年に公開。主な受賞に、1997年の毎日芸術賞および紫綬褒章、2019年の旭日小綬章がある。
主著に、万物照応劇場シリーズ『日本のかたちアジアのカタチ』(三省堂)、『かたち誕生』(日本放送出版協会)、『宇宙を叩く』(工作舎)がある。また、本書『本が湧きだす』を含む「杉浦康平デザインの言葉」シリーズは、2010年『多主語的なアジア』(工作舎)から刊行をスタートした。2014年には、ダイアグラムと時間をテーマに『空間のシワ・時間のヒダ』(鹿島出版会)ほか、多くの著作がある。

「2022年 『本が湧きだす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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